来たるべき大型連休に向けて、そろそろ計画を立てておくべきかもしれない！そう思ってカレンダーに向かいあっては見たけども。「…どうした」「どの日もテニスか跡部と遊ぶしか書くことがねぇ」「通常運転だな」「せっかく…せっかくの大型連休なのに…！」「毎日が充実してていいだろ」 #一日一ベカミ

「何をソワソワしてんだ」随分浮ついてるじゃねぇの。「へ？だってもうすぐゴールデンウィークだぜ？連休楽しみだろ？」「あぁ、なるほど」「跡部って忙しいのか？」「オマエが空けろってんなら今すぐにでも都合をつけるが」「そこまでしなくてもいい」「アーン？そこは素直に喜べよ」 #一日一ベカミ

「跡部！ファーストフード食べに行こうぜ！」「…ファーストフード？この天気でか？」「期間限定の奴が食べたいんだよ！」「…まあ、お前が行きたいなら近くまで車を出してやるか」「やった！食べたいのが二種類あるからはんぶんこしようぜ、はんぶんこ！」「…ったく、仕方ねえなあ」 #一日一ベカミ

跡部が持って帰れって言って渡してきた紙袋。中身はキレイな箱。その中に何が入ってるのか聞いたけど、教えてくれなかった。軽いから多分お菓子だろうなぁ。と思って、母さんに渡したら。めちゃくちゃ高いお菓子だったらしくて、今すぐ跡部に電話しろってさ。「先に言っといてくれよ」 #一日一ベカミ

「今日は一日雨の予報だから外での練習は中止して室内トレーニングに切り替える」「了解」「トレーニングルームがあると助かるよな。そういや神尾のとこは校舎の階段を登り降りとかしてトレーニングしてるらしいぜ」「大変やなぁ」「おいなんでお前が知ってるんだ」「やべ聞かれてた」 #一日一ベカミ

「あ、そうだ」「何だ」「ゴールデンウィークって忙しいんだっけ？」「まぁ、適度にな」「そっか」「どうした」「いや、気になってる映画と行きたい所があるから、もしヒマだったらと思ったんだけど……深司でも誘おうかな」「いつ行くんだ？空けておく」「いいのか？じゃあ行こうぜ！」 #一日一ベカミ

「あ！見ろよ跡部！タンポポ！」「ん？…ああ、咲いてるな」「タンポポが咲いてると春って感じだよな！そろそろシロツメクサとかも生えてるかも！四葉のクローバー探さなきゃな！」「…お前はいつでも楽しそうだな」「楽しいに決まってるだろ！跡部は？」「お前が居ると退屈はしねぇな」 #一日一ベカミ

「神尾を知らねえか？」「えー？どこかで見たっけ」「朝練の時は見たけど…あ、そう言えば伊武と買い物に行くとかなんとか喋ってた気がする」「…そうか。邪魔したな」「…跡部さんも地道に人探しするんだな。どっちかと言うと呼び出して待ちそうなのに」「発信機とか付けてそうだよな」 #一日一ベカミ

こっち見て何か言いたそうな顔してるんだよなぁ、と思ったけど。腹減ってるから聞くのはあとにして、まずは目の前のハンバーガーを食べきる。うん、やっぱこれウマいよなぁ。「で、跡部さぁ、何かあったか」「アーン？相変わらず幸せそうな顔で食うんだなと思っただけだ」「ホントか？」 #一日一ベカミ

「なあ、跡部って俺のどこが好きなんだ？」「ん？」急に何を言い出すのかと振り向くと思ったより真剣な表情がこちらを見ていた。外見か内面か、はたまたそれ以外の何かか。改めて問われるとなかなか言語化しづらい答えだ。「そうだな。…お前が神尾アキラなところだな」「…なにそれ？」 #一日一ベカミ

跡部んちのご飯は全部ウマいんだよ。すげーなー。あと、見たことない料理とか聞いたことない料理とか出てくる。何か聞いても全然覚えらんねぇしさ。「……覚えなくていいだろ、今はな」「今は？」「あぁ、今後覚えるだろ」「えーっと」それってどういう意味？って聞くの怖いんですけど。 #一日一ベカミ

「決まったのか」メニューを前に固まった神尾に声をかける。「まだ悩んでる」「珍しいじゃねぇの」いつもすぐ決めるだろ。「これとこれがさ」「どっちにするかって？」「どっちも頼もうかと思うんだけど、食べ切れるかなーって」「アーン？」「夕飯もあるだろ？だからさぁ」「……へぇ」 #一日一ベカミ

「なんか眠そうじゃねえか？」「っ…そ、そんなことねぇよ」「……さてはお前、また夜中までゲームやってたな」「うぐ…な、なんでそれを…」「見りゃあ分かる」「ズルいぞ、眼力を使うなんて！」「使ってねえよ。使うまでもねえだろ、それくらい。ていうかまず夜は早く寝ろ」「はい…」 #一日一ベカミ

