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第106回全国高校野球選手権岡山大会第5日は17日、倉敷マスカットスタジアムなど3球場で2回戦8試合があり、今春のセンバツに出場した創志学園などが3回戦に駒を進めた。 　創志学園は右腕中野が倉敷工を2安打完封し、一回に挙げた1点を守り抜いた。城東は主将伴が全5打席で安打を放つ活躍を見せ、学芸館のエース沖田は8回3安打無失点と好投。津山商が2―1で古城池に競り勝ち、12年ぶりに2回戦を突破した。今春の県大会を制した倉敷商は玉島商を4―2で振り切った。 　第6日の18日は3球場で2回戦の残り6試合があり、16強が出そろう。 　▽2回戦 倉敷工 000000000｜0 10000000×｜1 創志学園 　【評】創志学園は一回1死から角戸の投前バント安打、賀陽の中前打で一、三塁とし、併殺崩れの間に先制。右腕中野が球威を武器に2安打完封し、1点を守り抜いた。 　倉敷工は2年生右腕の陶山が丁寧に打たせて取り、最少失点で投げ抜いたが、二回以降、打線が無安打に封じられた。 興譲館 000110000｜2 10102100×｜5 関西 ▽二塁打　吉浦、森本、望月、坂枝▽暴投　山本 　【評】関西は2―2とされた直後の五回、坂枝の右犠飛と伊勢田の右前適時打で2点を勝ち越し。六回にも1点を加えた。先発山本は7回を2失点にまとめ、救援の原田が無失点で締めた。 　興譲館は林と堀内の適時打で追い付いたが、六回以降は1安打に抑えられた。 城東 001301000｜5 000000000｜0 興陽 ▽三塁打　冨田▽二塁打　伴、高原▽暴投　高橋 　【評】城東は国定、岡部、那須の3投手で無失点リレー。打線は三回、伴、高原の連続二塁打で先制。四回は2死満塁から伴の右前適時打に敵失が絡み、3点を加えて突き放した。 　興陽はエース高橋が168球の熱投も、打線がつながらず援護できなかった。 倉敷南 00000000｜0 51000001x｜7 翠松 （八回コールド） ▽二塁打　原田▽捕逸　山形▽暴投　柚木2、小野 　【評】翠松が序盤で主導権を握った。一回、四球や敵失を絡め、石盛、亀鷹の連続適時打や小野の2点打など打者10人で一挙5点を奪った。投げては小野、宮井が無失点でつないだ。 　倉敷南は先発柚木が三回以降は粘り強く投げただけに、反撃したかった。 就実 000000000｜0 00040100×｜5 学芸館 ▽二塁打　沖田 　【評】学芸館が2桁安打で快勝した。四回、小田、沖田、古謝の3連続短長打や繁光の2点適時打などで4点を先制。六回は高安の犠飛で加点した。主戦沖田は8回を散発3安打無四球の好投。 　就実は小西が2安打。四回2死二、三塁の先制機をものにしたかった。 古城池 000000100｜1 00010001×｜2 津山商 ▽二塁打　河月▽暴投　藤本 　【評】3安打の津山商が競り勝った。同点の八回1死三塁から河月が右犠飛を放ち、これが決勝点。継投策がはまり、岡田は6回1/3を被安打1無四球1失点、庄司は2回2/3を無安打に封じた。 　古城池は先発尾崎が八回途中まで2失点、打っても七回に同点打と奮闘した。 津山高専 000000｜0 001054x｜10 美作 （六回コールド） ▽妨害出塁　内野（楢村）▽暴投　勇 　【評】美作が11安打10得点。三回に山田の適時打で先制し、五回は一挙5得点。1死満塁から皆木の2点適時打や鈴鹿のスクイズ、代打横山弥の2点打で大勢を決めた。岡田、広瀬の継投で三塁を踏ませなかった。 　津山高専は二回に末平、三宅の連打で好機をつくったが、その後は打線が沈黙。 玉島商 000000002｜2 10020001×｜4 倉敷商 　【評】倉敷商は主戦和田虎が2失点完投。失策や四球で招いた九回無死満塁は、二つの内野ゴロによる2点でしのいだ。打線は毎回走者を出しながら12残塁と攻めあぐねたが、佐々岡が4安打2打点と勝負強かった。 　無失策の玉島商は遊撃小野らが好守を連発。粘投の永富をもり立てた。

山陽新聞デジタル-59分前

（17日、第106回全国高校野球選手権岡山大会2回戦　玉島商2―4倉敷商） 　「投げたいです」。3点を追う六回表、代打が準備するのを見た玉島商先発の永富春（あずま）（3年）は、須田考一部長にそう伝えた。須田部長は体調不良の行成貴由監督に代わり、急きょ監督を務めていた。最後の夏、エースとしてマウンドを譲りたくなかった。 　初戦の東岡山工戦では2失点で完投勝利。この日の相手は、春の岡山県大会を制し、中国大会でも準優勝した強豪倉敷商。甘い球を見逃さない相手打線の圧力に、持ち味の右横手投げからコーナーをつく投球がうまくいかない。一回に押し出し四球で1失点。四回には、気持ちの焦りからコントロールが定まらず2点を失った。それでも、信頼する野手陣が好守でもり立ててくれ、11安打を許しながらも4失点に食い止めた。 　「行成先生ともう1回試合を」と仲間と誓ったが、かなわなかった。それでも、「自分なりに頑張れた」。2試合で274球を投げ抜いたエースは前を向いた。（勝亦邦夫）

朝日新聞デジタル-1時間前