「…お持ち帰りしちまった…」って土方が俺の裸の背中を撫でる。「これはお持ち帰りじゃありません。酔いを利用したけど、健全な恋愛です。銀さんちゃんと合意しました」「…そうか」何とも嬉しそうな顔になる。行きずりじゃねえ、一晩じゃねえ。まともな恋愛、銀さん久しぶりです。 #hg_60m #土銀SS

「お持ち帰り、って言葉はよくねえと思うんだよ銀さん!初めて出会った女を、酔わせて潰して連込む感じじゃん?同意がねえ!済し崩しとか、卑怯だかんね!!」って熱弁したら、土方が引け目のある顔をした。土方お前、俺をお持ち帰りしようとしてんだろ。だから!合意をな!?言え!好きって!! #hg_60m #土銀SS

「こないだの子どうした?」「それが俺、お持ち帰りしちゃってよー!」飲み屋の隣りの席での会話が耳に入る。俺は反対側に座る万事屋を窺った。「何、土方くん」「何でもねえ」…万事屋を、お持ち帰りしてえ。それにはどうやれば。頬が仄かに紅色の横顔を盗み見る。ああ、触りてえな。 #hg_60m #土銀SS

「土方くんて銀さんを好きなくせにさ、」『くせに』。one hit。「態度が偉そうっつうか、」『偉そう』。two hit。「そんなんじゃ銀さん靡かねえと思わねえ?、その辺どう思ってんのよ」『靡かねえ』。three hit。繰り返しのダメージを受けても立ち上がる、態勢を立て直して。いつか落とす…！ #土銀SS

銀時と喧嘩したら言葉で撃ち返された。「ほれ土方。自分の非を認めてあやまりな?」せせら笑う顔が憎らし可愛い。…ここで可愛い、が出てくるのが悪いんだからな俺。俺だって真選組の頭脳だ、口八丁だ。頭を整理する。「…じゃあ言わせてもらうがな、」喰らえ生身の言霊、言葉の鉛の弾をよ。 #土銀SS

喧嘩になった。「大体てめえはいつも俺の事考えてねえんだよ!恋人がいたらちっとは考えんだろ!!」あ、ムカついた。銀さんだって土方の事大事にしてます。てめえの考える理想の恋人とは違うだろうけど?言葉を装填、バレットは満タン。さて撃ち返そう、俺は口から生まれてきた男だぜ下の方の。 #土銀SS

副長が万事屋の旦那を口説き出して一カ月くらい経つ。凄い熱量で、好きだ愛してる付き合ってくれと懇願している。隊士達は面白がりつつ心配もしている。「山崎。副長を諫めてくれよ」「嫌だね」調査をさせられた俺だけは知っている、密かに旦那を恋うていた長い期間を。誰も口を挟めないよ。 #土銀SS

自分を鎧ってこそ行ける場所、ってのもあるだろうけどよ。そんなのァ俺の気性に合わねえな。サイボーグ化なんてのも叶う今の世の中で、生身で行けるとこまで行けたらそれでいいよ銀さんは。「俺も行くからな?」あれ?土方くん酔い潰れてたと思ったら聞いてた?なら、旅は道連れ、一緒に行くか。 #土銀SS

銀八に抱いてる気持ちは、恋でいいと思うけど。その一語で表せるはずもねえ。教科書にも問題集にもねえこの心への言問いは、なにかもやもやとしたでも濃厚な心象でしか表れねえ。「土方。先生の顔に何かついてるか」しまったじっと見過ぎた。「な。何でもねえよ」なぜか覚える懐かしさ。恋。 #土銀SS

「一生に一度だけの頼みだ。一生一緒に居てくんねえか」と土方は言った、初めてのまともなキスの後で。「…ええと、土方くん。体も交わす前の、付き合う前の、キスを一回しただけのとこで言う台詞ですかね?」「俺はそれだけで確信した、って事だ。頼む」…銀さん頼まれると弱くてね? #hg_60m #土銀SS

「万事屋。一度だけでいいからキスさせてくんねえか」と土方は言った、まだ香る前の金木犀の下。「それ酔ってた時にも言ったの覚えてる?」「覚えてる。俺がバカだった」「反省できるバカはいいバカです」頤を取って鼻の頭にちゅ、としてやった。「…こうじゃなくてよ…?」判ってるよ? #hg_60m #土銀SS

「一度だけでいいからキスさせてくんねえか」と土方が言った。さほど酔ってなかった俺は目を覗き込んでやる。「それを酒の後に言うのは、冗談にして欲しいんですかね?」ぐ、とつまった土方もさほど酔ってねえだろ。「…酔ってねえ時にまた言ってもいいか」銀さん的にはまあいいよ。 #hg_60m #土銀SS

「神楽と定春の食費めっちゃ掛かるし、新八はやがては道場を継ぐし。いつまでこんな暢気な暮らしができるかなあ…」と銀時が塞いだ顔をする。「大丈夫だ。皆俺に任せとけ」「土方くん…」「どうなったって俺がいるだろ?」少し寂しそうに笑った。お前、俺がずっと居るって信用してねえだろ。 #土銀SS

