小谷野敦『夏目漱石を江戸から読む 付：正宗白鳥「夏目漱石論」』（中公文庫）

小谷野敦『夏目漱石を江戸から読む 付：正宗白鳥「夏目漱石論」』（中公文庫） 漱石は「近代化された馬琴」と評されることがある。馬琴の読み本は、その他江戸の浮世草子、洒落本、人情本と系列を異にすると言われてきたが、じつはそこにはなんらか共通のエートスがあるのではないか。… pic.twitter.com/epGVYjH9Pg

探偵趣味への批判＝SNS周辺への批判、として、そのまま重なって読める。『夏目漱石論』や『漱石論集成』はもはや基礎的な読解だが、軽薄にアクロバティックにも読みたい。明治版『くたばれインターネット』とでも名付けたい。

返信先:@nagaomunenoriこちらこそありがとうございます。オンライン授業の怪我の功名で声の吹き込みにそこまで抵抗感が無くなっていたのが幸いしたのかもしれません。長尾さんの夏目漱石論もどこかで読んだり、聴いたり？できるのを楽しみにしております。

夏目漱石は読んでなくて、夏目漱石論は結構読んでる不思議

柄谷行人を理解したければ夏目漱石を理解しないといけない。柄谷の夏目漱石論を手掛かりにすれば漱石にはびっくりするような世界が広がっている。そしてそのピースが嵌るとパタパタパタ、、と現実の世界も別のものに変わる。

返信先:@KYOKAsaaanどこかで好きな作家をテーマにして論じることと、純粋なテクストを論じることとの矛盾（テクストだけを見るなら作家は消えるため）に当たるかもしれないので、そういうときは蓮實重彦の『夏目漱石論』とかにかかってみてください

韓国では『監督 小津安二郎』や『ジョン・フォード論』だけでなく、オリジナル論集『映画の素肌(영화의 맨살)』や鼎談集『映画長話』も刊行されている。さらには『夏目漱石論』や『凡庸な芸術家の肖像』まで訳出されており、『帝国の陰謀』も近刊予定というから、多角的な紹介がなされている印象だ。

漢字書き取りの練習 政略と云うようなものがあるかどうだか知らない。漱石君が今の地位は、彼の地位としては、低きに過ぎても高きに過ぎないことは明白である。然れば今の地位に漱石君がすわるには、何の政策を《ロウ》するにも及ばなかったと信ずる。＜森鷗外：夏目漱石論＞ ⇒　弄

『夏目漱石論』『監督 小津安二郎』『「ボヴァリー夫人」論』『ジョン・フォード論』あたりと並べてもこれが並はずれてめちゃくちゃなことを書いていておもしろい（でも確かに分析された通りになっているかのように錯覚させられる）　まさに荒唐無稽

蓮實重彦は『夏目漱石論』が案外英訳しやすいのではないか。