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人類が地中に潜って十万年。かつてはアリに歯が立たなかった。今や人類こそ土の王者だ。ミミズもモグラはむろん、洞窟のコウモリさえ従えている。地底湖の山椒魚は家畜化が進み、ミルクやステーキの供給源だ。ところで、人類は忘れている。人類は昔、火星にも住んでいたらしい。 #twnovel #twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

人類が地中深くに潜ってもう百年。太陽の光の温かさを知っている人はいなくなってしまった。地上から鏡で何度も反射させて地中にたどり着く光をどうにか感じるぐらい。もう人類は太陽の熱に耐えられないだろう。それでも死ぬ時は太陽に焼かれたいと願う。 #twnovel #言葉の添え木 陽光

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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海占いが謎だ。「今日の牡牛座はマリアナ海溝でずぶ濡れです」。変なことを言う。海占いならどこでも濡れるはずだ。カフェで青ワインを飲んでいると高校の友達が入ってきた。「すごい偶然! 私も暗い海溝はいやで、青ワインを飲みに来たの」。なぜ女二人で牡牛座か、これもまた謎。#twnovel #twremix

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

朝の星占いで最下位だった。 「今日の最下位はおひつじ座のあな… 」 女子アナが喋り終る前にテレビを切った。散歩に出かけることにした。 カフェでカプチーノを飲んでいると偶然高校時代に好きだった彼が入ってきて私の前に座った。 「久しぶりだね」 笑顔がまぶしい。 最下位じゃなく再会?#twremix

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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「ついりみっくす( #twremix )オムニバスついのべ 2024.1.11」を更新しました。togetter.com/li/2295066 @sakura77_sosaku @miki_takaaki @marinegumi

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朝の星占いで最下位だった。 「今日の最下位はおひつじ座のあな… 」 女子アナが喋り終る前にテレビを切った。散歩に出かけることにした。 カフェでカプチーノを飲んでいると偶然高校時代に好きだった彼が入ってきて私の前に座った。 「久しぶりだね」 笑顔がまぶしい。 最下位じゃなく再会?#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

もう一度あなたとめぐり逢えたら。そんな事は言わないから。またあなたと会って、話して、笑い合って。そんな贅沢は望まない。たまたま街角ですれ違うような、向かいのホームで見かけるような、交差点の向こうを歩いていく面影を感じるような。そんな奇跡を願ってる。#twnovel #言葉の添え木 愛してる

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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宇宙船に乗って僕らは新しい星に到着した。地球に似た穏やかな自然環境の星だ。ここで僕らは暮らし始め家を建て忙しく環境を整備して行った。 何年目かの夜。少し心の余裕が出来、夜空を見上げた。そこには見覚えのある星座が一つもなかった。あの北斗七星さえも 。 ホームシックに襲われた。#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

地球を存続させるための宇宙エネルギーを手に入れて、無事に地球に戻ってきた。でも宇宙船世代は地球の環境に適応できるか分からない。若い世代は対応出来るだろうが、年配者は難しいだろう。そのため、地球に帰る年齢に制限が設けられた。私は地球に帰れなくなった。 #twnovel #言葉の添え木 帰路

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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妻が帰って来ない。妻の友人の所へ電話をしても誰も知らないと言う。部屋を探すと洋服やバッグなどがなくなっていた。 テーブルの上に置かれた物に気がついた。古ぼけたしみだらけの封筒にインクの色もあせた手紙が入っていた。妻の若い頃の文字で書かれていた。 「もう探さないでください」#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

突然の感染爆発で町が封鎖された。妻とはその日に電話で話したのを最後に、翌日にはもう妻は電話に出なくなった。あれから三十年。ようやく家に帰れるようになった。妻はベッドの上で寝ていた。仕事柄普段は外していた指輪が、白骨化した指にはめられていた。#twnovel #言葉の添え木 誰もいない場所で

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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「いらっしゃいまし」と言った彼女は、しばらくわたしの顔を見続けていた。「ようこそまたお越し下さいました」。来店は五分ぶりだ。さっきは泣きわめいて私に食器を投げつけていたのが嘘のように大人しくなってる。『感情バー・さみだれ』の時間は、季節一つが分単位で進む。 #twnovel #twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

「いらっしゃいまし」と言った彼女は、しばらく私の顔を見続けていた。「久しぶり」。実際会うのは50年振り。彼女とは違って私は50年で随分変わった。「この店の扉は異空間と繋がっていて、普通なら一生に一度しか来れないのです。2回目の来店は貴方が初めてですわよ」 #twnovel #言葉の添え木 再会

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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自動運転車の事故でミスに気づいた。衝突後に運転席に飛び乗りブレーキをかけようとしたが、体が小さく足が届かなかったのだ。警察は事前に座席を合わせなかった僕のミスだという。調書に署名した後で気がつく。あの車、他にも運転できる人が乗っていたのに、何で僕のせいなんだ。#twremix #twnovel

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

企業との案件で重大なミスが発覚した。上司は僕の責任にしようとしている。確かに僕もプレゼンに同行したし、責任を僕にすり替えるのは簡単だろう。しかし取引先は、僕の事を知らないと言う。見たこともないと。関わりのない人間に責任転嫁するなと上司が怒られていた。#twnovel #言葉の添え木 Trivial

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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「ついりみっくす( #twremix )オムニバスついのべ 2024.1.11」を更新しました。togetter.com/li/2295066 @sakura77_sosaku @marinegumi

