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第１０６回全国高校野球選手権大会第７日第２試合（１３日、石橋５－０聖和学園、甲子園）公立校で夏初出場の石橋（栃木）が５―０で聖和学園（宮城）を下し、春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。今夏初先発となった入江祥太投手（３年）が毎回の１１奪三振、散発４安打で完封。４番としても３安打を放った。県内有数の進学校で今年創立１００周年を迎えた同校が、甲子園開場１００周年の今大会で〝悲願の１勝〟。３回戦は大会第１０日に青森山田と対戦する。 ヒーローは試合後、いすに座っての取材対応となった。気温３５度を超える酷暑の中、石橋の入江は心身の疲労から右ふくらはぎがつり、六回終了後にはチームメートの肩を借りながらベンチに下がった。それでも１３５球、毎回の１１奪三振で公式戦初完封を飾った。 「最後は『一人で投げ切る』という気持ちだけで体を操りました。（患部が）痛いときもあったけど、自分の長所は笑顔。ピンチのときにいかに楽しんで野球ができるか。今は気持ち良い」 文武両道や地域貢献など戦力以外の要素を加味する「２１世紀枠」で出場した昨春の選抜大会では初戦で能代松陽（秋田）に０－３で零敗。同戦にも「４番・投手」で先発出場した入江は〝この日〟だけを夢見てきた。四回には先頭で左前打を放ち、記念すべき同校の甲子園初得点も記録。創立１００周年の年に甲子園初勝利を挙げ、「自分たちの代で石橋の歴史を作れて光栄」と胸を張った。 頑張れる理由はほかにもあった。同い年で慶応（神奈川）の加藤右悟主将、小宅雅己投手とは中学時代に所属した県央宇都宮ボーイズで一緒にプレーした。昨夏の甲子園の優勝メンバーでもある２人は栃木大会決勝のスタンドに駆け付けてくれた。また、開会式リハーサルでは優勝旗を返還した加藤主将がベルトを忘れたため、急きょ自分のものを貸した。「あいつらには負けていられない。（甲子園での戦績も）並べるように。今日しているのは貸したベルト。縁起がいいので、優勝できるんじゃないですかね」と冗談めかした。 県内屈指の進学校で、毎日授業は７限までで、野球部の平日練習は午後５時から７時まで。他部との共用グラウンドで左翼９０メートル、右翼６０メートルしか使用できず、守備練習が中心となる。そんな厳しい環境の中で、福田博之監督は「文武不岐（ぶんぶふき）」を掲げる。「野球の練習をすれば、勉強する体力がつき、勉強をすれば、グラウンドでの集中力が身に付く」との相互作用だ。

サンケイスポーツ-1時間前

第１０６回全国高校野球選手権大会第７日第２試合（１３日、石橋５－０聖和学園、甲子園）〝斎藤佑樹〟が６５６７日ぶりに夏の甲子園のマウンドに上がった。２００６年８月２１日の駒大苫小牧との決勝再試合に投げ勝った早実・斎藤佑樹と同姓同名の聖和学園・斎藤（３年）は４回４失点で降板も、「楽しく投げられた。野球はこれで終わりにするつもり」と話した。 ２００７年３月７日生まれ。母・理恵さん（４９）は「〝樹〟を入れたかったのと、字画にこだわった結果。名付けた当初に友人に『狙ったの？』と言われて、初めて気付いたぐらい」と振り返る。斎藤本人も「プレッシャーになることもあったけど、これから先の人生でもうこんなに注目されることはないと思うので、いい経験になりました」と笑った。 試合後にはテレビ朝日系列「熱闘甲子園」でキャスターを務める〝本家〟の取材を受け、「佑樹の名のように、人を助けられる優しい人間になりたい」と未来を見据えた。（東山貴実）

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