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今大会は快進撃、好ゲームが多く見られた。初の4強入りを果たした守谷はもちろん、つくば秀英も初の4強、準優勝と学校の歴史を塗り替えた。常磐大高は激戦区を勝ち上がり、2年連続の4強入りを果たした。 守谷はノーシードで1回戦から登場し、3回戦で昨秋と今春4強の水戸一に八回コールド勝ち。準々決勝では甲子園出場経験のある水城を下した。特筆すべきは打力だろう。準決勝までの集計では4割に迫るチーム打率を記録。大会打率6割超えの張替龍愛(2年)、10打点を挙げた福永健人(同)らが強力打線を形成した。大黒柱の中島大輔(3年)は打線では中軸を担い、投げては大会通じ6試合を熱投し、快進撃の主役となった。 つくば秀英はAシードの一角として出場すると、次々とほかのAシードが姿を消す中、中軸の明石理紀斗(同)、大石隼也(同)らがけん引し切れ目ない強力打線で勝ち進んだ。初の4強入りを懸けた準々決勝の下妻一戦では延長タイブレークにもつれるも、延長十回に6連打、8得点を挙げ競り勝った。続く準決勝でも15安打を放ち、逆転勝ち。決勝でも好投手擁する霞ケ浦から3得点を挙げ一矢報いた。 大会前から注目されていたAシード・常総学院のゾーンからは常磐大高が4強入り。この躍進の中心にいたのがエース沢畑壱心(2年)だった。4回戦は選抜大会出場で秋から県内負けなしだった常総学院に1失点完投。準々決勝では前回王者の土浦日大に対し先発6回1失点と力投した。この試合救援した仲本寛(1年)はサヨナラ打を放つなど投打で鮮烈な印象を残した。準決勝はつくば秀英に競り負けたが、沢畑を登板させずに熱戦を演じチーム力を示した。 大会全体を振り返ると、新基準バットへの変更の影響と、下級生の活躍が印象的だった。大会通算本塁打は13本。昨年に続く「投高打低」となったと見ることもできるが、新基準バットにどう対応するのか、打撃以外の走塁技術や、小技などの重要性を感じさせる結果となった。下級生の活躍の一例として4強のベンチ入りメンバーを見ると、常磐大高とつくば秀英は半数以上、霞ケ浦と守谷は20人中9人が下級生だった。主戦投手は4強の内3校が2年生と、夏を経験した下級生が今秋の県大会も盛り上げてくれそうだ。

茨城新聞クロスアイ-18時間前

◇第106回全国高校野球選手権茨城大会決勝　霞ケ浦9―3つくば秀英（2024年7月27日　ノーブルホーム水戸） 　1年前の悪夢を、霞ケ浦はナイン全員の力で振り払った。9―3とつくば秀英を投打で圧倒。5年ぶり3度目の甲子園を決め、高橋祐二監督は「去年の負け方は強烈だった。悔しさを胸に頑張れと言ってきたけど、一致団結してやってくれた」と感無量の表情だ。 　投げては技巧派左腕の先発・市村才樹（2年）が踏ん張った。直球は120キロ台後半も1メートル86の長身から投げ下ろすボールには角度があり、90キロ台のカーブを織り交ぜて幻惑した。7回1/3を11安打ながら3失点。「去年の悔しい思いを常に思い浮かべていた」。自身の前に背番号1を背負っていたエースの悔しさも同時に晴らした。 　昨夏の茨城大会決勝。土浦日大を相手に8回まで3―0も、甲子園目前の9回に絶対エース・木村優人が5点を失い逆転負けした。右腕はドラフト3位でロッテに入団。決勝を前にナイン全員の元には「自分のミスを取り返してください」とのメッセージが届いた。昨夏決勝も5番で出場した羽成朔太郎（3年）は2安打2打点と奮闘し「先輩たちの忘れ物を取りに行く気持ちで一年間やっていた」。悪夢は消え去った。次は甲子園で暴れる番だ。（鈴木　勝巳）

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