暑くなったと思ったら今日は涼しくてさ。なんか変なお天気だよな、と跡部に言ったら。「体調崩すんじゃねぇぞ、まぁオマエはその心配もないか」だってさ。「バカにしてるだろ」「アーン？」「俺のこと風邪ひかないバカだって思ってんだろ」「いいや？」「じゃあ何でニヤついてんだよ！」 #一日一ベカミ

なんかいつもと違うなー。と思ってすんすん鼻を鳴らしてたら「犬か」と笑われた。「だって跡部からいつもと違う匂いがしてるから」「ああ。新作の香水が出たから試してみたんだが…嫌いか？」「嫌いではない。けど…なんか別の人みたいでそわそわする」「…ならいつものままにするか」 #一日一ベカミ

走ってくるなって言われてもさぁ。俺の場合、走る方が速いし、それがトレーニングにもなるんだし。危ないところ通ってきてるわけでもないんだから大丈夫だって。「……」「ああ言えばこう言うって思ってるだろ」「へぇ、よく分かったな」「流石に分かるっての」これだけ一緒にいたらな。 #一日一ベカミ

「やった！当たりだ！」「どうした」「ほらほら跡部！アイスが当たった！」「……ああ、コンビニで買ったやつか」「帰りに交換してこよっと！運が良かったなー！」「…そんなものに運を使ってよかったのか？」「こういうささやかなことに幸せを感じるのが大事なんだよ！」「……そうか」 #一日一ベカミ

跡部がまたなんか難しそうな本読んでるなぁ。アルファベットがいっぱいの本だけど、何語なんだろうか。「英語だ」「へー、って俺何も言ってないけど」「オマエの考えてくことくらい分かるんだよ」「ふーん……じゃあ、今俺が他に思ってることも分かるのか？」「テニスしたい」「正解」 #一日一ベカミ

「あ、跡部見つけた」「どうした？」「橘さんが呼んできてほしいって言っててさ！なんか部長同士の連絡事項があるらしいぜ！」「そうか、すぐ向かう。…で？」「で？」「お前は俺様に何かないのかよ」「え？ないけど？」「……」「いたたたた！何！？なんで俺は突然耳をつねられた！？」 #一日一ベカミ

今日も暑くてさぁ。走ったら汗だくになったんだよ。「オイ」「ん？何だよ跡部」「さっさと汗を拭け、ついでに水分もとれ」そんな言葉と一緒に、タオルと水のペットボトルが投げてよこされる。タオルも飲み物もちゃんと持ってるんだけどなぁ。「何だ」「いや、サンキュー！」まぁいいか。 #一日一ベカミ

「どうしたら跡部みたいに強くなれるのかな」と聞いてみた。てっきり「生まれ持った才能だな」なんて返事が来るかと思ってたのに。「まずは基礎トレーニングだな。ランニングや筋トレで身体能力を伸ばせ」「…わりと普通のアドバイスだ」「基礎は大切に決まってるだろ」「ごもっとも」 #一日一ベカミ

「お、跡部見てみろよ、あっちで小学生がテニスしてるぜ！」「練習試合みたいだな」「せっかくだから見学しようぜ！不動峰に来そうなセンスのいい奴が居たらいいんだけど！」「構わないがコンビニの新発売とやらはもういいのか？」「おやつよりテニスの方が大事だろ！」「…違いねえな」 #一日一ベカミ

「何だよ」さっきからこっち見てさぁ。「眺めてるだけだから気にすんな」「気にすんなって言われても、気になるんだよ！」「ドキドキして落ち着かないって？」「ドキドキはしてねぇ！」「照れなくてもいいだろ」「照れてねぇ！いいからこっち見んな！」「目の前にいるんだから無理だな」 #一日一ベカミ

今日の俺はラッキーらしい。いいことがあるかもってさ。跡部もいい日になるらしいぜ。「誰が言ってたんだ、そんなこと」「へ？千石さん」「……」「本に載ってた星占いの結果だって」「胡散臭いな」「えー、でもあの占い当たるって」「……オマエのそういうところは悪くねぇがな」「？」 #一日一ベカミ

「おい神尾、起きろ」「…あれ？寝てた？」「完全に寝てたな」「あ、試合終わってる」「お前が見たがってた録画なのに途中でいびきが聞こえてきて驚いたぞ」「あー…ごめん、昨日寝るの遅かったからだな」「もう一度見るか？」「いいのか？」「仕方ないから付き合ってやるよ」「やた！」 #一日一ベカミ

今日はスッゲェいい天気でさ、暑いくらいで。どっかは夏日になったって聞いた。「週末も暑くなるみたいだな！」「嬉しそうに言うんじゃねぇよ」「え、だってうれしいだろ？」「それは多分お前だけだ」「そんなことないって」「……」「あ、週末は勝負だからな！忘れんなよ」「ハイハイ」 #一日一ベカミ

跡部の家では大概洋食が出る。ナイフとフォークで食べるやつな。あとスプーン。美味しいんだけど、跡部は和食は好きじゃないのかな？と思って聞いたらそんなことはないってその日は懐石みたいなのが夕食に出た。…今度味噌汁と生姜焼きでも作って出してやろうかな。母さんに作り方聞こ。 #一日一ベカミ

