本作品の見方としては広島の平和聖地巡礼のガイドになるという側面はあるかも知れない。広島の情景を描いており、そこは見所だろう。また平和公園の像の由来がアニメで描かれているのも見所だろう。

まあ問題の在処には短い尺による制約はあったのかもしれない。中編ならもっと描写が豊かになったかも知れない。

本作品の抱える問題はもう一つあってあまりにファンタジー寄りすぎて原爆投下の怖さがどこまで現実か曖昧に見えること。

この作品の描いた事はなんだったかと言えば「広島の原爆投下の惨状を世界に知ってもらいたい」であろうかと思う。その為に現代っ子のとも子とサダコを友だちにして、橋渡しをして世界に広めよう、意図は理解できた。

作中、原爆投下時のシーンは流石に力が入っている。破片の動きに臨場感があった。また、とも子が原爆資料館で様々な資料を見て原爆の威力に思いを馳せるシーンは想像力を掻き立てられてしまう。こうしたシーンは本作品のアニメとしての見どころだろう。