【池】 ikë #名詞 一般に沼より小さい。イケは「生け」の意。これは「生く」(生きるの意)を他動詞化した言葉なので「生かす」の意。現代語でも「花を生ける」と言うが、「花を生かしておく」が本来の意味。「池」の原義は「魚を生かしておく場所」ということになるか。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【垣根】 kakinë #名詞 垣は土地を囲って区切るもので、カキの由来は「囲む」のカクあるいは「画す」のカクなどとの関係が考えられる(「隠す」はアクセントが異なり無関係)。ネは根付いたものの意と考えると、「垣根」とは本来は生け垣のことを意味したのではないか。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【根】 në #名詞 漢字の【根】は植物の地下部分を意味するが、日本語のネは元々は「大地に深く食い込んだもの」を意味した。だから万葉集に出る「草根」や「菅根」は草や菅そのもの、「岩根」は岩の根元ではなく地中深くから突き出た岩そのものを本来は意味していた。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【かきつばた】 kakitufata #名詞 アクセント[高高高高低]から「垣内旗」の意だろう。「書き付け花」と解すのは間違い。カキツ(垣内)は垣の内つまり庭で、垂れる花びらを旗に見立てたもの。しかしカキツバタは水辺の花。庭に植えるアヤメとの総称だったのでは。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #植物

【あやめ】 ayame #名詞 万葉時代の「あやめ」は菖蒲湯に入れるショウブのことで、今のアヤメではない。今のアヤメは、葉の類似から花アヤメと後世いわれたのが略されたもの。アヤメのメは目でなく女の意。恐らく葉姿を漢人女性に例えて「漢女」といったもの。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #植物

【兜】　kabuto #名詞 「甲」とも表記するが【甲】はヨロイを意味する漢字。カブトも元はヨロイを意味したが、頭の意のカブ（別語）と混乱してヘルメットの意に特化したらしい。ヨロイを意味する朝鮮語［kapot］に由来するとされる。［kap］は漢語【甲】の音と同じ。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【剥ぐ】　fa-gu #四段動詞 表面の皮の部分を裂いて離す意。ハグのハは「刃」の訓または【皮】の音［pai］だろうか。グは動かす意の動詞を作る接尾語。自動詞形はハゲ［剥げる］（fagi+ë →fagë）。これを再び他動詞化したのがハガス［剥がす］（fagë+Asu →fagasu）。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【剥く】　mu-ku #四段動詞 皮を取り去って中の身（実）を露出する意。ムクのムは、恐らく「身」の意。身と実は本来同語であり、ムはミの古形（mu+i →mï）。「向く」も「身」を動詞化したものなので、「剥く」と「向く」は同根と言える。※自動詞形は［剥ける］。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【露わ】　arafa #名詞 「むきだし」の意。「有り」「生れ（アレ）」「新た」と同系。アラハは「有り」に反復継続のアフが複合したもの（の未然形）ではないか。直訳すると「そこにあり続ける状態」。動詞化で自動詞がアラハレ［現れる］、他動詞がアラハス［表す］。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【愚か】　öröka #名詞 オロは形容詞「荒し」の語幹アラの母音交替形（ara →örö）、カは形容動詞を作る接尾語。理性的でないさまから転じて愚昧の意。一方、「荒し」の同音異語「粗し」からも同じ機序でオロカが派生したが、それは後にオロソカ（疎か）に転じる。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【挟む】　fasa-mu #四段動詞 ハサ、ハシは「穴、隙間」の意。ハサムの本来の意味は「隙間を何かで埋める」こと。物と物の間「に」何かを置く義（例：脇に挟む）から、逆に何かを両側から物と物「で」固定する義（例：指で挟む）を生じた。※自動詞形は「挟まる」。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【縛る】　siba-ru #四段動詞 シバルは奈良時代にあった他動詞シマルの音転（m→b）。緊密に絞めるのが原義だが、漢字の影響で緊縛の意に次第に特化したか。その原義を受け継ぐような形で平安頃にあらわれる［しめる］の自動詞形がシマルで、奈良のシマルとは別物か。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【取る】　tö-ru #四段動詞 多くの語義を持つ動詞だが、基本的には「手で持つ」のような手が関与する動作を意味する。恐らくタ（手の意）の母音交替形ト（ta →tö）を動詞化したもの。「取り出す、取り繕う」のように動詞の前に置くと「手で〜する」の意になる。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【しだれる】　sida-rë #下二段動詞 四段動詞シダル（垂る）が、いつしか下二段化したもの（「枝垂れ」は当て字）。シダルは下二段動詞シデ（垂で）の自動詞形。シデは神に供える幣（ひらひらのやつ）のことでもあるが「下に垂らす」が原義か。［しなう］とは別起源。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【しなやか】　sinayaka #名詞 シナは［しなう（撓う）］のシナで、柔軟性や弾力性を意味するか。ヤカは形容動詞を作る接尾語。［凌ぐ］［篠］なども同系と考えられる。「上品だ」の義もあるが、品位の意の「品（しな）」とはアクセントが異なり直接は結び付かない。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【凌ぐ】　sino-gu #四段動詞 「押し伏せる、踏み越える」意。［しのぐ］のシノは恐らく植物の篠（小型の細い竹）。一面に密生した篠の原を進むのは大変な困難だが、それを押し分けて前に進むのが原義。平安以降は篠の立場で踏まれても折れずにじっと耐える意も持つ。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【耐える】　ta-fë #下二段動詞 古語は、タヘ。［敢えて］［取り敢えず］などと使われるアヘという動詞に手を意味するタを冠したものと考えられる。手で支えて堪える、我慢する意。打消を伴って「〜できない」意があったことも含めてタヘとアヘは意味が共通する。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【わかめ】　wakamë #名詞 古く食用の海藻類は、毛状のものをモ（藻）、面状のものをメ（布）といった。メの中でも食用に適した柔らかいものがニキメ（和布）、ワカメ（若布）と呼ばれ、万葉集にも歌われている。メは、細長い布を意味する【綿】と関係するか。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #植物

