たたかひにわが子をやりて山ふかく猪野々翁は木樵（きこり）すらしも　　吉井勇 『天彦』から1938年の歌を。 猪野々（いのの）は、吉井が一時隠棲した高知東部の山村。 「山ふかく」という言葉は、「翁」が胸にしまい込んだ思いと、どこへ行っても戦争の靴音から逃れ難くなった時勢を、共に暗示する。

人住まずなりて久しきわが庵は鼯鼠（むささび）の巣となりにけらしも　　吉井勇 50代を迎えての歌集『天彦』（1939）より。 さすがの吉井も、四半世紀前に用いた「鼯鼠の巣」を、このような形で再び詠み入れることになるとは、夢にも思わなかっただろう。 嘘から出たまこと……とは、ちょっと違うか😊

鼯鼠（むささび）の巣ありとわれをあざむきて山に誘ひしかの少女（をとめ）はも　　吉井勇 引き続き20代の歌集『昨日まで』から。 都の青年と山の少女のペア。思う人を誘い出す小さな嘘。それだけの歌なら、掃いて捨てるほど類例があろう。 本作は「鼯鼠の巣」によって、またとない命を与えられた。

【#読書】 『雨の夜話』 作：吉井勇 昭和2年9月29日放送 男4、女2のラジオドラマ。 芸人一座の寄席の楽屋を舞台に描かれる人間模様。もう落ち目の老芸人を解雇しようとした所、実は座長の妻の父親だとその男が言い出し…。 なんとなく、菊池寛の『父帰る』を連想させる物がある。

吉井勇記念館さんとのコラボクリアファイル届いた～！ pic.x.com/NBg83ZrSKy

最近、吉井勇の中期・後期の歌集をひもといているのには、そういう心境によるところもある。 吉井おじさまの「貴族的悪趣味」（良い意味で😉）をそのまま真似るつもりも度量も、私にはないけれども。 短歌で「貴族的悪趣味」を体現した人という観点からは、後期の岡井隆も、読み直すに大いに値しよう。

黄檗の寺の鐘の音（ね）しんしんと君思はせてねむりかねつも　　吉井勇 ……と大正時代に詠んだ吉井勇翁に代わり、黄檗山萬福寺様のご本堂（大雄宝殿）などが国宝指定を受けられましたことを、心よりお慶び申し上げます😊 x.com/manpukuji_X/st…

逃亡かただかりそめの厭世かとまれふたたび東京を見じ　　吉井勇 第二歌集『昨日まで』（1913年、26歳）より。 「厭世」か「ただかりそめの逃亡」かと自問する歌ではない。放蕩生活にケリを付けようと出奔した吉井にとって、「逃亡」はむしろ「厭世」に劣らないほど、深い決断を伴うものであったか？

【短歌】 比叡かく厳しき面をして立つや十億劫の昔よりなほ （ 『朝影』　吉井勇 ） #比叡

アクセスの話を聞くと、やっぱり一番近い駅から車で40分、運行バスなし、道のり崖ふちの山道の吉井勇記念館さんが強すぎて　隠棲の地として選んだ吉井先生大正解だなあって噛み締める

永井荷風/谷崎潤一郎　東京大空襲で焼け出され、家屋蔵書を失った荷風から無事を知らせるはがき。受け取った谷崎はどれほどほっとしたでしょう。 その他坪内逍遥、三好達治、井伏鱒二、吉井勇、武者小路実篤などのはがきも出ています。貴重な資料として、ぜひ実物をご覧ください。

膝抱きて歌をおもふは項垂(うなだ)れて死をおもふより少し楽しき／吉井勇

令和6年10月17日（木） 曇天のお茶地方です🍵 庭の金木犀が香ります。秋の香り。 【今日の名言】 いのち短し　恋せよ乙女 紅き唇　あせぬ間に 熱き血潮の　冷えぬ間に 明日の月日は　ないものを （吉井勇） 今日が皆様にとって良い一日でありますよう。 pic.x.com/ksxCbz7YXb

