早ければ日蓮代の13世紀には完成していたと云われる、金戒光明寺の地獄極楽図屏風。 この中には二人の対照的な僧が描かれ、一人は専修念仏で阿弥陀諸菩薩の来迎を享けるもの、もう一人は阿弥陀の本願力を信じきれず、法華経を読み自行を行うが後ろから天狗が誑かそうとしている図だ。

地獄絵図の虐殺（虐待殺人）の模様は凄まじいが、恐らく実際に行われた虐殺行為を集大成したのが地獄絵図ではないかと思った。 虐殺を行った側も苦悩に満ち、死後の自分を考えたとき、当時の人々には阿弥陀の本願力にすがり、極楽往生を夢見るしかなかったのだろう。