→な場面転換やアングル変化、劇伴が突然止まって現実音の車の音が響くといった音楽の使い方、どこかヴェンダース「ことの次第」を連想させるモノクロ画面の採用、原節子が木下惠介「お嬢さん乾杯」の中で言ったと思しき台詞の引用など、豊かな映画センスの持ち主である事を証明しています。

ヴィム・ヴェンダースに『ことの次第』っていう映画作り映画があって、資金繰りのために本国に帰ったゴードンっていうプロデューサーがなかなか戻ってこないせいで映画撮影が座礁するってお話なんだけどあれはやっぱりゴードン≒ゴドーの不条理映画論映画だったのねー。後半はちょっとカフカ臭かった。

「ことの次第」の内容は覚えていないが、良い映画だった気がする。ヴェンダースは初期はそんなんばっかり。一応全部見てはいるんだが。

#誰が本物連れてきたと思ったキャラ 『ことの次第』のサミュエル・フラー、配役は映画監督でなく、たしか撮影監督の役である。じっさいの撮影監督が超ヴェテランでモノクロの名手・アンリ・アルカンなのもややこしい。 pic.twitter.com/g0nJvoOS0h

初めはかたくなな表情のキャシー・オドネルが、髪をほどきくときを契機に、次第に豊かな表現見せていくあたりの演技も。 また、この映画について、ヴェンダース／ことの次第、で言及する台詞があったり、エリセ／瞳をとじて、でポスターが飾られていることを思い出したりもした。