「お、ハイスコア更新した！」「なんだまたゲームやってるのか？」「だって外が暑いからあんまり出歩くなってお前が言ったんだろ」「それはそうだな」「それにしても体がなまっちまうよ。ランニングくらい行っちゃ駄目なのか？」「もう少し日が沈んでからなら付き合ってやる」「ちぇー」 #一日一ベカミ

「あ、そうだ、跡部」「何だ」「明日は用事があるからこっち来れねぇ」「……へぇ」「深司たちと遊びに行く約束してるからさ」「……そうかよ」「何だよそのちょっとムッとした顔」「してねぇだろ」「してるって」「気のせいだろ」「……」「ま、楽しんで来い」「分かってるっての！」 #一日一ベカミ

まあ、特別にウキウキしちゃうのも仕方ないよな。一年に一度きりしかない特別な日が近づいてるんだからさ。今年は特に楽しみなんだよ。だって俺が跡部と同い年になるんだぜ！？たった二ヶ月とはいえ跡部と同じ場所に立てるのはやっぱり楽しみだよな。はー、早く誕生日にならないかなー？ #一日一ベカミ

「嬉しそうだな」と言えば、神尾はこちらを見て「おう」と満面の笑みで頷いた。「だってさ、八月じゃん？」「……あぁ、なるほど」そのひとことで言いたいことは分かった。「それにしても、ちょっと気が早いんじゃねぇの？」「いいだろ！嬉しいことに変わりはねぇんだから」「ハイハイ」 #一日一ベカミ

「今のは絶対にライン外だったって！チャレンジだチャレンジ！」「なんだ必死だな」「跡部から１ゲーム取れるかどうかの瀬戸際なんだから当たり前だろ！」「それならアウトってことにしてやるよ。アドバンテージからだな」「……」「今度はなんだ」「情をかけられたみたいで悔しい…」 #一日一ベカミ

考えてみればあの時ストテニ場で顔を合わせてなかったら跡部は俺にとってただの氷帝テニス部の部長、でしかなかったんだよな。「それならあそこで会っておいて正解だったな」「まー跡部は俺のことなんて覚える気なかったみたいだけど！」「…ふん、本気でそう思ってるのがお前らしいな」 #一日一ベカミ

「……眠い」「夜更かしか」「だってさぁ、オリンピックって夜中じゃん？」「あぁ、なるほど」「つい気になって見ちまうんだよなぁ」「夏休みだからって不規則な生活してんじゃねぇよ」「いやいや、夜更かしは夏休みの特権じゃん？今しかできないじゃん？だからさぁ」「……ハイハイ」 #一日一ベカミ

ふと動きを止めたから、どうしたのかと思ったら。「ワリィ、電話だ」ポケットから携帯を取り出して神尾は立ち上がった。「あぁ」返しつつ、少し離れて電話に出るのを眺める。相手が誰だか知らねぇが、随分と嬉しそうな顔してやがる。分かってはいるが、気に入らないものは気に入らない。 #一日一ベカミ

綺麗だな、と思った。まるで夏の空みたいな透き通った青だ。夏は好きだ。暑いけど、海も山も楽しいし、蝉の大合唱も面白いし、あと夏休みがたくさんあって嬉しいし。そんな夏を連想させてくれる跡部の青い瞳も、もちろん好きだ。…跡部に言うとやたら顔を近付けてくるから黙ってるけど。 #一日一ベカミ

夏といえば？プールだろ。海水浴もいいよなぁ。海の家で食べる焼きそばとかかき氷とかって、何であんなにウマいんだろう。でスイカ割りとか花火とか。あとは夏祭りとか？「でもさぁ今年は暑いから外に出るな、だって」「そこまで言うなら用意してやらなくもねぇが」「エンリョします」 #一日一ベカミ

昼寝してたら、いつの間にか夜になってた。「……あ」その間に跡部から電話がかかってたみたいで、携帯がチカチカ光ってる。「えーっと」着信が三回、メールが二件。留守電は入ってないから急ぎの用とかではなさそうだけど……取り敢えずかけ直しといた方がいいよな。「仕方ねぇなぁ」 #一日一ベカミ

昨日は朝から晩までテニス三昧だったから疲れたけど充実した一日だった。「昨日酷使した分、今日はゆっくり休んで体力を回復させろ」「わかってるよ。…ん？桃城からメッセージ来た。え？カラオケ！？」「…おい神尾」「な、なんだよ！カラオケなら体は動かさねえから別にいいだろ！？」 #一日一ベカミ

「やっぱり跡部の方が強いよな」「… せ何を当たり前のことをしみじみと」「テニスの話じゃねえよ！」「テニスの話とは言ってねえぞ」「ぅぐ…！」「で、何が強いんだ？」「ポーカーだよ！さっきから全然勝てねえんだからわかるだろ！」「まあお前全部顔に出るからな」「ぐぎぎ…！」 #一日一ベカミ