【柳】　yanagï #名詞 ヤナギを意味する漢字は２つあり、葉がしだれる枝垂柳が【柳】、それ以外は【楊】の字。ヤナギの古名「やぎ」は【楊】の字音［yang］を日本語化したもの。矢の材料でもあったため「矢木」の意と誤解されて「矢な木」と変わったのだろう。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #植物

【渋】　sibu #名詞 形容詞「渋し」や動詞「渋る」の用例は平安からだが、名詞の「渋」は万葉集に見られる。古く「水の淀み」と「柿渋」の意味があったらしいことは漢字【渋】の字義「渋滞」「渋味」と一致する。シブは【渋】の古音［sib］に由来すると考えられる。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【かわせみ】　#名詞 鳥の名。古く『古事記』に「そに」「そにどり」の名で登場する。ソニがソビを経てセミに転じ、類似のヤマセミとの区別で川を冠する。「そに」は恐らく中国名【翠鳥】の音に由来する（鳥の中国音はニョウ、ニウ）。翡翠は翡鳥と翠鳥の総称。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #鳥

【鶯】　ugufisu #名詞 ［うぐいす］の古語は、ウグヒス。ウグは漢語【鶯】の音［ying］に由来する。ヒスは不明だが、カラス、ホトトギスらと共通するスは鳥の意とも言う。あるいはヒスは翡翠（カワセミ）のことか。鶯色（本当はメジロの色）と翡翠色はごく近い。 #ランダム語源 #和語語源 #語源 #鳥

【はしたない】　fasitana-si #形容詞 古くは「かっこ悪い、みっともない」の意。ハシは衣類や壁などの破れ、穴のこと（端とは別語）で、ハシタはそれを塞ぐだけの「板切れ、布切れ」の意。ハシタすら無く破れたままでいるような見苦しさを恥じたり咎めるのが原義。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【危ない】　abuna-si #形容詞 古語は、アブナシ。最も古くは源氏物語で使われるが、そこでは全て「考えなし」の意にとれる。本来は思慮の浅いことを意味したが、アヤフシ［危うい］と混同されてその意に接近したものか。仮説だが「案（アム）なし」の転化だろうか。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【危うい】　ayafu-si #形容詞 古語は、アヤフシ。アクセントを考慮すると「こぼれ落ちる」意の動詞アユ（零ゆ）と同系らしい。アヤフは、アユに反復継続のアフを複合した動詞の連体形で「ずっと落ちている」ような放置し難い状態の意だろうか。※動詞形は「危ぶむ」。 #ランダム語源 #和語語源 #語源

【怪しい】　ayasi #形容詞 古語は、アヤシ。アヤは感動詞の「あや」。現代語の「あら」「あれ」に当たり、驚いた時に自然に出る言葉。シク活用形容詞は気持ちの表現なので感動詞にも役割が近い。アヤシは「不思議だ」というのが原義。※動詞形はアヤシム［怪しむ］。 #ランダム語源 #和語語源 #語源