髙山文彦『エレクトラ　中上健次の生涯』を読んだ。中上初期の飛翔に主眼を置いている点、中上の著作・発言を始めとして多くの資料や当事者へのインタビューを取り込み、小説的・劇的な筆致で描いている点において、先行する高澤秀次の『評伝 中上健次』とはまた異なる読み味。面白かった。

ついさっき気がついたけど中上健次の千年の愉悦は百年の孤独で重力の都は重力の虹からタイトルもじっているのか

中上健次研究における絓秀実-芳川泰久の血統というのは確かにあるのだが、単著とか出してる人でここら辺を継承してる人って全然いないイメージがある。でも、中上やるなら彼らが提起した問題系こそが重要であるように思う。

ただ、『悪は存在しない』、物語をごく数式的に構成していったがため、ラストは飛躍させたかったのかと思うのですが、柳町光男-中上健次と比べてしまうと「自然」の不穏さを捉えてしまうことはできていないかと……。カメラも含めて、優等生すぎるなあ、とは思いました。

中上健次のエピソードを持ち出すまでもなく『悪は存在しない』というかタイトルはどこまでも不誠実だし陳腐である。ただの茶番だし、「悪は存在しないはずがない」

そろそろクララとおひさまを読み終わるので、次の本を物色中。中上健次をふむふむと調べていたら、『千年の愉楽』の映画版に高良健吾だとッッ！！！（鼻血）

【夏】7月中旬〜8月 小説集夏の花 / 原民喜 原民喜戦後全小説（上・下） 怒りの葡萄（上・下）/ スタインベック 【秋以降】9月〜 中上健次短篇集 またの名をグレイス / アトウッド 百年の孤独 / ガルシア=マルケス 戦争と平和4〜6 / トルストイ 82年生まれ、キム・ジヨン/ ナムジュ

なぞに中上健次全集が10巻くらいある 隣の棚ではコムドットやまとの本が売られている 棚の反対側、向こう側では幼女戦記や物語シリーズといった特殊な形状のライトノベルが売られてある

中上健次って確かに世代的にはプレ・ポストモダン(つまりは浅田彰の一つ前)くらいの世代で、かつ全共闘とは少しズレてて、と、以外とあんまり論じられて位置付けられてない世代の作家ではあるんだよな。柄谷にしても世代とか時代を絡めて論じられてる感じがない。誰かやるべき。

繁昌亭に到着。天神商店街をぶらついたところ、中上健次のソウル紀行を含む『風景の向こうへ』や『野生の熱帯樹』を古書で見つける。中上さんと恩田初代支配人は所縁深い故、これも奇縁か

早坂吝の〇〇殺人事件を読み終えて、冒頭しか読んでいなかった中上健次を再開したら、偶然にもどちらも「赤い髪のエロい女」の話だった。

中上健次「赫髪」(初出1978年)。ダンプカーの運転手が部屋に転がり込んできた赤髪の女と何度も何度もまぐわう話。よかった。

なんでか南方熊楠に関する書物を読みたくなった。坂口恭平さんのキョーラジを聴いたせいもあるんだろう。なにかが死ぬとき、新しいなにかも生まれている。粘菌のそれだ。 つーか帯、中上健次さんなのヤバい pic.twitter.com/QqR9rKQzgv

亀有碧「中上健次「一番はじめの出来事」論—二次性をめぐって—」、良い論文やなぁ。言葉＝距離についての金井美恵子の調理の仕方もすごい上手だ。「一番はじめ」における「ーーみたいに」という直喩表現の特異さをここまでうまく整理できてるのはこの論考だけだろう。

三部作読書会、面白いかもしれない。中上健次紀州三部作、多和田葉子パンスカ三部作、松浦理英子初期三部作など。

そうなのだ。 中上健次作品において「電波」というのは間違いなく重要なものであるのだ。「僕」だけにしか届かず、誰にも共有できないが、「僕」をある内省、ある行動へと駆り立ててしまうものとしての「電波」。

連載「宗教二世がフランスで考えた中上健次と社会物語学のこと」の続き。 土建国家日本の資本投下によって小さく路地に身を寄せあうような同和地区の風景がコンクリートに塗りつぶされてゆくという時代があった。そういう状況を背景に中上健次が物語について語ったことなど。 note.com/hinoniho/n/n04…

『中上健次全集』の付録の文章に書いてあった、四谷かどっかのバーで三浦雅士が唐十郎の演技にダメ出しして、怒った唐が三浦を押さえつけてタコ殴りにかかり、全部に嫌気が出した山口昌男が「こんなん付き合ってられるか！！」と絶叫してその場を去ったってエピソードが大好きだ。

