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本日神田神保町の東京堂書店で買った本 ・新潮2024年10月号 ・現代思想 デネット特集号 ・情況 2024Summer トランスジェンダー特集 ・吉川浩満「理不尽な進化」 ・小鷹研理「からだの錯覚」 pic.x.com/gq1t2ffqjc
9月の前半に國分功一郎『暇と退屈の倫理学』と 吉川浩満『理不尽な進化』と 宇野常寛『砂漠と異人たち』を読み通して浮き上がってきたのは論者の関心がいつも「現在」に向けられているという事だ。問題は歴史でも進化でも倫理でもなく現在を生きる人間に尽きる。現在の苦悩と云っても良い。
#kotoba 57号 『理不尽な進化』の著者、吉川浩満氏@clnmn へのインタビューを掲載。「進化」は一般でもよく使われる、科学由来の言葉である。科学の言葉を使うときの人びとの心理、科学の言葉に社会が求めているものを聞く。 公式 kotoba.shueisha.co.jp
『暇と退屈の倫理学』第五章の哲学ではハイデッガーの考察が紹介され続く第六章の人間学では他の動物と人間が比較され生命における境涯論が展開される。ここにきて『理不尽な進化』と深く関わる考察が行われていて再びわたくしは興奮している。生きもの万歳!
《グールドによれば、やはりダーウィンこそ、歴史が科学研究の対象となることを立証した「もっとも偉大な歴史科学者」である》と『理不尽な進化』381頁に。 物理学の厳密さに比べたら少し不安なところがあっても歴史だって科学できるということを示そうとする根性がやっぱりえらい。
歴史には人間に隠された計画があると考える哲学者の意見を科学者は認めないだろう。進化論は偶発性でそれに対抗する。生物は何者かが裏で手を回して進化したのではないと云う。ところが《グールドは偶発性という概念がまるでそれ以上のなにかであるかのように語る》と『理不尽な進化』340頁に。
《人間の知の営みには、経験的事実を確定しようとする科学と概念的問題を説き明かそうとする哲学(形而上学)とが截然とは区別できないような地点がある》と『理不尽な進化』300頁に。 物理学者は答えを探し哲学者は問いの立て方を探す。
《グールドは自分の持ち場(科学)を放り出して哲学やら神学の領域に迷い込んだ結果、論争に負けただけでなく、勝手に自滅したということだろうか。ある意味ではそうだ》と『理不尽な進化」300頁に。 最近YouTubeで「ゆる哲学ラジオ」という番組を視聴したら物理学者による哲学者批判を扱っていた。
《適応主義プログラムが描く生物の進化は歴史でもなんでもない、それを歴史と僭称することは、本当の歴史にたいする中傷、つまりその価値を不当に貶めることにほかならない、そうグールドは考えたのだった》と『理不尽な進化』297頁に。 何か一つの原理で全てを説明できると信じる事は常に危うい。
わたくしの関心はこちらの機械論×生気論の方にあるのかも知れないが今は『理不尽な進化』に戻ってグールドの議論の方に耳を傾けよう。 《実際にグールドは義憤のようなものに駆られていたのだと思われる》と『理不尽な進化』291頁に。
『理不尽な進化』、「進化」をめぐって人口に膾炙している誤解を糺すにとどまらず、むしろそうした誤解こそが進化論にとって本質的なのだ(理性に内在する誤謬?)、というところにまで迫っていくのが面白いのよね。
拙著『理不尽な進化』のKindle版が月替わりセールで半額の550円になっているようです。よかったら。 吉川浩満『理不尽な進化――遺伝子と運のあいだ 増補新版』ちくま文庫 amzn.to/4dRxSJ7 【目次】 まえがき 序章 進化論の時代 進化論的世界像――進化論という万能酸… pic.x.com/fqnyaqdudi
『理不尽な進化』の第三章まで読み終えると「進化論」は神学のように教義が大きく枝分かれして正統と異端のようになっていることがわかる。そしてその異端側にまわったスティーヴン・ジェイ・グールドのこだわりに注目しつつ吉川浩満さんは終章へ読者を導く。わたくしもグールドが気になって仕方ない。
