ポスト
本殿前の石段を上り切ったあたりで、茶太郎くんの大声が聞こえた。鞍馬さん今度は何をしたんだろうか。 社務所の隣の部屋を除くと縮こまって正座しながら困ったように笑う鞍馬さんと怒って仁王立ちする茶太郎くんと夜胡くん。鞍馬さんの狩衣の袖に絡みつく子猫がいた。「やぁ幸人くんいらっしゃい」
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怒られているのに、穏やかに迎え入れられた。「おや、いけないよ」爪が着物に引っかかったのか暴れる子猫を春秋は優しく外してやる。 なんで怒ってたのか茶太郎くんたちにたずねると、鞍馬さんが依頼先で子猫に一目惚れして、たくさん生まれた子どもの中から1匹もらってきたそうだ。生活能力のない