「あっちぃー！」ちょっと外を歩いただけで、汗だくになった。今日は外の気温が体温くらいあったらしい。そりゃ暑いよなぁ。「楽しそうだな」「え？楽しいだろ？あ、もしかして跡部は楽しくねぇ？」「そんなこと言ってねぇだろ」「そっか？それならいいけどさ」「で？次は何を見るんだ」 #一日一ベカミ

「オイ」「ん？」「前に見たいって言ってた海外の試合映像が手に入ったが」「見る！」だらりと寝転んでいたくせに。言った瞬間嬉しげな顔でぱっと飛び起きる。「……分かり易いヤツだな」「ん？何か言ったか？」「いいや？」「な、それ早く見ようぜ！」「分かったから、一度そこに座れ」 #一日一ベカミ

ふと目に止まったのは少しだけ色褪せた写真だった。「これ昔の跡部？」「イギリスにいた頃だ」「へー、跡部ってちっちぇー頃から美人だったんだな！」「…その褒め言葉はあってるのか？」「深司はよくそう褒められてたぞ」「……そうか」「もっと見たいな！アルバムってある？」「ああ」 #一日一ベカミ

「跡部！」「何だ、大きな声出して」「知ってたか？今日はかき氷の日なんだってさ」「……へぇ」「語呂合わせらしいけど……なぁ、かき氷食べたくねぇ？」「また連れて行けって？」「そうは言ってねぇ！というか俺が食べたいのは普通のやつ！イチゴとカメロンとかブルーハワイとかの！」 #一日一ベカミ

「わー、いい眺めだなー」「お前、こういうの好きだろ」「うん！」「夜になったら花火も見えるらしいぞ」「花火！？やったやった！楽しみだなー！」「…なんとかと煙だな」「え？なんか言った？」「何も言ってねーよ、ほら向こうに望遠鏡もあるらしいぞ」「マジで！？いってくる！！」 #一日一ベカミ

「……その膝はどうした」「地面のヘコみで転んだ」「…迂闊な奴だな」「うっせ！ちょっと余所見してたんだよ」「余所見ねえ。何を見てたんだか」「……それはその……跡部の試合なんだけど」「ん？何か言ったか？」「別になんも！てかさっさと離せよぅ！」「治療が先に決まってんだろ」 #一日一ベカミ

室内プールを使わせてくれるっていうからさ、ここぞとばかりに泳いだ、ら。「……」今、スッゲェ眠い。「どうした」「うーん」「大丈夫か」「へーき、眠いだけ」そろそろ帰らなきゃならねぇ時間なんだけど。「泊っていけばいいだろ、夏休みなんだし」「えー、でもさぁ」「気にするな」 #一日一ベカミ

夏はさ、やっぱりかき氷じゃん？だから食べたいって言ったら、車に乗せられて、明らかに高級そうな見た目のお店に連れていかれた。「……あのさぁ」「何だ」「もしかしなくてもこれってさぁ」「旬のフルーツと天然氷を使ったかき氷だな」「……うわー」余計なこと言うんじゃなかった。 #一日一ベカミ

「桃城誕生日おめでと！」「お、サンキュー。俺の誕生日知ってたのか」「あはは、当たり前だろ。杏ちゃんが張り切ってたからな…？」「お、おう。…なんかゴメン」「これは俺のプレゼント。あとこっちは跡部からの」「は？跡部さん？なんで？」「えーと恋敵の恋敵は味方だから、って…」 #一日一ベカミ

「オイ」「ん？」「何だその膝の青あざは」「これか？さっきちょっとぶつけた」「何やってんだ」「いやぁ、そこに柱があるのに気づかなくてさ」「まったく、ちゃんと周りを見て走れ」「おう」「で？痛みは」「あるけど、へーき」「無理すんじゃねぇぞ」「しねぇから、大丈夫だってば」 #一日一ベカミ

蝉の鳴き声がするなぁ。「夏って感じ」「随分前から夏だったけどな」「……跡部にはふぜーってもんがねえ」「なんだとコラ、生意気言うのはこの口か」「いへぇ！ひっはんなよぅ！」「せめて風情を漢字で書けるようになってから言いやがれ」「なんでわかっ…ていうかもうはなへよぅ！」 #一日一ベカミ

「せっかくの夏休みなのにさぁ、暑すぎて危ないから外で運動するなってさ、ヒドイよな」頬を膨らませ、分かりやすく不機嫌な神尾が声をあげる。「だから室内コートを準備してやるって言ってるだろ」「それは嫌だ」「理由は」「それに慣れて甘えちまうのは良くないから」「なるほど？」 #一日一ベカミ

「やっぱり跡部の家は快適だよなー」「そうか？」「快適が当たり前になってるやつの顔してやがる…」「当たり前だからな」「日常の幸せをちゃんと感じられなきゃもったいないんだからな！」「お前が隣にいる有り難みは感じてるぞ」「そ、そ、そーゆーのじゃなくてさぁ！もう！ばか！！」 #一日一ベカミ

