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カブスの今永昇太は、8勝目を懸けて先発登板。 　高めの変化球で三振を奪うと、今度は低め。 　強豪のオリオールズ打線を相手に、粘り強いピッチングを見せます。 　今永は6回無失点の好投で、およそ1カ月ぶりとなる8勝目を挙げました。 写真：AP/アフロ

テレビ朝日系（ANN）-32分前

＜オリオールズ0－4カブス＞◇10日（日本時間11日）◇オリオールパーク 　カブス今永昇太投手（30）が10日（日本時間11日）、敵地オリオールズ戦に先発し、6回無失点と好投。6月15日以来、4試合ぶりとなる8勝目（2敗）を挙げた。 　ア・リーグ東地区首位で、メジャー最多147本塁打のオリオールズ打線を相手に、走者を背負いながらも粘りの投球。1年目の前半戦8勝は日本人投手8年ぶりで、防御率2点台は3人目。初出場するオールスター戦（16日・アーリントン）前の最終登板を、文句なしの白星で飾った。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　ピンチを迎えても、今永は相手打者の思惑を見透かしたかのように目先を変え、各球種を自在に操った。米デビュー以来、今永の基本は「高めの速球＆低めのスプリット」。メジャー最多147本塁打のオ軍打線は「今永対策」として、ボールゾーンへのスプリットを見極め、甘く入るスプリットに狙いを定めていた。「いい打者がそろっているので、初回は自分が慎重になってしまったという感じです」。それでも、1回1死一、二塁から2者連続三振。3つのアウトに29球を要した一方、30歳左腕は落ち着き払っていた。 　4回はわずか5球で3者凡退。5回、6回も得点圏に走者を背負ったものの、要所で三振を奪うなど無失点に封じた。相手の裏をかく低めの速球に加え、右打者7人には内角攻めに徹した。敵地オリオールパークは、22年シーズン前に改装され、左翼から左中間にかけて最大9メートル拡大された。「あそこ（左翼）は広いというのが頭にあったので、右打者には打たれても（フェンスを）越えないような打球を打たせたいと思って投げました」。強引に引っ張られたとしても、際どいコースで詰まらせれば柵越えのリスクは少ない。頭脳派ならではの危機管理能力の高さを初の敵地でも発揮し、21年サイ・ヤング賞右腕バーンズに投げ勝った。 　この試合が球宴前の最終登板。開幕以来、無傷の5連勝と鮮烈なデビューを飾った一方で、早期KOも経験するなど、あらためてメジャーの壁の高さを再認識した。「驚きもあった前半戦の数字を、後半戦はしっかり証明していく作業をやりたい」。地区最下位と低迷が続くカ軍からは、唯一人の球宴出場。今や地元シカゴで屈指の人気者となった今永が、夢舞台でも臆するはずはない。 　▼カブス今永はナ・リーグの規定投球回以上の投手31人で最少の16与四球。9回平均の与四球率も1・48でリーグ1位（2位は元巨人マイコラス＝カージナルスの1・51）。カ軍でオールスター前に97イニング以上を投げて16四球以下は、通算390セーブの85年デニス・エカーズリー、通算131勝の02年ジョン・リーバーに次いで22年ぶり3人目。

日刊スポーツ-1時間前