ポスト
窓から差し込む夕陽が空間をオレンジ色に染めていた。とっくの昔に思考は仕事を放棄していて、どこか遠くからこの状況を俯瞰している気さえする。でも顔に集まる熱と普段のペースの倍で響く鼓動にこれが現実であることを突きつけられる。ア. カ. ア. シくんは手を離さないまま、口を開いた。
メニューを開くみんなのコメント
メニューを開く![](https://rts-pctr.c.yimg.jp/BgIFgYJGVIVv8u0nVJvw8B2FauAYMF4jOP5zFJAV4i5e72TLbER0xQeK1l8ZZ0OLm-7tjbz62QF5UA75mYh-1FHNsg8Py_pslpZWK8uasDpIwpEFDBlXij9Bh91_t0F8PHgqyw1iLdvyY73ypJL6_1711x8ohw9G9tAXkm8wYVSMCxYA2QcQ-IKrcvONSNzsRgp0D5pSAyiX5IUZUxc-v6UC_mgZF0pRBfucFYiNmqE=)
「俺、今緊張してます」「…全然そんなふうに見えない」「確かめますか?」「…」何も言わない私を肯定と取ったのか、繋がれた手を心臓付近へ持っていく。彼の胸と手を伝って、私の手にもどくどくという思い音が伝わってくる。「ほんとだ…?」「本当ですよ」「顔に出ないね」「よく言われます。