「お前が前に言ってた雑誌、見つけたぞ」「え！？あれってメッチャ古いやつだからもう本屋に置いてないだろ！？」「ふん。古かろうがツテがあればなんてことねぇよ、ほら」「わぁああ！マジだ！嬉しい！ありがとうな、跡部！」「…おう。そこまで素直に感謝されると悪い気分じゃねえな」 #一日一ベカミ

「さっきさぁ、出してくれたお菓子ってどっかの？それともシェフさんが作ってくれたやつ？」「うちの手作りだな」「そっか、だよな」「どうした、気に入ったのか」「うん、むちゃくちゃ美味かったからお礼言いたいんだけど」「分かった、呼んでやる」「え、言いにいかせろよ、そこは！」 #一日一ベカミ

今日も外はスゲェ暑いのに。やってきた跡部んちはめちゃくちゃに涼しくて快適だ。しかも冷たい飲み物と豪華なパフェまで出てきた。「相変わらず跡部んちってスゲェよなぁ」「何だ？住みたいなら手配してやるぜ」「エンリョしとく」「テニスも室内コートでし放題だぞ」「う……」ズリィ。 #一日一ベカミ

暑いと思ったから「暑いなー」と呟いたら「そうだな」と返事があった。ビックリして振り向いたら跡部が横に立ってた。「いつの間に？」「お前がぼけーっと口を半開きで空を見上げてるときだな」「そ、そんなことしてねぇよ！」口元を押さえながら抗議すると跡部がニヤッと笑っていた。 #一日一ベカミ

いつもより腹が減ってる気がしたから、ハンバーガーとポテトとドリンクＬサイズセットに、今日はナゲットも追加したんだよ。そしたらさ。「……」「どうした？多かったのか」「いや、シェイクが飲みたくなったから買ってくる！」「……」「跡部もいるか？」「……いや、いい」「おう！」 #一日一ベカミ

「これ美味いから食べてみろ！」と神尾に押し付けられたスナック菓子を部室で取り出したところ、周りにざわめかれた。「それ新しいヤツじゃん！食べてみたかったんだよ！」「ネットで評判だからなかなか売ってないんだよねー」「俺にも一口分けてな」…そんな盛り上がるもんなのか？？ #一日一ベカミ

学校が終わったら迎えが来ていた。跡部んちのでっかい車が、だ。「毎日元気だね」「俺は頼んでねぇ、勝手にきてるんだって」「神尾には言ってない、あの人が元気だねって言ってるの」「それはそう」「早く行けば？待ってるんだし」「……」「俺まで睨まれてる気がする」「分かったって」 #一日一ベカミ

あれ、なんか今のいいショットだったな。いつもよりも鋭く打ち込めた気がする。確か跡部に言われたアドバイス通りにトレーニングしたんだっけ…なんか、一応アイツも部長なんだなぁ。ちゃんと的確なアドバイスをしてくれるのか。うーん、次にあったらお礼を言うべきかな…不本意だけど。 #一日一ベカミ

街中でさ。行きたい店の前に、姉ちゃんとお友達の人がいたんだよ。だから今は行くのやめようとしてるのに。「どうした、行かねぇのか」ってさ。「あとで行く」「アーン」「あとでいいの！っていうか、見えてるんだから分かってるだろ！」「ついでにご挨拶と思ったんだがな」「ほらな！」 #一日一ベカミ

やたらと跡部の機嫌がいい。連休中はずっと神尾と過ごしてたらしいからそのせいだろう。週が明けてようやく跡部の顔を見れた女生徒が黄色い声をあげてるけど、連休中の跡部の実態を知ったら悲鳴になるんじゃなかろうか。…まあ、わざわざ藪を突くつもりはないけどな。跡部楽しそうだし。 #一日一ベカミ

跡部んちのホームシアターで一緒に見てた映画。感動するやつでさ、最後うるうるしちまったんだよ。隣を見たら、普通の顔してんの。「何だ」「感動したな」「あぁ」「……」「感動で泣くのは悪くねぇから安心しろ」「何も言ってねぇ」別にいいし。跡部が動物感動系に弱いの知ってるし。 #一日一ベカミ

「あ、そうだ。これ跡部へのお土産」「……お土産…？お前、連休中ずっと俺様と一緒にいたじゃねえか」「違う違う。姉ちゃんが友達と旅行に行ってたんだよ。で、なんかお土産たくさん買ってきたから分けてくれた」「そうか。お姉様にお礼をしないとな」「…お礼の方が高くつきそう…」 #一日一ベカミ

「ん？宿題か？」「いやになるよなぁ。せっかくの連休なんだからゆっくりさせてくれたらいいのにさ」「…言うまでもないだろうが学生の本分は勉強だからな」「はいはいわかってますよーだ！」「まあ、頑張ってるならレモネードでも作って持ってこさせるか」「やった！レモネード好き！」 #一日一ベカミ