士郎の元には多くの文化人が集まってきた。連日連夜、馬込の自宅で酒を飲んでの議論が交わされる。彼らをもてなす千代の手料理は評判となった。次第に新興住宅地となった馬込(写真)には広津和郎、萩原朔太郎、川端康成、三好達治らも移り住んできて馬込文士村と呼ばれるようになる。#宇野千代　第69話 pic.x.com/Oryc9h5vNb

千代と士郎が大森駅近くの居酒屋に行くと、士郎信者の医学生がいて一緒に飲む。この場で子供ができたが貧乏だという話になり、医学生が堕胎薬を作れるという。冗談だと思ったが、しばらくして本当に届けに来た。千代は士郎に内緒でその薬を数日飲み続け、本当に流産してしまう。#宇野千代　第68話 x.com/suzukiyuya339/…

このころ千代は妊娠していた(写真)。士郎が所帯や子供などの重荷を嫌うのではないかと心配していた千代が妊娠3ヵ月だと告げると士郎は案の定あまり喜ばなかった。千代は売れっ子でも、自分はまだ家族を支えるほどには作家として売れていなかったことも、士郎の心配材料でもあった。#宇野千代　第67話 pic.x.com/hCHn2kJz54

大震災の後、千代は士郎から「離婚が成立したら籍を入れよう」と言われて喜ぶ。藤村忠との協議離婚が成立したのは大正13年4月。千代は筆名を本名の宇野千代として「中央公論」4月号に「夕飯」を発表(写真)。醜聞の渦中でも小説の注文がどんどん来る売れっ子女流作家となっていた。#宇野千代　第66話 pic.x.com/c8SWHQiKXE

家は無事だった。幸い食料もあった。朝鮮人による暴動が起きているので逃げろと近所の人に言われたが、千代(写真)と士郎は逃げずに家の屋根裏部屋に隠れることにした。隠れている間に士郎が尿意を催したがトイレがない。千代は自分の着物の袂で受け止めたが、尿は溢れて大笑いした。#宇野千代　第65話 pic.x.com/pDZpbPWQv3 x.com/suzukiyuya339/…

関東大震災が起きたのは、千代と士郎が文壇スキャンダルとして報じられた後だった。その時、千代と士郎はそれぞれの実家に仕送りするために郵便局を目指して歩いていた。周りの建物が崩れ落ちる中、2人は腕を取り合って自宅に走り、生き延びた。高台の馬込の家は幸い無事だった。#宇野千代　第64話 pic.x.com/VzR96Z8xkP

大正12年になると、千代と士郎の同棲生活は文士たちの間にゴシップとして広がる。そして春過ぎから新聞ネタにもなり始める。4月には東京朝日新聞が「文壇痴情沙汰」として取り上げた。8月には国民新聞が「夫君を捨て愛人に走った閨秀作家」として2人の恋を非難する記事を掲載した。#宇野千代　第63話 pic.x.com/C06UKMFZ51

夫ではなく尾崎士郎を選んだ千代は節約のため安い下宿屋を探し尾崎と住み始める。大森海岸、臼田坂下、山王、蒲田と移り住み、馬込村に一軒家を借りてそこに落ち着いた(写真)。逃げ隠れるように住まいを変えたのは、姦通罪が怖かったからだ。千代はもう夫との離婚を決意していた。#宇野千代　第62話 pic.x.com/4fVGLz5ggx

女流作家として注目された千代に読売新聞がエッセイを依頼している。尾崎士郎と出会う前のことだ。千代は主婦の立場から女性の解放はまだ困難であり、働く男性に頼らなくてはならない状態のままでは駄目だと、1500字のエッセイに書いている(写真)。掲載されたのは大正11年6月10日。#宇野千代　第61話 pic.x.com/yXTCpxSzfv

男女の関係になってしまった千代と尾崎。千代はそのまま菊富士ホテルに泊まり続けていた。そんな千代のもとに、札幌の夫から電報が届く。「アスヨルウエノツク」。夫が着いた晩、尾崎を含めた3人で酒を飲み、その場で千代はもう札幌には帰らぬ決心をして、夫を残して尾崎と帰った。#宇野千代　第60話 x.com/suzukiyuya339/…

