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快活な声で俺を励まして、少し冷たい手で俺の手を引いてくれて、しゃくりを上げる俺をなだめようと見当違いな話題を明るく口にして、別れ際に、もう迷ったりしないようにおまじないだと、俺の頭を広い手で撫でてくれた。じゃあな、と別れの言葉を口にする彼はどこか寂しそうで、帰りたかったけれど

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みんなのコメント

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此処にこのひとをひとり残して行くのは厭だと、子供ながらに使命感に駆られたものである。そんな体験から十数年、立派に成長し社会のブラック無糖煮詰めに煮詰めたコールタールに揉まれ染められ無邪気さなどとうに捨て去た出涸らしみたいな俺は、なんということでしょう、またあの場所に迷い込んでいた

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