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＜高校野球兵庫大会：神港橘3－2小野＞◇12日◇2回戦◇明石トーカロ 　金丸先輩、勝ちました！　春夏通じて17度の甲子園出場経験のある古豪・神港橘が、延長タイブレークの末に逆転サヨナラ勝ちで3回戦進出を決めた。先発したエースの中間裕瑛（ひろあき）投手（3年）は同校OBで今秋ドラフト目玉候補の関大・金丸夢斗投手（4年）の助言を生かし、10回4安打2失点、147球の熱投で勝利へ導いた。次戦はシード校の強豪・神戸国際大付とぶつかる。 　神港橘のエース中間の神妙な表情が、一気に笑顔へと変わった。「絶対に打ってくれるという自信を持って応援してました」。1点を追う延長10回裏、2死満塁から8番根木沁太捕手（3年）が放った打球は左翼線へ伸び、2人の走者が本塁へ生還。逆転サヨナラ適時打を放った相棒の試合を決める殊勲打に、中間もベンチから飛び出して喜びを爆発させた。 　最後までマウンドを譲らなかった。1点のリードを守りながら8回まで無失点も、9回に同点打を許した。延長10回のマウンドにも立ち、2死一、三塁から2番打者に中前打を許して勝ち越しを許したが、最少失点にとどめた。10回4安打2失点、147球の熱投で逆転勝利を呼び込んだ。 　4学年上の大先輩の助言を生かした。3月に侍ジャパンにも選出された関大金丸は同校のOB。卒業後も母校の練習に何度も顔を出し、その度に中間は技術面などのアドバイスをもらっていた。中でも「力むといいボールが投げられないので、金丸さんから聞いた『腹圧』を意識して投げました」と投球時の呼吸法を取り入れ「キレが上がった」と進化を実感している。 　「腹圧」を意識する方法について中間は「息を吸って吐いた時の力をずっとためとくみたいな感じで、リリースの時にもう1回（おなかに）力を入れると、リリース位置がさらに前に行って、ボールに回転が加わるようになります」と説明。完全習得はまだだが「できた時は一番いいボールがいきます」と胸を張った。 　金丸は地方大会開幕の約2週間前にも練習に顔を出し、後輩らを激励したという。先輩の高校3年時はコロナ禍で夏の甲子園大会が中止となった。「悔しい思いをされたと思うので、その分僕たちが金丸さんたちの代の思いも背負って連れていきたいです」。1976年（昭51）以来48年ぶりの夏の聖地へ、古豪復活を胸に誓った。【古財稜明】 　

日刊スポーツ-1時間前

◇第106回全国高校野球　兵庫大会2回戦　神港橘3―2小野（2024年7月12日　明石トーカロ） 　1929、30年の選抜大会で史上初の連覇を達成した古豪・神港橘は、小野をタイブレークの延長10回にサヨナラ勝利で制して3回戦に進んだ。 　先発右腕の中間裕瑛（3年）が被安打4で10回2失点完投と劇勝発進の立役者となった。 　8回まで内野安打のみの被安打1に抑える好投。1―0の9回に2安打を許して同点に追いつかれるも、タイブレークに突入した延長10回を1失点にとどめ、直後の攻撃でのサヨナラ打につなげた。 　「最初は緊張して固かったけど、緊張がほぐれてからは自分らしい投球ができました。最後はボール先行になったので、強豪相手にはその一球で後悔することになるな…とも思いました」 　同校OBで今年3月に侍ジャパン入りした関大の金丸夢斗は、卒業後も母校を訪れて後輩を指導してきた。腹圧トレーニングの方法などを伝えるなど投手力向上に貢献し、初戦の2週間前には同校グラウンドを訪れて選手を激励した。 　同校は、第一神港商、市神港時代に甲子園春夏15度の出場を誇る伝統校。1976年以来48年ぶりとなる甲子園出場へ、3回戦は優勝候補の一角とみられる神戸国際大付との一戦に臨む。「勝てば自信がつく。番狂わせを起こして甲子園に行きたいです」と意気込んだ。 　◇中間　裕瑛（なかま・ひろあき）2006年（平18）5月16日生まれ、兵庫県神戸市出身の18歳。5歳から小部東アローズで野球を始めて捕手。鈴蘭台中では軟式野球部に所属して投手に転向した。神港橘では1年秋から背番号10でベンチ入りし、2年秋から背番号1。50メートル走6秒6。1メートル76、64キロ。右投げ右打ち。 　▽神港橘　1907年（明40）4月に神港商業学校として兵庫県神戸市に開校。新制高校への移行により、48年（昭23）に第一神港商から神港商に変更。49年（昭24）に校名が市神港に変更され、2016年（平28）には兵庫商との合併で神港橘が開校された。硬式野球部は1924年第10回選手権大会で甲子園に初出場し、春夏通算15度出場。主なOBは吉田孝司（巨人）、山口高志（阪急）ら。

スポニチアネックス-2時間前