この沖縄を歩いてみろ。どこへ行っても、基地の金網ではりめぐらされ…わしたちは自由に山へ行ったり、海へ行ったり、満足に歩くこともできないんだぞ。悲しいと思わんか(中沢啓治『オキナワ』より)

ばかもん。誰が入ってよいと言った。きさまら沖縄住民がいたんじゃ戦闘のじゃまだ(沖縄戦で壕に避難した住民を追い出す日本兵) 中沢啓治『オキナワ』より

中沢啓治　オキナワ www3.nhk.or.jp/news/html/2022…

日本のために戦ったのに、日本からは切り離され、アメリカの軍政下でさんざん苦労させやがる。いつまでたっても平和がきやしない、わたしの大好きな沖縄に…(中沢啓治『オキナワ』より)

戦争におびえ、国をまもるためだと言いながら、殺人兵器ばかりつくっているのはなぜなんだろう…おれにはわからん。なぜ手をつないで助けあって暮らせないのだ(中沢啓治『オキナワ』より)

他には中沢啓治　オキナワ初刊本

B52(米軍爆撃機)がもう少し先で墜落してたら大変なことになったんだって。弾薬庫が大爆発するとこだったんだってさ。弾薬庫には原爆もあったんだそうだよ。もし爆発していたら、この沖縄はなくなってたよな。みんな死んじまったよな(中沢啓治『オキナワ』より)

1970年発表・中沢啓治『オキナワ』。ベトナム戦争の前線基地となった沖縄で、米軍が引き起こす爆撃機墜落事故や交通事故に怒り、基地のない平和な沖縄を求めて立ち上がる人々を描く。