今日の一冊📚 なんと宇野先生の署名本を入手。 来年度後期の朝ドラ主人公は #宇野千代 #ブラッサム #岩国市 #活字中毒 pic.x.com/abBlElCmaj

千代と士郎、室伏はそのまま士郎が仮宿にしている本郷の菊富士ホテル(写真)で乾杯をすることに。室伏はホテルの女中に「この人も泊まるのでもう1部屋取っておいて」と告げ、尾崎の泊る梅の間で酒を飲み始めた。泊まるつもりはなかったが、尾崎と一緒にいたくて帰りそびれてしまう。#宇野千代　第59話 pic.x.com/RX9fIV5gS2 x.com/suzukiyuya339/…

千代が東京で原稿執筆に励んでいた大正11年冬、中央公論に滝田を訪ねるとそこに先客が2人いた。評論家の室伏高信と書生風の若い男(写真)だ。室伏が千代にその男を「尾崎士郎君です。あの懸賞小説で2等になった尾崎泗作です」と紹介する。千代は尾崎のイケメンぶりに好感を持った。#宇野千代　第58話 pic.x.com/FGqZYeJ6w8

中央公論の瀧田樗陰に言われるままに千代は原稿を書きまくる。もう札幌に残した夫のことなど忘れてしまったかのように。8月号に135枚の作品「巷の雑音」(写真)を、翌年には「追憶の父」「人間の意企」「お紺の出京」「薄墨色の憂鬱」を立て続けに発表し、文壇でも評価されていく。#宇野千代　第57話 pic.x.com/XvLjo7NRu8

一流紙「中央公論」に掲載された千代の「墓を發く」は注目の女流新人作家の第2作として話題になり、読売新聞がインタビューにやって来た。千代は東京での間借り先の巣鴨の部屋で写真撮影に応じている(写真)。千代は記者に「墓を發く」の主題は階級組織の欠陥の悲劇であると答えた。#宇野千代　第56話 pic.x.com/yJl0gFm6Hz

千代は5人の弟妹に着物や玩具、母には大きな信玄袋、そして自分にも晴れ着とレースの肩掛けを買い岩国駅(写真)に降り立つ。出迎えの家族を7代の人力車に乗せ自宅に戻る。母にはさらに賞金の一部を与え故郷に錦を飾る。3日間岩国に滞在した千代が戻ったのは札幌ではなく東京だった。#宇野千代　第55話 pic.x.com/w1A6o1IXnY

掲載号を見た千代に樗陰は「原稿料、持って行きますか？」と聞く。千代が頷くと、すぐに会計係が札束を持ってきた。数えてみると366円。原稿用紙1枚につき3円の計算だ。今の価格にしておよそ150万円ほどだろうか。千代は東京時代に質入れした着物を受け出し、実家に向かうことに。#宇野千代　第54話 x.com/suzukiyuya339/…

千代が自分の送った原稿の出来を確認するため、東京の中央公論社に向かったのが4月12日。面会に応じた滝田樗陰に千代が「お送りした原稿は見ていただけたか」と問うと、樗陰は千代に一冊の雑誌を見せる。「中央公論」5月号だった。千代の「墓を発く」(写真)が一挙掲載されていた。#宇野千代　第53話 pic.x.com/tq6RHbnQ2j x.com/suzukiyuya339/…

#名画座魂366日 #11月28日 #ラウラ・アントネッリ #グロリア・グレアム #Ａ・モラヴィア #宇野千代 #向田邦子 #里見浩太朗 #エド・ハリス #原田知世 #大貫妙子 #ランディ・ニューマン #ジョー・ダンテ #Ｗ・ブレイク ら #誕生日 #菅原文太 #中村吉右衛門ら #命日 hibiky.hatenablog.com/entry/2025/11/…

【今日の一冊📕】 今日は『作家・宇野千代さんの誕生日』です 図書館では著書を多数展示しています📚 展示にない本もお探しできますので、お気軽にカウンターまでお伝えください #音更町図書館今日の１冊 #宇野千代 pic.x.com/IIeVTH2tft