「何持ってんだ？」「オマエにやる」「へ？」いきなり持ってた紙袋を渡されて。中をのぞいてみたら……高そうな箱が入ってる。「いや、怖いから受け取れねぇし！中身は何なんだよ」「チョコレートだ」「チョコ？」「貰いものだがな、オマエにやる」「……」「警戒すんな」「だってさぁ」 #一日一ベカミ

「おはよー。ってなんで朝から跡部は不機嫌そうなんだ？」「神尾をテニスという名のデートに誘ったら『新しく発売したゲームを終わらせたいから無理』て断られたらしいで」「あー…そうか。さすがの跡部でも新作ゲームの誘惑には勝てねえよな」「岳人もうちょっとボリューム下げたり」 #一日一ベカミ

あっちから歩いてくる跡部が、なんかいつもよりキラキラして見えて腹立った。「……」「どうした、その仏頂面は」「べっつに！何でもねぇよ」「俺様に見惚れてたってわけか」「ハァ!?そんなわけないだろ！」「どうだかな」「というか早く行こうぜ！俺、腹減ってるんだよ！」「ハイハイ」 #一日一ベカミ

「もう春だな。ほら、花が咲いてる」神尾がそう言いながら見ているのは頭上ではなく地面だ。「俺この道路の隙間にたまに咲いてる黄色い花、結構好きなんだよな。かわいくね？」「……そうだな。お前にふさわしい花なんじゃねえの？」「なんだその笑い方。バカにしてる？」「してねえよ」 #一日一ベカミ

「あのさぁ、跡部」「何だ」「この前あった海外の試合って録画あったりするか？」「……あぁ、確かあったはずだな」「マジで!?ちょっとさぁ、見たいんだけど貸してもらったり」「アーン？そんなもん、今からでも見にくりゃいいだろ」「え、いいのか？」「当然だ」遠慮すんじゃぇねよ。 #一日一ベカミ

文武両道が大切なのはわかる。俺だってそれくらいはわかってる。でも世の中にはそれをさらっとこなせる跡部みたいな奴ばっかりじゃなく、うまくいかない俺みたいな奴もたくさんいるのは知ってほしい。「知ってるから協力してやってるんだろ。つべこべ言わずに次の問題だ」「うわぁん！」 #一日一ベカミ

「お、まだ咲いてる」今年は桜がまだ残っていて。よく行く公園も、キレイに咲いていた。これで見納めかなと思いながら、いつもよりゆっくり歩く。「……」そんな俺の考えを分かってるんだろうか、隣の跡部も、何も言わずにおんなじペースで歩いている。「キレイだな、桜」「そうだな」 #一日一ベカミ

「姉ちゃん俺のショコラ勝手に食べただろ！」「食べられたくないなら開けっ放しで置いとくのが悪いでしょ。ていうかショコラってオシャレな言い方するわね」「だって跡部がそう言ってたから」「なるほど跡部君のプレゼントなら悪いことしたわ。またよろしくって伝えておいて」「もぅ！」 #一日一ベカミ

「おい」「ん？」「こぼれるぞ」「へ？」言われて手元を見たら。「わっ」サンドイッチの端っこから中身が出てた。「こういうのってキレイに食べるの難しいよなぁ、跡部みたいに器用にさ」「気を付けてりゃいいだけだろ」「気はつけてるんだけどさ」「まったく」「あ、もう一個もらいっ」 #一日一ベカミ

「よォ、偶然だな」「げ」まさか今日もまた跡部に会うなんて。ストテニ場はまだしもこの辺りは氷帝の生徒なんて見かけたことねえのに。「この辺りに質の良いスポーツ用品店があるからな」「え、そうなのか？」「紹介がいるけどな。連れてってやろうか？」「うぅ…ちょっと行ってみたい」 #一日一ベカミ

「あー！」「どうした、急に」「春休みが終わっちまう」「……そんなことで大声出すんじゃねぇよ」「そんなことって何だよ！大事なことだろ！春休み終わるんだぞ！」「ハイハイ分かった分かった」「すっげぇテキトーな返事だな！」「ハイハイ分かった分かった」「二回目！同じ返事！」 #一日一ベカミ

跡部と花見をすることになった。どうせお前は花より団子だろ、と笑われたけど俺としては周りの視線が跡部に集中して花より跡部にならないかも心配だったんだけど。「さっすが跡部ん家…桜が咲いてるスペースもあるんだな」「混雑の中で花見するよかいいだろ」「まーな。団子おかわり！」 #一日一ベカミ

すれ違った見知らぬ女の子たちが、きゃあきゃあ声を上げていた。振り返ってまだ何か言ってる。別のお姉さんたちもこっち見てたし、男の人もチラチラ見てきてるし。相変わらず跡部はスゲェなぁ。「手でも振ってあげれば？」「アーン？何だって？」「冗談だってば、本気で怒るなっての」 #一日一ベカミ