吉井勇の短歌碑。 浅間温泉には碑がたくさん。 みすゞかる　信濃路にきて星まつる　夕べにあひぬ　旅は淋しき pic.x.com/rXgsXnQGyT

この種の差別心はしばしば、エキゾティシズムと不可分な性的欲求を喚起する。吉井勇も例外でなかった。「かの人は卑し」と口にすればするほど、相手に対して（屈折した）愛しさが高まるのだ。だが、だが、相手は私の恋情を受け入れることがない……。 心理劇は振り出しに戻り、あとは無限のループへ。

恋知らず情知らずのかの人は卑し首陀羅（しゆだら）の娘なるべし　　吉井勇 ちょうど百年前の歌集『夜の心』より。 首陀羅はシュードラの音訳。 恋の対象から受けた拒絶が、自己防衛的な侮蔑の感情を生む。その侮蔑心が、相手を「歴史と伝統」ある被差別の人々のイメージと結合させてしまう。 ※続く pic.x.com/0QdlNR57UZ

あめつちの四季の秋には寂（さび）あれどこころの秋はただに冷たき　　吉井勇 更に『人間経』より。 天地は自らの一部として秋を営む。人はそれに触発されつつ、あくまで人自身の内側に「こころの秋」を発見する。 「こころの底ぞ秋深くなる」と詠んだ藤原良経も、「ただに冷たき」と詠んだ吉井勇も。

末の世のへろへろびとのなかにゐむ吾と思はず旅にこそ往け　　吉井勇 更に『人間経』より。 「へろへろびと」が情けなくも可愛らしく響く。「吾」は彼らの群を厭うているのだが、「へろへろびと」という短歌らしからぬ名詞が一首の主役を奪ってしまい、畢竟「吾」もその仲間であるように思えてくる。

くだつ夜の果てしもあらぬもの思ひ思ひ尽きなばわれは死ぬべし　　吉井勇 中期吉井勇の幕開けとなる歌集『人間経』（1934年、48歳）から。 「思ひ尽きずば（物思いがずっと続けば）われは死ぬべし」ではない。もし物思いの尽きる日が来たら、その時こそ自分の「生」はおしまいに違いないというのだ。

【短歌】 親しさを覚ゆるときは手を伸べて撫でむとぞ思ふ比叡の山肩 （ 『朝影』　吉井勇 ） #比叡

そして突然の吉井勇先生（大谷崎もいた） pic.x.com/WPqBZBr0r2

最近 イヤらしいこと、 考え続けられなくなって…🐮 「いのち短し戀(こひ)せよ 　少女(をとめ)」 ゴンドラの唄 作詞:吉井勇 「やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君」 与謝野晶子

よみほっとという新聞の別紙?　富山市八尾町　千葉にもこういう情緒ある場所があｒ..佐倉市があった😓(仕事で行ったがこういう場所までは行けず)。 旅を旅して 歌人　吉井勇　生活面の厳しさも含め、戦争というものを実感したのが八尾だった　吉井は苦境にある時の方が、歌が良くなる… pic.x.com/v4rtw8wR4M

美術館を、出たところで、若い夫婦らしい方の、女性が男性に「よっし！城に行くぞ」と言っているのをたまたま聞いて、お二人に「あの、これから丸亀城に行かれるところですか？本丸に登る前に、吉井勇歌碑という秘宝があるため、右側に行くことがお勧めです！」と言いました。

吉井勇記念館さんの描き起こしクリアファイルが届きました。かわいい！🥂⭐️ ありがたいなぁ…通販対応ありがとうございました🥲🙏 pic.x.com/ptm5oNctBs

「寂しければ死にたる友の誰彼のことを思いて目裏（まうら）熱しも」 ※『吉井勇全集』第2巻に所収の歌集『天彦』「韮生の山峡」には、「寂しければ」の同じ言葉で始まる歌が72首続き、一番寂寥を味わった歌人による詠嘆の集積。