「俺って恵まれてると思うんだよな？家族じゃねえけど一緒に暮らす人らが居て、友達がいて。すっげえ恵まれてる」ほろ酔い気分でほやほや言ったら、土方が不満そうな顔をした。「恋人は」「は？」「恋人には恵まれてねえのかよ?」笑っちまった。はいはい銀さん、恋人にも恵まれてますよ。 #土銀SS

俺の銀時は明らかにダントツでピカイチだ。ジャムプ主人公だから当たり前だけどな?強く優しく人を助けるのに何の躊躇もない、傷がついても護る格好良さ。そして銀の髪に赤い目、特別で綺麗で可愛い。「土方くん酔ってんね?最後んとこはたぶん同意が得られねえよ?」同意しねえ奴がおかしい。 #土銀SS

万事屋の唇は苺みてえな味がして、こんなキスはした事ねえ。ぞくぞくする、こんな風に人を愛する俺を俺は初めて知った。「土方くんこんな人だったんだね」いたずらに笑う、そういう風なてめえが好きだ、その笑顔を飲んでしまいてえ、とにかく全部欲しい。ああ、歌でも歌い出してえ気分だよ。 #土銀SS

汗のひかない背中を撫でる。「俺万事屋の、体の形に惚れたんじゃねえかな」「土方くん体目当てだ」と万事屋は笑う。ったっててめえの体がHだな、から俺はてめえを抱きたいと思ったからよ。それ以外の事はよく判らねえよ。「なあ万事屋。俺のになれよ」体の形と魂の形は相似形じゃねえのかよ? #土銀SS

お待たせいたしました! #はぴレ のウェハース企画で見事当てられた方のリクエストSSです！お題は「万事屋メンバー絡みの土銀」でした！ありがとう&おめでとうございました☺️ 万事屋メンバーと土方さんでお酒を飲む話です🍶 #土銀SS しあわせの証 | 群青色ノ軍手 #pixiv pixiv.net/novel/show.php…

万事屋。お前の奴隷になりたい。いや、ご主人様になりたい。同じ意味だと思う、俺はてめえのなにもかもになりてえ。「土方。それって俺を好き、って事?」そんなひと言じゃ足りねえ。「土方くんて思ってたよりヤバい人だね」そうだ俺は人殺しの怪物で、なのに赦しと愛を乞う図々しい化物だよ。 #土銀SS

自販機の前でばったり会った銀時は、疲れた顔をしてた。「この暑さじゃ冷たいもん要るよな」「土方も炎天下ご苦労さん」「出す」と銀時の分も小銭を入れる。冷たい炭酸を2人選んで口を付けた。「…土方。残暑から避難しねえ?」近くのラブホの看板を視線で示す。マジでか。残暑感謝。 #hg_60m #土銀SS

「残暑厳しい…」「あっついアル…」新八と神楽が床で溶けている。定春も大きく舌を出してる。…土方この暑さの中で警邏してんのかな?まだ日差しも厳しいのに、腕まくりして襟も開けて…。「銀さん。土方さんの事考えてるでしょ」「なぜ判った新八」「甘い目になった」…そんな違う? #hg_60m #土銀SS

「残暑厳しい…」と、一緒に警邏してる部下が言う。確かにまだ暑過ぎる。…クーラーのねえ万事屋とか、どうしてんのかな。バテてねえかな銀時。あの白い肌をピンクに染めて、透明な汗を流して…。「副長。万事屋の旦那の事考えてるでしょ」「なぜバレた」「目が優しい」そんな違うか? #hg_60m #土銀SS

「土方くん。抱いてくんねえかな?」暗い目で万事屋が言った。何があったか知らねえが、お前が花火みてえに打ち上がりてえなら、俺が火を点けてやるよ。どこへでも行きてえなら、俺がドライバーになるよ。てめえはもう知ってんだろうが、てめえに惚れてるからよ。「乗れよ」車のドアを開けた。 #土銀SS

見上げれば夜空に煌々と月。…あいつみてえだなあ、なんて思う。白銀の髪、月に住む兎みてえな赤い目。万事屋、に似てる。考えてみればあいつには、どうしようもない時に世話になった、暗闇に射す一条の光みたいに呼ぶ、『土方くん』。…そりゃあ惚れちまうだろ月の光には。仕方ねえんだよ。 #土銀SS

兎の目だ。そう思った、万事屋の目を初めて間近で見た時に。「…なに止まってんの土方くん」「…お前の瞳、赤いんだな」「気味悪いとか言うんだろ!」「いや。…綺麗だ」万事屋はぱち、と瞬きして、頭を掻いた。「…喧嘩の気が失せた」不思議だな、俺もだ。何だろう、兎の魔法に掛けられた。 #土銀SS

そっと手を握ると、銀時はぴくっとした。「…なに土方くん」「もう大っぴらになっちまったんだから、いいだろ」万事屋の子供たちにも街のみんなにもバレた。それにはいい事もある。「…太陽の下で手を繋ぐの、慣れねえ」「もう堂々とお天道様にもご照覧願おう」少し照れた銀時の顔。嬉しい。 #土銀SS