吉川浩満『理不尽な進化』、たいへんな名著です。その「人文的」な側面について、吉川さんをお招きして極限まで読んだ読書会の記録がこちら。 じんぶんTV読書会 youtube.com/live/IhaQasZmi…
イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスの反論は鮮やか。 《グールドが「適応主義のなぜなぜ物語は科学ではない」と批判したのだとすれば、ドーキンスは「科学的なぜなぜ物語を提供するのが適応主義の仕事だ」と反論したのである》と『理不尽な進化』217頁に。
『理不尽な進化』第三章にアメリカの古生物学者・進化理論家スティーヴン・ジェイ・グールドによる適応主義批判が紹介されていて興奮した。進化論の世界でこのような論争があったことを今まで知らずに過ごしていたのが勿体ないと正直に思った。なんでも適応で説明できるという思い込みが確かにあった。
吉川浩満『理不尽な進化』ちくま文庫がkindle月替わりセールで超安くなってます(550円) 進化論についての本なんですけど、全然知識なくてもマジでおもしろく読めるんで絶対買ってください!!! これはほんとおもしろい!!! 保証します!!! amzn.to/4d8F0Qp
↓ 《これは近代人に進化論的世界象を植えつけたという点では革命的な出来事だったが、ダーウィンの名の下に非ダーウィン的な進化論が普及するという皮肉な結果をもたらした》と『理不尽な進化』176頁に。 いま自分が「進化論」で思い描くイメージはどちらであるかを一度見直してみる必要がある。
《それにたいして、ダーウィンの進化論(ダーウィニズム)においては共通の目標など存在しないのだから、進化の過程は偶発的なものになる》と『理不尽な進化』161頁に。 ラマルクやスペンサーの発展的進化論とダーウィニズムのちがい。
《進化をあらかじめ定められた方向への前進とみなす考えは、後に「定向進化説」として知られることになった。進化が究極的な目標に向かって近づいていくことであるならば、進化とはすなわち前進であり上昇であり、すなわち進歩にほかならない》と『理不尽な進化』153頁に。
『理不尽な進化』の第一章を読んで「遺伝子」と「運」の二つの要素が複雑に絡み合って生物の現在を形作っているということがわかった。わたくしの関心に寄せて云えば「遺伝子」は決定論であり生き残るべくして生き残るのだが「運」はまさかの状況を作り出し前提を覆すがゆえに超越的だ。
一万年前の話に興味をもったらメアリー・セットガスト『先史学者プラトン』を読み直しても良い。先史時代に大規模な戦争が起こっていたかもしれないという仮説。この本の訳者が山本貴光さんと吉川浩満さんであった。それで吉川浩満の書いた『理不尽な進化』(朝日出版社)を読んでみたくなった。
【理不尽な進化】 地球上に出現した生物種のうち、実に99.9%が絶滅してきたという事実である。私たちを含む0.1%の生き残りでさえ、まだ絶滅していないというだけで、いずれは絶滅することになるだろう。 amzn.to/3wz6Xic
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『理不尽な進化』 kindle版だと半額でした。 生物種の99.9パーセントが絶滅する。生物の歴史はずいぶんと「理不尽」な遍歴をたどってきた。 絶滅という観点から生物の歴史を眺め、俗説が人びとを魅了する構造を理解することで、進化論の魅力を提示する。 詳細こちらです📚 amzn.to/3X7Q5uQ pic.x.com/romdb1xibc
たぶん我々は「進化論」の問題をガチに考えるべき。これまでの狭義の批評が黙殺してきた問題がそこにはあると思う。なので、吉川浩満『理不尽な進化』(2014年)を読み直すかも。あと、去年出た石川義正『存在論的中絶』も内容をひとことで言えば「進化論」の批判的読解だったはず、たしか。