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＜全国高校野球選手権：広陵2－1熊本工＞◇12日◇2回戦 　広陵の高尾響投手、只石貫太捕手と同じくレギュラーとして4度目の甲子園に出場する浜本遥大外野手（いずれも3年）が値千金の決勝打を放った。 　0－1の7回1死二、三塁から打席が回った。「最低外野フライ、いい形になればヒットで逆転という考えで打席に入りました」。好投を続けた熊本工・山本のスライダーを右方向に運び、逆転の2点適時打。「ホッとして、うれしかったです」とチームを救った。

日刊スポーツ-7分前

第１０６回全国高校野球選手権大会第６日第１試合（１２日、熊本工１－２広陵、甲子園）今夏も聖地に帰ってきた広陵・高尾が、観客の視線を一身に集めた。１失点完投勝利。九回、一打逆転サヨナラ負けの場面で連続三振を奪い、右腕は右こぶしを握った。 「これまでの甲子園で１点の厳しさを学んだ。絶対にバットに当てさせない気持ちで投げた」 春夏通算８度目の甲子園のマウンドだった。昨春は準決勝で先発し１―１の九回に４失点。昨夏は慶応との３回戦で延長十回に３失点し、今春は２回戦で延長十回サヨナラ負けを喫していた。 １点リードの場面で夏２３度の出場を誇る熊本工に粘られた。遊失と安打、犠打で１死二、三塁のピンチを背負うと「一番フルでいく気持ちで」とギアを上げた。山口悠にはこの日最速１４６キロの直球を内角に投げ込み見逃し三振。代打山口光には外角低めのスプリットで三球三振に斬った。 １０日、高尾家の５人兄弟の長男、陸さん一家に第３子となる女児が誕生。この日の試合後に知ったエースは「うれしいです。めいっ子のためにも、しっかり勝っていきたい」と笑みをこぼした。正月に福岡に帰省した際には２歳のおいっ子が高尾のまねをするなど、子供たちにとってスター的存在。甲子園で躍動する〝おじさん〟の姿をテレビを通して届けた。 歴代７位タイとなる甲子園通算４０勝目を挙げた中井監督は「ぶち、うれしいですね」と笑顔を見せた。広陵高コーチ時代には金本知憲（元阪神監督）らを指導し、監督としては有原航平（ソフトバンク）、佐野恵太（ＤｅＮＡ）らを育てた名将は高尾について「（球の）切れや回転数が普通の高校生と違う。（ＯＢで広島の）野村（祐輔）みたいなクレバーさがある」と評価している。 春に３度の優勝経験があるが、夏は決勝で４度敗れ、栄冠には届いていない。１年春から背番号１を背負う高尾は「ずっと『夏に日本一』を（目標に）掲げて、一戦必勝でやると決めている」と意気込む。１６日の３回戦の相手は東海大相模。最後の夏に真のエースとなり、深紅の大優勝旗を持ち帰る。（萩原翔） ■高尾　響（たかお・ひびき）　２００６（平成１８）年５月２２日生まれ、１８歳。福岡・粕屋町出身。粕屋中央小１年時に軟式野球を始め、粕屋東中で硬式の飯塚ライジングスターボーイズに所属。広陵では１年春から背番号１でベンチ入り。甲子園には２年春から４季連続出場。最速１４８キロ。１７３センチ、７４キロ。右投げ右打ち。

サンケイスポーツ-15分前