ポスト
紡がれた言葉に思考も体もすっかり止まってしまった。がたり、と音がしてア. カ. ア. シくんが立ち上がったとわかった。 「場所、変えましょうか」 鞄を持っていない方の手を引かれて、図書室をでた。手を引かれるがまま辿り着いたのは私のクラスの教室だった。そこにはもう誰もいなくて
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窓から差し込む夕陽が空間をオレンジ色に染めていた。とっくの昔に思考は仕事を放棄していて、どこか遠くからこの状況を俯瞰している気さえする。でも顔に集まる熱と普段のペースの倍で響く鼓動にこれが現実であることを突きつけられる。ア. カ. ア. シくんは手を離さないまま、口を開いた。