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第１０６回全国高校野球選手権大会大阪大会（１３日、近大付８×―１和泉＝七回コールド、久宝寺）「近大ブルー」のタオルが揺れる。試合後、スタンドの部員や保護者、ＯＢへあいさつしたナイン。主将の山西朝陽（３年）が見せた笑顔の中には、安堵（あんど）の感情が混じっていた。 「初戦勝つのは当たり前だと思うが、夏の初戦は本当に難しい。しっかり勝ち切れてよかった」 初回、先頭の山西が右前へ安打を放ち、攻撃の口火を切ると、相手のエラーも絡んで２点を先制。試合の主導権を握り、七回に一挙４点を奪って、サヨナラでコールド勝ちを決めた。 全員野球で６年ぶりの夏の聖地を目指す。南大阪代表として出場した１８年は大石晨慈（しんじ、２３＝東邦ガス）という絶対的エースがいたが、「今は目立った選手はいない」と藤本博国監督（５４）は口にする。１年生が５人ベンチ入りし、この日のメンバー表には２人が名を連ねた。監督が〝最高のリーダー〟と評価する主将は「思い切ってやってほしい。１年生とは思えない力を持っている」とエールを送る。今年のチームスローガンは「束」。個々の能力は突出していないが、１人１人がつなぐ野球に徹することで勝利に近づく。 昨秋、今春と府大会で大阪桐蔭に敗れ、この夏にかける思いは強い。「どんな形でも最後に大阪桐蔭に勝って、甲子園に行く」。春夏合わせて１２度の出場を誇り、１９９０年春には全国制覇を果たした強豪復活へ。どこよりも長い夏にする。（萩原翔）

サンケイスポーツ-5時間前

◇１３日　全国高校野球選手権岐阜大会１回戦　関商工１―０池田（長良川） 　東邦（愛知）と大垣日大で甲子園通算４０勝を挙げている阪口慶三さん（８０）が今春から特別顧問として指導する関商工が完封発進。先発の内田颯希とエース左腕・島拓夢の両投手（ともに３年）が好投リレーした。 　３年生の完封リレーで守り勝った。関商工の先発・内田は７回１死まで圧巻の完全投球を披露。８回に２死満塁のピンチをつくって降板したものの、後を受けた背番号１の島が１点を守り切って夏の１勝を手にした。内田は「８回の降板は悔しい。島が抑えてくれて、初戦を突破できてよかった」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。 　７回１死で死球を与えるまではパーフェクト、８回に二塁打を浴びるまでは無安打投球だった。「春は初回に力んでしまった」という反省を生かし、立ち上がりからストライク先行で丁寧に投げた。江崎大輔監督（４２）は「５回までもってくれたらいいと思っていたが」。うれしい誤算で８回途中までマウンドを守った。 　今春特別顧問に就任した阪口さんは、体調不良のため自宅のテレビで観戦した。熱血指導を受けた内田は「おじいちゃんのように大好きな存在。いい報告をしたいと思った」と投球にも力が入った。５月中旬に投球フォームを崩した際は、阪口さんの勧めで今春解禁された２段モーションを導入。左脚を上下させることで球に体重を乗せられるようになった。 　疲れから８回にピンチを招くと、今大会で初めてエースナンバーを背負う島が３球三振で火消し。スタメン５人が下級生という若いチームながら、３年生２人の好投が勝利を呼んだ。 　「絶対に甲子園へ行く」と内田。”阪口野球”で進化した関商工ナインが、２０１１年以来、１３年ぶりの夏の頂点を目指す。

中日スポーツ-5時間前