テレビの天気予報が『台風一過』と言った。チャイナが「台風の家族アルかァ」と言うので銀時と俺は吹いた。「どんな家族だよ神楽」「万事屋みてえなんだろ、嵐な家族」「じゃあ銀ちゃんが台風お母さん、私と新八が台風子供、マヨが台風お父さん」…俺も入れてくれんのか？焼肉食いに行くか？ #土銀SS

ウギャー!と喧嘩してたんだよ土方と。それが段々トーンダウンして、取敢えず飲むか、って酒入れて、取敢えず行くか、ってラブホに入ってしっぽり。Hな事もして並んで裸でベッドの上。「…台風一過、って感じだな」「ひと嵐の後のHは燃えるね」土方が銀さんの髪を撫でる手は、青空のようだよ。 #土銀SS

俺をじっと見て、「…おかしい」と土方は呟いた。「何だよ」「銀時お前。俺に惚れ薬飲ませただろ」「は?してねえよ?」「そんなはずはねえ。薬物も無しに俺がてめえをこんな好きなのはおかしい…!」…薬使われたと思うくらい俺への思いが募っちゃったの?最大値を更新しねえでくれる？ #hg_60m #土銀SS

こないだ俺がちょっと変だったの、惚れ薬のせいらしい、沖田くんから一錠貰った。土方の酒に混ぜる。…さあ、恥ずかしい事をしろ…!「…銀時。何期待した目してるんだ?」あれ?「…惚れ薬入れたのに効かねえ」「あ?そりゃあ俺、普段から最大値にてめえに惚れてるから」…俺が恥かしい! #hg_60m #土銀SS

「惚れ薬、効き目は30分」総悟からまんまと買った。酒に一錠混ぜたら、銀時は何かとろんとした目になった。「土方は何でそんなに格好いいの…大好き…」効いてる…!「銀時。可愛い」とチュッチュしてたら不意に目が見開かれた。「あれ?俺今何か変じゃなかった土方」…30分は短えよ…! #hg_60m #土銀SS

街で言い合いしてたら、いつの間にかそよ姫が隣りで見てた。「姫。また城を抜け出してきたんですか」「お送りします姫様」姫はキラキラした目で言った。「お二人はBLで言う喧嘩ップル、ってやつですか?」ちょ。銀さん顔が赤くなるから…!土方も煙草を取り落としてる。姫にBL読ませたの誰だ…! #土銀SS

すぐ妬くのやめてえ、銀時が飲み屋でおっさんに肩抱かれただけで指先が震えるのやめてえ、依頼人が女だって知っただけで体の芯が痺れるほど警戒するのやめてえ。でも銀時はモテる奴だから…。ぎゅうっと抱締めると肩を撫でられる。「土方くんまた何か変だね」変になるほどお前が好きで困る。 #土銀SS

真選組の隊士目線のお話 #土銀SS pic.x.com/zj9nvgtrzg

副長の私室に万事屋の旦那が来たというので、おっぱじまっちまう前に茶を出しに行った。ら、喧嘩してた。「土方くんなんてもういいもんね!俺はジミーくんと付き合う!」と馬鹿力で旦那に抱え込まれた。「山崎てめえ!」「え。そこは俺じゃないでしょ、ちょ、抜刀しないで!!」来なきゃよかった!! #土銀SS

会うなり土方は俺にべったり抱きついた。「…ようやく会えた」「前からそんな経ってねえよ?」「会いたかった」ぎゅう、と抱締めて頬擦りされる。…土方銀さんと会う度にどんどん甘えっ子になってねえ?何か依存、っぽい。煙草の匂いに包まれて、まあいいかなあと思っちまう俺は、悪い恋人だ。 #土銀SS

「なあ万事屋、言えよ。本当は俺の事が好きなんだろ?」必死の面持ちで土方が言う、ベッドの上で。「いんやあ?土方くんとは体の相性がいいからしてるだけ」がっくりと肩を落とす。だってよ、好き、とか言ったら土方、銀さんと付き合っちゃうだろ?それはダメだよ。土方には女と結婚して欲しい。 #土銀SS

あー、やっちまったなあ、って裸の土方の隣りで目覚めて思った。土方は真剣な顔で俺の手を取った。「万事屋。責任取る」「あ?もう大人なんだからそんなんいいよ。忘れよ」「いや。責任取らせろ!」「いいっつってんだろ!」土方はベッドの上で土下座した。「責任取らせて下さい…!」そんなに!? #土銀SS

「覚悟しろ、」爛々とした目で俺を見下ろす土方。「ちょ、送り狼くん、やめてくんね…っ!?」「てめえが悪い、あんな事言いやがって」やっぱあれまずかった銀さん?!「ただの好奇心で…!」「知ってるか?『好奇心は猫をも殺す』」猫って銀さん?!殺す、ってどういう意味?!わあ、わあ…っ! #hg_60m #土銀SS