ご実家から届く野菜はどれも美味しい。 「母ちゃんが育てるとどれも元気に育つんだ」 「緑の親指の持ち主ですね」 「しゃれた言い回しだなぁ」 能力への心ない中傷を浴びてもこの人がまっすぐ育ったのもまた… 緑色がよく似合う人は今日も元気にレタス炒飯をぱくついている。 /グリーンサム #同題ffTB

その能力はグリーンサムと呼ばれた。触れた植物をネクストに変える。巨大化した植物たちはビルを這い上って暴れた。愉快犯のネクストは捕まり、植物は駆除されたが、バニーは不機嫌だった。「植物に罪はないのに」俺は思った。俺たちをネクストにしたのは何者なんだろうと。 グリーンサム　 #同題ffTB

「お父さんこの子キッチンに置くね。この子は窓側。次に私が来るまで場所変えなくていいよ」 「おう」 軽い足音が鉢植えを右へ左へ。楓がよく遊びに来るようになって部屋の草は何だかぐっと元気になった。友恵ちゃんもそうだった。草も俺たちも元気にする緑の指。母娘だなあ。 グリーンサム #同題ffTB

シルバーの花屋からダウンタウンの園芸店、橋の向こうの造園ファーム。真面目で勉強熱心な相棒はどんどん緑の友達を挟んで、ひとの友達も増やしていく。と、温かく見守るつもりでいたら「今度の休暇、一緒にどうですか？」と、何処の島へプラントハンター旅に誘われた。えぇ？/グリーンサム #同題ffTB

ライアンの部屋には沢山のプランターに瑞々しい葉野菜。 「君がグリーンサムとは知りませんでした」 「モリィに新鮮で美味い野菜を食べさせたいからな」 「愛されてんなぁお前」 虎徹さんが頭を撫でるとうっとりと目を閉じる。 ちょっとイグアナまで魅了しないでください！ /グリーンサム #同題ffTB

「もうちょいで出来っから上がってろよ」 初めて入ったアイツの部屋は緑が多かった。小さなコップが台所や窓辺のあちこちにある。意外な趣味だな…と見ていると 「仕上げにパセリっと」 鋏で刈り取りラザニアに振りかけた。 「豆苗もいけそうだな！」 これ全部食えるヤツだ。 グリーンサム #同題ffTB

「へぇー、すごいもんだな」 無機質だったリビングが綺麗な緑で埋め尽くされている 「それほどでも」 「バニーにこんな才能があったなんてな」 「才能じゃありません、愛情をかけると返ってくるものですよ」 分かってるでしょ？と問う瞳は 澄んで綺麗なグリーンだった グリーンサム #同題ffTB

｢バニーは意外にみどりのゆびの持ち主だったんだなあ。観葉植物みんな生き生きしてら｣ ｢ああOTでもそう言うんですか。SBではグリーンサムですね。生き生き……そう見えてるなら嬉しいです｣ 葉っぱに霧吹きをかけていると背後から小さな声が。 ｢そろそろ俺も構わない？｣ グリーンサム #同題ffTB

「植物を上手に育てられる人の事をグリーンハンサムって言って 逆に枯らしちまう人の事をブラウンハンサムって言うんだと まるで俺とバニーみたいだな」 自嘲気味に笑う彼の肩を抱く 「…正しくはグリーンサムとブラウンサムです 確かにハンサムではありますけど」 「っだ!?」 グリーンサム/#同題ffTB

「BBJさんは植物にお詳しいとか?」 「はい友達です」 マルシェの行事のゲストはT&B。勿論私はBBJのfan。 WTにも何か聞かなきゃ。 「WTさんの身近なグリーンサムと言えば?」 顎に手を当て考えた後、あっと云う顔をして 「母ちゃ、母ですね」 その時BBJは複雑な顔をした。 《グリーンサム》 #同題ffTB

バニーの友達は幸せそうに枝葉を伸ばしていた。 いいなあ。と思いつつうーんと体を伸ばしたら、バニーが笑った。 「幸せそうですね」 枝葉に触れるような優しさで、俺の頬に触れる指。 植物を元気にする魔法の指は、緑繋がりで俺にも効果があるらしい。 グリーンサム #同題ffTB

植物と仲がいい人のことをグリーンサムと言うらしい 「まさにバニーだよな」 「いえ…真のグリーンサムは安寿さんだと思います 僕はまだ師匠のように会話は出来ないので」 「…師匠?会話?」 「野菜達が教えてくれるそうですよ 明日の天気とか」 「母ちゃんそんな事出来んの!?」 グリーンサム/#同題ffTB

「最近この子の元気がなくて」 うちに来た虎徹さんに話すと 「そっか。大丈夫か？」 と葉先をつついた。翌日その子は元気になった。 お前…虎徹さんの方がいいと言うのか？ 数日後 「お！元気になったな」 と虎徹さんが触れた翌日蕾を付けた。 お前…虎徹さんに媚びる気か？！ グリーンサム #同題ffTB