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突然の土砂降りの雨に慌てて雨宿りをしたのは、軒の低い駄菓子屋だった。「いらっしゃい」と、どこか見覚えのあるお婆さんが言った。「やっと来てくれたんだね。坊やは大人になっても毎日来てくれるって約束したろ。あの雨の日にさ」窓ガラスに映る私は気弱そうな子供の頃の姿に戻っていた。#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

突然の豪雨で慌てて入った店は居酒屋だった。「いらっしゃい」と言ってお茶を出したのは着物姿の美しい女性。「すまない。飲んでる時間はないんだ」「まぁそう仰らずに」しかし、と思って窓の外を見ると雨粒が静止していた。「ゆっくりしていってくださいな」#twnovel #言葉の添え木 静止する世界

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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「次は、僕の番だ」 そう思った時に病院から電話があった。 「再検査の結果、あれは誤診だったようです。もう一度奥様と来てください」と、医師の声。 まだ何か喋っている声が聞こえる受話器を取り落とした。 傍に横たわる妻の体を見下ろす。 まだ暖かい妻のほほに僕の涙がしたたり落ちる。 #twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

仕事中に病院から電話があった。先日の精密検査の結果を伝えたいと。「奥様と一緒に来てください」。医者からそう言われた。妻と一緒に来るようにとは、多分そういう事なのだろう。厳しい闘病が始まるのか、それとももう手遅れか。家に帰ると妻がいつも通りに出迎えた。#twnovel #言葉の添え木 手遅れ

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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下駄箱に手紙があった。それは知らない女の子からの告白の手紙だった。もちろん書かれた場所に行ってみても誰も来やしない。 放課後、下駄箱の奥から光が見えるのに気が付いた。向こう側に誰かいる。下駄箱の後ろは壁だからあり得ないけれど女の子の顔が見えた。 「やっとあなたに会えたわ」#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

下駄箱に入っていた手紙。その手紙の通りに放課後に校舎裏に来たけど、手紙の主は現れなかった。最近では珍しい悪戯にまんまと引っかかってしまった。でも僕は幸せだった。少なくとも朝手紙を読んでから放課後までは、僕の恋は叶っていたから。 #twnovel #言葉の添え木 嘘だとしても

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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やっとおとぎの森の出口が見えてきた。おんぶしている娘を見るとウサギの耳も消え元の姿に戻っていた。ぬいぐるみのクマや小人たちが声をかける。『出て行くなよ。現実は厳しいぜ』と。働かなくても食べ物に不自由せず遊んで暮らせる場所。こんな所はきっと何かの犠牲で成り立っているのだ。#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

ようやくスラム街の出口が見えてきた。ここは薬から女子供までなんでも売買されている、世界の汚れを集めたような場所だ。「ねぇ」おんぶしている娘がつぶやく。「私はまだ綺麗なままだって言ったら信じる?」「信じるよ」信じるために、助けに来たんだから。#twnovel #言葉の添え木 果て

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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登山の経験はなかったが持ち前の力強さと冷静な判断力で何度も危機をやり過ごした。最高峰に到達した時の景色は目を閉じればいつでも蘇る。 記憶に酔いしれ目を開くと、いつもの部屋。車椅子の私の傍には下山中に落下して壊れたアンドロイドがいる。この子の記憶を私は移植してもらったんだ。#twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

山登りの才能が無かった。体力もないし足腰も弱い。気圧の変化にも弱いし、高山病になりやすい。それでも山に登り続けた。十年以上掛かって、何度も諦めそうになって、でもやっと最高峰に到達できた。やっと責任を果たせた。移植された君の目で、やっとこの景色を見られた。#twnovel #言葉の添え木 目

海野久実(うんのくみ)@marinegumi

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「ついりみっくす( #twremix )オムニバスついのべ 2024.1.11」を更新しました。togetter.com/li/2295066 @sakura77_sosaku @miki_takaaki

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箪笥と本棚の間に物干し竿をかける。多分、大熊座くらいは支えられるはず。物干し竿にロープを通すと、古代ギリシア人が窓の外から引っ掻いている。大熊座が持ち上がるかどうかは、私が元の神話を信じているかによるらしい。ロープはあえなくちぎれた。神話はバルバロイが殺した。#twremix #twnovel

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

箪笥と本棚の間に物干し竿を掛ける。多分自分の体重ぐらいは支えられるはず。物干し竿にロープを通す。そして椅子の上に立った時に窓からひっかく音がした。気にする必要もなかったが、何気なく窓を開けたら猫が入ってきた。それからずっと家に住み着いている。#twnovel #言葉の添え木 沈黙を照らす光

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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仕事中に病院から電話があった。これまでの診断の結果を伝えたいとのことだ。「奥様と一緒に来てください」。医者からそう言われた。たぶんそういうことなのだろう。私は昔から知っていた。病んでいるのは自分ではなく妻の側だと言うことを。#rwnovel #twremix

咲良 潤 #言の葉の点綴@sakura77_sosaku

仕事中に病院から電話があった。先日の精密検査の結果を伝えたいと。「奥様と一緒に来てください」。医者からそう言われた。妻と一緒に来るようにとは、多分そういう事なのだろう。厳しい闘病が始まるのか、それとももう手遅れか。家に帰ると妻がいつも通りに出迎えた。#twnovel #言葉の添え木 手遅れ

三木孝明🇺🇦@miki_takaaki

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