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時刻は……午前4時少し過ぎだ。もちろんまだ夜は明けていない。無垢なる山羊たちは平穏で集合的な眠りの中にもぐりこんでいる。窓の外の畑に並ぶオリーブの木は、今しばらく深い滋養の闇を吸い続けるだろう。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/BNZB6poVMr
世界中どこにいても、わたしはこの時刻がほかのどんな時刻よりも好きだ。この時刻はわたしひとりのものだ。そしてわたしは机に向かってこの文章を書いている。間もなく夜が明けるだろう。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/gbSBPanJAg
小さなころからずっとそうだった。何かわからないことがあると、わたしは足もとに散らばっている言葉をひとつひとつ拾いあげ、文章のかたちに並べてみる。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/EpZ1JM8D5N
どうして書かずにはいられないのか? その理由ははっきりしている。何かについて考えるためには、ひとまずその何かを文章にしてみる必要があるからだ。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/eOLxOxEVT9
わたしはこの台詞が好きだ。おそらくはそれが現実の根本にあるものだ。分かちがたくあるものを、分かちがたいこととして受け入れ、そして出血すること。銃撃と流血。 いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/34rWzNcR53
ぼくはベッドを出る。日焼けした古いカーテンを引き、窓を開ける。そして首を突き出してまだ暗い空を見上げる。そこには間違いなく黴びたような色あいの半月が浮かんでいる。これでいい。ぼくらは同じ世界の同じ月を見ている。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/eBYu4ff8hF
#村上春樹 #スプートニクの恋人 初めての村上春樹作品読了!1ページ目が好き過ぎる。個人的には「ささやかな悲劇の物語」って解釈がお気に入り、想っていても想われていても想い合っていても人は結局皆孤独なのかもしれない。 pic.twitter.com/CfEC2gkxnI
しかしぼくは急がない。もうとくに急ぐ必要はないのだ。ぼくには準備ができている。ぼくはどこにでも行くことができる。 そうだね? そのとおり。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/wJWFu40KhX
ミュウはもう何も考えることができなくなった。わたしはここにいて、自分の部屋を双眼鏡で眺めている。その部屋の中にはわたし自身がいる。ミュウは何度も双眼鏡の焦点を合わせなおした。でもそれはどれだけ見ても彼女自身だった。 #スプートニクの恋人 pic.twitter.com/qinI8yz2OF