則天去私（そくてんきょし）： 自然の摂理に従い、私心を捨てること。自分自身へのこだわりを捨て、自然に身を任せて生きるという、夏目漱石が晩年に到達し、理想とした境地で、未完の小説『明暗』に示されている。

「則天去私　第10話 母」upしました。夏目漱石のお話です。　→　shijuukara.net/comic/souseki/… pic.twitter.com/02PguYhgPb

正しくは、 ×…新潮文庫、夏目漱石、 『こゝろ』の解説 ○…明治書院 精選　新国語 II 現代編 七　小説(二) 夏目漱石『こころ』 でした。 失礼しました。 これは、私が高校生の頃の教科書です。 新潮文庫版は、意外にも、「則天去私」の事には触れていなかった。 pic.twitter.com/syJwc82qd8

「則天去私」とは、 文豪・夏目漱石が、晩年に理想とした境地を表した言葉で、 哲学的、宗教的な、諦観を意味するとも、 漱石の文学における、思想観とも解されている。 現代では、漱石のように、思慮深く生きる事は難しいだろう。 しかし、昔、そのような人もいた、と記憶の片隅に置いて欲しい。

好きな言葉 「則天去私」 私は、この言葉について、 新潮文庫、夏目漱石、 『こゝろ』の解説で見た事がある。 これは、行書体という。 書道をしていた人には分かるだろう。 漱石の器用さ、教養の高さが窺える。 実際に彼は、漢詩や俳句を理解し、 英語も得意な、驚くべき知識人だった。 pic.twitter.com/KKtKNsVxHt

夏目漱石は百年後の日本人がこうなることを予想できていたと思う。資本制社会のための個人主義が行過ぎて精神を病み、宗教やスピリチュアリズムに回帰しようとして苦しむ。主体的全体を取り戻すための利他、自他の透脱、中動態の文体の多用、そして則天去私。今の世相は後期の作品に酷似している。

夏目漱石ならば、この雨の状態で則天去私とは言わずに憂い落ちてくる個人をどう形容するだろう。