友達をテレビで紹介したら「バーナビーさんはグリーンサムですね」と言われるようになったけど 「バニー、母ちゃんから無農薬野菜がいっぱい届いたぞ」 安寿さんこそが真のグリーンサムだ。 「無農薬なのに虫食いがない」 「畑に言い聞かせたら害虫いなくなったんだって」 グリーンサム #同題ffTB

手先は器用だと自負している。 スーツは手作りだし、料理も上手だ。 なのに何故、植物は育たぬのであろう。 たくさん話しかけるといいと聞いた。 「…………タナトスの声を聞け」 翌日、新芽が枯れていた。解せぬ。 グリーンサムへの道程は長い/グリーンサム #同題ffTB

趣味も好きなものもなく空っぽだった僕の人生を変えてくれたのは、彼だった 「彼からある日突然渡されて…それが観葉植物に興味を持ったきっかけです」 ずっと復讐の為に生きてきた人間が、グリーンサムと呼ばれるようになるなんて 貴方のお陰で僕は、"生きる幸せ"知りました グリーンサム/#同題ffTB

アパートの近くに住んでる老夫婦は、小さな庭で沢山花を育ててる。一年中きれいな花が咲いてて、近所の皆もいつも眺めてる。たまたま水やりしてる時に通りかかって「きれいですね」と言ったら、剪定した花をくれた。帰ってコップに挿してみた。友恵の写真が微笑んだ気がした。/グリーンサム #同題ffTB

🐯「イエイ！ハンサムグリーンサム！ナナナーナナナー」 🐰「何ですそれ？！ちょ、へんな動きやめてください！虎徹さん？ちょっと！」 🐯「イエーイ！」 グリームサム #同題ffTB

「SBのグリーンサム、バーナビー・ブルックス・Ｊｒ.」 そんなタイトルで特集が組まれるそうで、園芸雑誌の撮影が入った。 緑たちはちょっぴり恥ずかしそうに、カメラに収まっている。僕もだけど。 たくさんの人の目にとまることになるんだな、はりきってやらないと！ /グリーンサム #同題ffTB

相棒がグリーンサムというNEXTに罹った。触れるだけで植物の気持ちが「わかるような」園芸職人を指すのではない。触れるだけで文字通り植物の気持ちが「わかる」能力だ。つまり。 「あ、貴方僕が居ない間にこの部屋で一人でそんなことを…！？」 「だっ！全部筒抜けかよ！」 /グリーンサム #同題ffTB

起きて、遅刻しちゃうよ。 友恵？…友恵っ！ 優しく起こされる声に導かれて瞼を上げる。けど、誰もいない。 ああまたか。 酔っ払った夜や寝起きの意識が曖昧なとき、友恵の声を感じることがある。ずっとこの夢うつつのままでいたい。 なんて言ったら怒られそうだ。 さて起きるかな/夢うつつ #同題ffTB

風船坊やに見向きもしなかった人が 孤児院へ支援をするまでに変わっていけたのは 自分が誰かに救ってもらった事で 自分も誰かを救いたいと思う心のゆとりができたのではないのかなーって思います✨️ バニーちゃん的にその誰かさんにあともうひと救いしてもらいたいようですが…♡ しめい/#同題ffTB pic.twitter.com/rFDucoCT9V

真実に近づくたびに私は彼の記憶を替えてきたんだ、さながらアクリル絵の具で塗り潰すみたいに。何度も何度もそうやったので分厚い地層の様に改竄された記憶は積み重なりついにはそこにひびが入ったという訳か。なら今度は一度真っ白にして新たな絵を描こう、復讐の相手はあの男だ アクリル #同題ffTB

ピシリと視界にひびが入る。強化アクリルの盾も飛んでくる瓦礫の破片には無力だ。触れた物を砕いて飛ばすネクストにこんな装備で立ち向かうなんて無茶もいいとこ。だがヒーローが来る迄は俺たちが市民の盾なのだと思った時轟音と共に飛んで来る鉄の塊 。さぁ猛牛戦車のお出ましだ！ アクリル #同題ffTB

『なんとなく春っぽいんだよな』 『貴方は夏っぽいですよね』 何でだろー？ くんくんと鼻を近づけて 香水のせいかと考えてから あ！と閃いて微笑んだ 『違う春の匂いじゃねぇわ、兎だ！』 両手で頭に耳をつくる それ…イースター…ですよね(怒) 僕はバニーじゃありません！ /春の匂い #同題ffTB

満開を過ぎた桜が 強風で花びらを散らす その中に佇む彼は 春の匂いとともに 消えてしまいそうなほど儚くて 思わず後ろから抱き締めた 何であろうとこの人は渡せない 『…駄目なんです…』 たとえ彼女でも 柔らかい髪に埋めて呟けば 甘ったれかぁ？なんて ぽんぽんと宥められた /春の匂い #同題ffTB

