ポスト

泥と油にまみれ、全身に無数の古い傷跡を持つその象は、紛れもなくギャラルホルンだった。しかし、伝説の凶暴さとは裏腹に、その姿は静かで、どこか威厳に満ちていた。片方の牙は根元から折れ、皮膚は弛んでいたが、その巨躯と、特に太く筋肉質な鼻は健在だった。

メニューを開く

中埜@pisiinu

みんなのコメント

メニューを開く

ギャラルホルンは、傍らに置かれた巨大なドラム缶に、器用に鼻を巻き付けていた。そして、まるで柔道の受け身の練習でもするかのように、ゆっくりと、しかし正確な動きでドラム缶を転がし、持ち上げ、静かに地面に置く。それは、かつて戦車すら投げ飛ばしたという「象柔道」の残滓なのかもしれない。

中埜@pisiinu

人気ポスト

もっと見る
Yahoo!リアルタイム検索アプリ