富嶽三十六景神奈川沖浪裏。倒された木の根の黒々とした力感から、北斎の波を思い起こした。木の根が抱えていた土、その土に含まれていた水、地下水が現れてできる川など、大きな水の流れまで感じさせる歌。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/gptllg48ta

子供世帯が近所に住んでいるのだろう。祖父母世帯である〈わたし〉の家に自宅の鍵を忘れた孫がやってきた。父母が帰ってくるまでの時間を過ごしているのか、祖父母宅に預けてある鍵を借りに来たのか。「線香いつぽん」に孫とつながる血脈が見えてくる。（大井学） #短歌 #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/tiafsvpbl8

聞こえずらい君の耳に向かって、はっきりした声で言い直す。または筆記する。その瞬間、さっきの言葉を「推敲する」ことができる。発言は消せないはずだが、聞こえなかった君に向かって、〈わたし〉はもう一度言葉を選ぶことができるのだ。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/ubrxuloaoa

夕暮れが「夜」に変わっていくはざまを詠いとめたのだろう。今日やるべきこと全てが終わり、部屋の電気を消す。豆電球を一つだけ付けた状態にして。それは今日の終わりでもあり、この夜の始まりでもあるのだ。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/j5hqoik9tw

英語のボキャブラリーを増やしたくて使う「豆単」。その最初の単語が「諦める」という動詞。受験ののち、年を経ても思い出される単語が、その後もふと口をついて出てくる。単語の記憶するという点では、これは一つの成功なのだが。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/yqj5xn16gr

背中の、ちょうど一番届かない部分、団扇を使っても届かない。痒いような違和感を、触れれば収まるのだろうが届かない。届かない苛立ちが、近くまでは触れることが、ますます違和感を増幅する。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/mfy7ecg0p7

農業に従事していたか、あるいは趣味的な自家菜園だったのか。瓜や南瓜を育てていた弟が鬼籍に入ったことを、その残された種から知らされたのだ。植物が未来に向けて残した種は、弟が生きた時間の証しとして積まれているのだ。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/rwefqxumrq

時を重ねるにつれ、当然ながら顔は老いていく。ただ、自分の中の自己イメージは容易には更新されないものだ。若く素敵な自分自身を自ら老いさせるのは難しい。鏡を見ながら現在の自分を思い知った瞬間の歌。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/sfnfvoyiun

年をとると、頑固になったり病気のために性格が変わりもする。予測不可能な事態から、思ってもいなかった悪に染まるかもしれない。そんなことが起こらないうちにこの人生を終えたい、という。自らを律する潔さを野辺の花に託して語る歌。（大井学） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/9cikvi8o2t

誰しもいつかは死ぬ。解っていながら、それがいつかは解らないから明日への希望が持てる。「やんわり余命を知」るのはどんな時だろう。病気が判った時、親や兄妹の死に触れた時、あるいは自分の年齢を改めて考えた時。最後まで素敵に生きたいのが人。（大井学） #短歌 #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/fnktbraetz

鍵の束に鈴をつけている人は多い。僕もその一人。歩く時にはチリチリうるさいが、持ち忘れ防止には良い。少しうるさいその音を「わたし」を忘れないため、と理解したのがこの歌の面白さ。日常の中で忘れそうになる自分に自分を気付かせるための鈴の音。（大井学） #短歌 #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/nq1sw7v8r3

観察が生きた場面描写としても、愚痴を聞いている作者の心理表現としても、「弾けまるまり」は絶妙。よく見ていると思います。また、夢を叶えて弾けたものの、今は背中を丸めて愚痴を言っている友の姿を写し出しているようにも読めます。（藤島秀憲） #短歌 #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/crmef30cas

「さみしい遊び」と思っているのは作者です。「やめたい」とも思っています。でも、指が作る影絵の狐に言わせているのです。狐に言われて、そのことに気づいたように歌います。最後の最後に「狐」を出して来る構成も良く、ピタリと決まりました。（藤島秀憲） #短歌 #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/m6kljuadnu

トランプを持って行くのではなく「王や王妃も連れていく」と言い換えた工夫が光ります。言い換えたことにより王や王妃と日本の寺院との違和感が生じました。ちょっと動詞に変化を付けると、詩が生まれてくることがあるものです。（藤島秀憲） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/svsstjqdxn

「囮」は「おとり」、この町にとっては季節の到来を告げる文字なのです。鮎でしょうか。お店の人の弾む気分が「大き」に表われています。一方で、作者自身は気持ちを隠し、ただ淡々と張り紙を描写。それが良いのです。（藤島秀憲） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/tbm1j4qekg

熱中症対策……ではなくて「我の鮮度を午後まで保つ」ため。まるで魚になったような、大らかなユーモアが嬉しい一首です。鮮度がよければ若々しく元気でいられます。暑さ対策グッズを使い、現代の夏の様相を描き出しています。（藤島秀憲） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/pllzv1r5tn

人だから感じることができる「痛み」。母国語で「痛い」と感情を表明できるのは人だから、……作者からのメッセージです（そしてAIが支配することへの危惧も）。誰かが「痛い」と言ったとき、その痛みを判ってあげられるのも人だけです。（藤島秀憲） #短歌 #tanka #NHK全国短歌大会 #NHK学園 pic.x.com/n8z98itqh4

いよいよ、第26回「#NHK全国短歌大会」の作品募集が始まりました✨ #短歌 #tanka #NHK学園 n-gaku.jp/public/life/ze…

いよいよ、第26回「#NHK全国俳句大会」の作品募集が始まりました✨ #俳句 #haiku #NHK学園 n-gaku.jp/public/life/ze…