流行病の感染予防にとアクリルのパーテーションがデスクに設置された。 飛沫感染が防げると僕と虎徹さんのデスクの合間に。 なんだか強制的に離されたようでさみしかったからスタンド越しに携帯で話す。 「バニー！」 「虎徹さん！」 ラプンツェルな気分だな。 /アクリル #同題ffTB

一人で帰る途中ピンクのアクリル毛糸を買った。それで小さな兎を編んで通学鞄につけた。そしたらクラスの子が話しかけてきた。そのマーク、バーナビーでしょ。格好いいよね。バディはおじさんだけど。 おじさんが彼を兎って呼んだから友達ができた。仕方ないな、虎も作ってあげる。 アクリル #同題ffTB

「これあげる」 園で差し出されたのはピンクのアクリルビーズで作った可愛らしいリングだった。 「せっかく作ったのにいいの？」 「うん！こっちはコテツの分ね」 反対の手からはグリーンのそれ。 「ちゃんと左手の薬指にしてね」 ええっと、これはどこまで彼に伝えるべきだ？ /アクリル #同題ffTB

僕を信じて、って言うけどさ バニーの事なんてとっくに信じてる でもこんなにそばに居るのに アクアリウムのすっげえぶ厚いアクリルで隔たれてるような気持ちだ 信じてる けど愛してるは言えねえ 言わねえ、だって 「バニーはネクスト被害に遭ってるだけだから」 「アクリル」 #同題ffTB

何でも屋だって、事務処理や経理は必要なんだよ。君、書類仕事苦手でしょ？大丈夫なの？と、ロイズさんにまで心配されて。結局事務所は、AMの関連会社として、立ち上げる事になった。設営の見積書を手に、本格的だな…と言ったら、当たり前でしょう！って。怒ンなよバニー。／見積書 #同題ffTB

勝手知ったる相棒宅で 広いバスタブを満喫していると ガチャガチャと物音 長引いた撮影が終わったらしい 無遠慮に開くドア 室内の湯気がサアッと動く 『おかえり』 まだ服を着たままの恋人へ 俺はゆっくりと立ち上がり あからさまに肢体を見せつけた 『準備して…待ってた』 /あからさま #同題ffTB

しつこいくらいのおせっかいと あざとい上目遣い 自分専用の呼び名までつけて 僕への好意がダダ漏れ あからさま過ぎるんですよ よく見れば整った顔立ち 年齢不詳のオリエンタル 付き合ってあげてもいいですけど 『…つきあう？』 うにゅ、と首をかしげられ違和感 『…え？』 /あからさま #同題ffTB

完全犯罪だった筈だ 街中の監視カメラ全てにダミー映像を流し、NEXT能力で彼の身体を小さな人形に変えて連れ去った 「…ずっと一緒だよ、タイガー」 閉じ込めたアクリルケースをそっと撫でた直後、背後で聞こえた鉄扉が破壊された音 …何で此処がわかるんだ 本当に忌々しい相棒だな アクリル/#同題ffTB

水の中で人は生きられない。 陸の上で魚は生きられない。 当たり前のことを強調するように、俺とバニーを隔てる分厚いアクリル板。 人魚と化した俺にお前は「戻れなければ僕が行きます」と言った。 駄目だよ。 俺はたとえ死んでもそっちの世界に戻るんだ。 お前のいる世界に。 アクリル #同題ffTB

サッと曇った顔が忘れられない 『大切な品を…すみません』 違うよバニー ずっと使えなかったんだ お前と過ごすようになって ようやく触れた彼女とのペアグラス そんな事があった数日後 街で見つけた アクリル製の軽いグラス これなら割れないし？ 誰かのじゃない、俺とお前の /アクリル #同題ffTB

「最高のコレクションだろ!!」――未だ犯人だけが夢うつつ。たった一枚、不自然だと持ち込まれた見積書が事件を暴く。郊外の一軒家に設えられた、水族館の大水槽よりも分厚いアクリルの檻……監禁の被害者も、その檻を内から破ったヒーローも、金の瞳を持っていた。/夢うつつ/見積書/アクリル #同題ffTB

自分のお小遣いで買った 安価のアクリルリング つける時はいつも２個で１セット 『わぁ、楓ちゃんの指輪可愛い！』 『ふふっ』 これは私なりの願掛け いつまでもバティヒーローで いてくれますように そしていつか 幸せな選択をしてくれますように 『推しの結婚リングなの！』 /アクリル #同題ffTB

久しぶりに会った 「こないだはサンキュ」 アクリル板越しの彼 「暴走したの止めてくれて」 僕はそれしかできなかった 親友なのに 「お前がいつか擬態ミスったら俺がカバーしてやるよ」 親友だからな、と言われて顔を上げた 「ばーか、泣いてんじゃねえよ」 彼は、笑っていた アクリル #同題ffTB