昭和54年に行われた状況劇場『唐版 犬狼都市』の二つ折チラシ。 原作の澁澤龍彦他、中上健次、寺山修司も文を寄せています。 #RIP pic.twitter.com/Ho97lgSYMp

村上龍が芥川賞の選考で中上健次の岬を基準にしてるので推薦する作品は無いというような事を書いているのを見てから中上健次への期待とハードルが上がっている

中上健次作品におけるある種の退屈さの一つは、えっちの描写がまるでエロくないことに起因している。これは谷崎の『刺青』の描写とかと比べて見ると差は明らかで、見方によってはえっちの暴力性を意図的に隠蔽しているようにさえ見える。

せっかく東京にいるのだから、今日は唐さんや寺山や土方が火花を散らしていた60年代の残り香を感じられるような場所に行ってみたいとも思う。 だがしかし、今の東京に果たしてそんな場所が残っているだろうか？ （※写真は昨日たまたま北区中央図書館で借りて来た中上健次の本） pic.twitter.com/DJj9HO1Jwr

例えばだけどフォークナーが好きだとしてそこから中上健次いって吉田修一いって、じゃあ自分の田舎を舞台にして書こうってなったらよほど強く意識しないとそれより小さくなる。日本文学の枠におさまっちゃう。そういうものはたくさんあるわけだし。

蓮實重彦『文学批判序説』を読んでいる。「物語としての法」における『枯木灘』論は素晴らしいのだが、「中上健次論」の中で「一番はじめの出来事」について語った箇所は全くもってダメだと思う。

斎藤美奈子が『名作うしろ読み』の中で中上健次作品を取り扱っているような気がしたが、この視点はすごく重要であると思う。なぜなら、中上健次は勝手に始まって永遠に続いてしまう連想ゲームとしての物語を終わらせるために小説を書いているとしか思えないからだ。

しかし、中上健次や中上健次作品を「路地」という観点からポストコロニアル理論を使って読み解いていく作品というのは本当につまらない。ずっと中上健次にも書き手自身にも関係ないありふれた道徳的説教と反省だけが続いているようにしか俺には見えない。

中上健次面白い

中上健次／柳町光男の「火まつり」を英訳すると 「Fire Festival」かぁ・・・ そりゃあそうなんだけど・・・。

１９歳の地図　中上健次 １７歳の地図　尾崎豊 17歳のカルテ　アンジェリーナ・ジョリーのちびＴ＆爆乳が強烈 45歳の地図 爆風スランプ ６１歳の地図！泉房穂 ランウェイ中に自分だけに来る視線、歓声と拍手は脳内麻薬🧠出まくりの千代子からの鳥肌ぎゃん立ちしそう♥

中上健次の書く熊野はいいぞ 暗くて陰惨で神秘で

中上健次『枯木灘』 再読やけど、中上先生に決めた!

かつて『すばる』では、小森陽一さんと井上ひさしさんがホストの座談会昭和文学史が連載されていた。 その最終回は中上健次。大江健三郎さんの回には、大江さんご本人が参加し、お話しされていた。小森さんと成田龍一さんによる連続対談「大江健三郎を読む」とあわせて、座談会昭和文学史も読みたい。

十何年かぶりに中上健次の名前が会話に出た。ただそれだけで紀州に来た甲斐があると思ったさ。

観ていて、金八先生→HiGH&LOW→中上健次と印象が変わっていったのも面白かった。観たあと、一緒に観た人と話すと『百年の孤独』なみに盛り上がるのも良かった。

『牯嶺街少年殺人事件』を観た（前売り開始約三十分後には満席になった）。家のしがらみや若者たちの不良グループ、いわば“朋輩“の関係性の中で伝聞や噂によって妄執に取り憑かれ出来事を起こすに至る過程には、“イクオ”や“秋幸”に関連するエピソードを筆頭とした中上健次作品に非常に近い感覚を覚えた

返信先:@North_ern2今手元に本がないので確認できず、うろ覚えで書き込んで申し訳ないのですが 確か、『差別・その根源を問う』（朝日新聞出版）の中上健次との対談で熊野の山の話題が出て、当該の表現に中上が非常に喜んでいた事は、彼が没した時の追悼記事で読んだという次第です

というより中上健次氏のその対談？みたいなの読める媒体あったら読んでみたい。この感覚に関するヒントになりうるかもしれない。

とある対談で出てきた『熊野の山の夜は闇がヒソヒソと話をしている』（※不正確）という表現を中上健次がいいねえ、いいねえと喜んでいた話を思い出したわ

中上健次、悔しいが（なぜ？）上手いな…小説が…