【短歌】 このごろや比叡の山肩いよよ鋭くたたかひにのみ心凝らしむ （ 『朝影』　吉井勇 ） #比叡

ひとりきてひとり往かむと思ふかなさばかり猛きわれならなくに　　吉井勇 『祇園歌集』から19年後、『人間経』と題する歌集の冒頭に置かれた一首。 標題もずいぶん様変わりしたが、歌の主題も直情的な感傷から、沈々とした内省に大きく舵を切った。この歌集を境に、吉井の歌業は再びの高峰に達する。

黄檗の寺の鐘の音（ね）しんしんと君思はせてねむりかねつも　　吉井勇 たそがれの角座の幟はたはたと吾（あ）を紅灯の街にさそへり 『祇園歌集』には嵐山・嵯峨・宇治・大阪ミナミ等の歌も並ぶが、行き着く所は祇園のそれと同じ感傷である😆 だからこそ、一つの歌集にまとめ得たとも言えるわけだが。

吉井勇『祇園歌集』の初版（1915年）を実見した。装幀は竹久夢二。 祇園のことはまるで知らないが、ここまで情熱的に感傷されては脱帽あるのみ。やがて、相変わらず祇園には興味の湧かぬまま、祇園、祇園、祇園に明け暮れた若き吉井の「歌ぢから」を、いつのまにか愛慕のまなこで見つめてしまうのだ。 pic.x.com/6IW8QCcqyP

返信先:@toshizostarfortロマンチックな恋に思いを馳せて、現代まで多くのアーティストが歌声を重ねてきた名曲。 歌詞は吉井勇によって作られ、曲、中山晋平、1915年(大正4年)、芸術座で上演されたツルネーゲフ原作「その前夜」の劇中歌として松井須磨子によって歌われました。「ゴンドラの唄」

返信先:@toshizostarfort吉井勇作詞中山晋平作曲のゴンドラの唄ですね｡

吉井勇記念館さんの文アルコラボのクリアファイル、先日届きました。 ありがとうございました！ pic.x.com/ahpl0xn8ms

文アルより 今日は吉井勇さんの誕生日🎂 🎉🎂🥂𝐻𝑎𝑝𝑝𝑦 𝑏𝑖𝑟𝑡ℎ𝑑𝑎𝑦💐🧸🎁 pic.x.com/fReY1HOReW

申し込んでた吉井勇記念館さんのクリアファイル、届きました〜！しかもお誕生日に届くとか最高すぎる…☺️ パンフレット同封されてると思ってなかったので、サプライズ感満載でした‼️ 添付された紙の文章も凄く素敵で、、 いつか記念館にも足を運びたいです😊 pic.x.com/GmVxEL9xlk

いのち短し、戀（こひ）せよ、少女（をとめ）、 黒髮の色褪（あ）せぬ間に、 心のほのほ消えぬ間に、 今日はふたゝび來（こ）ぬものを。 "吉井勇『ゴンドラの唄』

吉井勇記念館さんのクリアファイル届いた～❣️ 同封のパンフも嬉しい～！行きたいぜ切実に…… pic.x.com/6cX8dDF2b1

「観潮楼歌会の頃」の方を読むと、やはり吉井勇からも鷗外に対する篤い尊敬の念が滲み出てるな～と読みつつ思ったんですが、そんな人の原稿を……と思うと、心臓がぎゅっと痛くなりますね……見つかって良かったね……

本日お誕生日ということで、吉井勇が茂吉との細いけれども絶える事のなかった友情と交遊について語った随筆を入力してみました。二人の友情の背景と根幹にあるのが観潮楼歌会と短歌ということで、特に森鷗外が主宰した観潮楼歌会がどのように行われていたのかという点でも面白い随筆だと思われます。