小谷信千代先生が、真宗大谷派の近代教学（要は心の浄土）を否定して、親鸞教学における指方立相の浄土の正統を強く主張したが、決して「小谷先生がガチで指方立相の浄土を信じていて、自然科学を否定し、義務教育で須弥山世界を教えるように抗議する」とかって話ではない。単なる紙上の論破ごっこ。

阿弥陀仏と浄土の実在（指方立相）を本当に信じている坊主がいたら、義務教育をもう一度受けさせるか、それとも心療内科に連れて行った方が良いです。

菩提心論にいはく、「遇筏達於彼岸法已応捨」と。極楽も、指方立相の分は、法已応捨の分なるべし。 kumanojodo.info/goroku/monjin_…

内省というか自分の心の中に阿弥陀さんがいるというのは「唯心の浄土・己心の弥陀」という考えで、これは天台宗等の思想。 浄土系の宗派では「指方立相の弥陀」といって経典通りにはるか西方にいる阿弥陀さんに帰依しましょうとなる。

一方、法然はこれと違った方向性の人で、善導に絶対的な信を置いて「指方立相」を日本に定着させるのに大きな役割を果たしている。『一百四十五箇条問答』には「己心の如来」説を斥ける箇所や天台本覚法門の『真如観』を「わろき物にて候也」とする箇所があり、法然には反本覚思想の傾向がみられる。

一方、「指方立相」は「方角を指し示し、姿や形を立てる」ということで、形のある阿弥陀仏や極楽世界の姿を説いて、念じたり観じたりする対象とすること。この思想でいくと、阿弥陀仏も極楽世界も姿や形がちゃんとあることになるわけで、阿弥陀仏も極楽世界も確固として実在するという発想と結びつく。

>RTs お二人のこの会話は面白くて、その背景には浄土門にみられる「己心の弥陀・唯心の浄土」と「指方立相」という二つの異なる思想の系譜が横たわっているとも考えうるんじゃないか、的なことを考えていた。