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第１０６回全国高校野球選手権大会は７日に甲子園球場で開幕する。金足農（秋田）が５日、兵庫・伊丹市の伊丹スポーツセンターで練習を行い、２０１８年夏に同校を準優勝に導いたオリックス・吉田輝星投手（２３）の弟、大輝（たいき）投手（２年）が投球練習を行った。第３日の第２試合で対戦する西日本短大付（福岡）戦に向けて「話題性もあるチームなので負けたくない」と闘志を燃やした。 甲子園開幕を目前に控え、金足農のエース吉田大輝は本格的な投球練習を行った。「パーン」という捕球音が鳴り響いた直球やカーブ、スライダーなど持ち球の全てを使い、５０球を投げ込んだ。 「一番は真っすぐの質を上げていくこと。そしてフォームの確認に焦点を当てた」 テーマを持って臨んだブルペン投球。捕手に球筋について意見を求める姿もあり、最速１４６キロ右腕は「大阪に入ってから一番いい感覚だった。ばっちりできた」と満足げに汗を拭った。 ４日に組み合わせ抽選会が行われ、第３日の第２試合で西日本短大付との対戦が決まった。大輝は「正直、大阪桐蔭あたりを狙っていた。ただ勝ち上がればやれるのでまずは初戦を大事にしたい」。３年ぶり７度目の出場の西日本短大付は、県大会７試合で５８得点の攻撃力が持ち味。日本ハム・新庄監督の母校としても話題になった。「記事を見て知った。話題性もあるチームなので負けたくない」と気合十分に話した。 金足農は６年ぶり７度目の出場。６年前は兄、輝星が「金農旋風」を巻き起こしたが、決勝で大阪桐蔭に敗れた。当時はスタンドで声援を送っていた大輝は「できれば見にきてほしい」と兄の観戦を熱望した。「自分がゼロに抑えれば負けることはないので、そこに向けて集中していきたい」。兄が果たせなかった全国制覇に向けて、弟の投球が大観衆を沸かせる。（児嶋基） ■吉田　大輝（よしだ・たいき） ２００７（平成１９）年４月２３日生まれ、１７歳。秋田・潟上市出身。小学２年時に天王ヴィクトリーズで野球を始める。天王中野球部と硬式チームのネオグリッターズの両方に所属し、金足農高へ進学。持ち球は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。憧れの選手は兄のオリックス・吉田輝星。１７８センチ、８５キロ。右投げ右打ち。

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オリックス・吉田輝星投手（２３）が５日、６年ぶりに夏の甲子園（７日開幕）に出場する母校・金足農（秋田）の初戦（９日）を現地応援するための条件を自ら定めた。同校には２年生エースの弟・大輝がいるが、２試合連続で失点中の右腕は「次のカードを死ぬ気で抑えて（応援に）いきたい」と６日からの西武３連戦（京セラ）で好投することができた場合のみ観戦すると宣言。６年前に〝金農旋風〟を巻き起こしたスターが、先輩としてプロの舞台で意地を見せる。 ふがいない成績のまま後輩たちを聖地で応援することなんかできない。ビシッと抑えて先輩の意地と威厳を示す。吉田は母校を現地で応援するための条件を自ら設定した。 「エスコン（での登板）から失点が続いているので、次のカードを死ぬ気で抑えて。抑えたら（応援に）いきたい」 ４日に夏の甲子園の組み合わせ抽選会が行われ、母校の金足農は９日の第２試合で西日本短大付との対戦が決定。午前１０時３５分開始予定で、オリックスは千葉への移動日のため、現地観戦することが可能な日程だ。 ただ、吉田は１日の日本ハム戦（エスコン）から２試合連続失点と背信投球が続く。このままの状態なら甲子園に応援に行ける余裕も暇もない。「次のカードの僕の成績次第。（駄目だったら）休みの日も練習してから移動します」。６日からの西武３連戦で好投できたあかつきには、かねてからの「夢だった」という甲子園観戦を自分への〝ご褒美〟にするつもりだ。 弟でエースの大輝が引っ張る母校の存在が何よりの活力だ。「刺激にもなるし、自分の野球人生にプラスになる」。吉田自身は６年前の第１００回大会でエースとして秋田大会から１０試合連続完投勝利の活躍で準Ｖに貢献。〝金農旋風〟と呼ばれ、社会現象を起こした。今回、後輩たちが当時を上回る成績を残してくれると信じ、学校名がプリントされたＴシャツ約６０枚をプレゼントした。 「高校野球はプロと雰囲気も違う。そういうところでもう一回（高校球児だった時の気持ちを）思い出さなきゃいけない」 ひたむきに、がむしゃらに、そして野球を心から楽しんでいた〝初心〟を呼び起こす。結果を残し、聖地で死ぬ気で応援する。（織原祥平）

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