大正10年の冬から翌年にかけて千代は長編に取り組んだ。タイトルは「墓を發く」(写真)で原稿用紙122枚。東京で女給をしていた時、チップをくれた中央公論編集長の滝田樗陰にその原稿を送った。しかし、4月になっても樗陰からは何の音沙汰もない。矢も楯も堪らず千代は東京に行く。#宇野千代　第52話 pic.x.com/Va5Y64c15R

北海タイムスに小説が掲載され、時事新報の懸賞小説で1等を取ったことで千代は一躍地元の有名人となる。札幌の同人雑誌「路上」から執筆の依頼が入り「おちてゆく一歩」を寄稿。小樽の同人誌「群像」の会員にもなった。また札幌短歌会が設立されると、その発起人として名を連ねた。#宇野千代　第51話 pic.x.com/Jq2dBv9wML

「北海タイムス」はこの後も千代の作品を断続的に掲載している。1月16日には「動揺」1月29日から3回に分けて「東京といふ処」、9月11日には「ひとりで踊る」、10月2日から2回に分けて「玩具の提灯」。そして翌大正11年には元旦特別号で「嬶あればこそ」(写真)を1頁使い掲載した。#宇野千代　第50話 pic.x.com/1c1rVdPCJy x.com/suzukiyuya339/…

「時事新報」の懸賞小説が紙面に掲載される前日の大正10年元旦に「北海タイムス」特別紙面に千代の小説「一瞬の暗闘」(写真)が掲載されている。原稿用紙3枚の超短編だが、千代にとっての最初の新聞掲載小説がこの作品である。わずかではあったと思われるが原稿料も支払われている。#宇野千代　第49話 pic.x.com/f0naW7Le1S

新聞に結果が発表された(写真)。千代の「脂粉の顔」は1等に。2等の尾崎泗作(尾崎士郎)、3等の八木東作(後の劇作家)、選外の兼光左馬(横光利一)を抑え、評点ではわずか1点差で1等となる。賞金は200円。千代には大金だ。当時の初任給から考えると、現在の価値でおよそ100万円ほどか。#宇野千代　第48話 pic.x.com/4gHmbM51wj x.com/suzukiyuya339/…

宇野千代の「淡墨の桜」線香。岐阜県根尾村の樹齢1500年の桜を想い、白檀などをブレンドした落ち着きのある香り。煙が少なく、お部屋にそっと上品な桜の余韻を残してくれます。日常にもギフトにもぴったり。 #お線香 #桜の香り #宇野千代 #淡墨の桜 #高級香 room.rakuten.co.jp/room_ebd62b090…

新しく公開しました 侍、悪役令嬢にかく転生せり 第８話　嵐の予感 kakuyomu.jp/works/11773540… NHK朝ドラ人気で観光客が増える前にと岩国へ行きました。町中、宇野千代さんゆかりのものばかり。 誰もが彼女のように自由奔放には生きれないけど、こんな生き方もあるのですね。 #カクヨム #宇野千代

この懸賞小説の審査方法は選者の里見弴と久米正雄が選んだ6作を順次紙面に掲載、読者から入選順位当てを募集した後に選考結果を発表する形式だった。応募総数は約3000。千代の「脂粉の顔」は6作に選ばれ、大正10年1月2日の時事新報に全文掲載された(写真)。結果発表は1月21日だ。#宇野千代　第47話 pic.x.com/b1cGp7uSgd x.com/suzukiyuya339/…

千代が「啓明」に「川の流れ」を書いた頃、夫の忠が時事新報の懸賞小説募集の記事を見つけた(写真)。大正9年11月19日のことだ。原稿用紙10枚以内、一等賞金はなんと200円。小説で金を稼ぐことを考えていた千代はすぐに執筆にとりかかり、12月初旬には「脂粉の顔」7枚半を仕上げた。#宇野千代　第46話 pic.x.com/QUcyBARkkQ

返信先:@tomitonaka3次の朝ドラのモデル #宇野千代　も 山口県出身。 裕福な酒屋に生まれる 徹子の部屋の放送で 誰と寝たの話多数 キモいわ pic.x.com/rcyQn53nDa