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第106回全国高校野球選手権兵庫大会の開会式が6月30日、明石トーカロ球場で開かれた。試合は7月6日からで、157校、152チームの熱戦が繰り広げられる。 　開会式でスタンドからひときわ大きい拍手を浴びたのは、選手宣誓をした県伊丹の保田聖翔（せいと）主将だった。 　■「30年前、ここ兵庫を襲った阪神・淡路大震災。計り知れない不安と困難を、私たちの先輩は味わいました。しかし、その困難の中でも、『がんばろう神戸』を合言葉に、高校野球の伝統は紡がれてきました」 　保田主将は、小さい頃から震災の話を聞いてきた。「震災については絶対に外せないと思いました」という。 　■「私たちも新型コロナウイルスによって、甲子園への道を断たれた先輩の姿を目の当たりにしました。その行き場のない悔しさを受け継いだ私たちは、仲間と困難を乗り越え、今日、この舞台に立っています」 　保田主将の兄は、2020年に高校3年生で捕手をしていた。だが、全国選手権大会が中止となり、悔しがる兄の姿を見た。自身が高校1年の夏、コロナに感染して試合に出られなかった先輩の姿も見てきた。 　最後はこう結んだ。 　■「家族、仲間、先生、先輩の思いをつなぎ、全員野球で一投一打にかけて戦うことを誓います」 　選手宣誓の後、保田主将は「あまり緊張はせず、しっかりとやるべきことをやろうと臨んだ。伝えたいことを伝えることができたと思います」と笑みを浮かべた。将来の夢は警察官で、「選手宣誓をさせてもらい、これから社会に出ていくうえで、役に立つと感じています」と振り返った。 　県伊丹は、14日の初戦で県尼崎と対戦する。「あとは自分たちの力を出し切るだけです」と気持ちを切り替えた。（森直由） ■開会式を盛り上げた滝川二の吹奏楽部 　滝川二の吹奏楽部員109人が開会式を盛り上げた。 　マーチングの振り付けを採り入れた「Spring Lady bird」や「フライングゲット」などを演奏した。期末テスト前の1週間という忙しい時期だったが、1日1時間、合同練習を行い音を合わせたという。トランペットを吹いた森下小夏さん（3年）は「選手のかっこいい行進の姿が見られました。試合では精いっぱい頑張ってほしいです」と話した。（原野百々恵） ■「選手の気持ちを込めて」高校生が司会進行 　開会式の司会は、東播磨の岡田一樹さん（3年）と長田の下里沙弥さん（同）が務めた。ゆっくりとはきはきした口調で式を進めた。 　この日は開会式の3時間ほど前に球場入りした。雨よけの透明ポリ袋がついたマイクでの発声練習や原稿の確認をした。開会式後、下里さんは「選手が一番引き立つような読みを意識しました。緊張したけど楽しかったです」。岡田さんは「これまで頑張ってきた選手の気持ちを込めて精いっぱい声を響かせました」と笑った。 　閉会式の司会は、龍野の久保田ひかりさん（同）と長田の鈴木心愛さん（同）が務める。4人は、6月に開かれたNHK杯全国高校放送コンテスト県大会のアナウンス部門で上位入賞した。（原野百々恵） ■兵庫大会審判委員・公式記録委員のみなさん 　【審判委員】宅間寛、吉岡浩伸、美野正則、岸敏幸、金丸雄一、川西良和、橘公政、竹田英敏、大上博紀、姫田真吾、濱田正二、辻川貴志、亀井健吾、伊東正晴、榎田健一、山本昌弘、大田博昭、中嶋健二、三宅達士、本田久信、若林浩、江夏透、藤田博幸、内海清、大井秀太、境裕輔、山田和伸、上山裕輝、高細則行、前中信孝、梶井将、大良誠志、大鹿元也、田中亮輔、中西郁夫、上松篤史、佐々田洋平、仲村幸介、村上真空、大島健太朗、末永三喜、吉高慎二郎、大路翔矢、佐野文俊、袴田大輔、日高基博、野瀬康祐、由川満治、村上和幸、長岡正樹、桑村久和、上久保一、久保忠之、松田真悟、松村隆司、成川昂佑、武田雅大、山本飛雄馬、藤田祐生、本間和也、志賀勝、前中悠汰、西馬一平、武居実、河原禎彦、武居修大、中尾信太郎、牛尾健、寺岡和賢、吉田昭、藤井幸伸、岡田学、告野浩通、山口将行、岡田子路、西野潤、佐野和正、脚田昌宏、平岩涼、森口真州、大矢博幸、田中直毅、長谷川雄也、西隆司、光岡祐貴、岸本拓也、山﨑信宏、木澤伸、藤田大、朝田祥太、長谷川遥輝、玉田哲義、西岡卓磨、大山翔矢、原田悠生、興津紋斗、由田樹輝、祐谷博行、花尾睦明、北村信樹、林秀憲、釣史敏、浜田敏秀、山下広人、石谷健、中尾祥太、井手博司、前田晃佑、植原聖也、扇孝幸、永井幸太、吉田政明、藤井大実生、城下武士、井上太一、藤岡晃基、山口真広、松田琉聖、橋本遥希、山本好成、野島悠斗 　【公式記録委員】中村哲夫、平野里香、前田実智雄、宮嶋光男、築山光男、横山和史、籾谷宏、上野謙輔、小原のぞみ、吉田正信、尼ケ塚里菜、小林均、樽本和夫、岸昭夫、桑原堅、酒井宏行、大野喜宏、稲留雅文、西垣真奈、長野天音、三浦正明、釣田莉央菜、佐伯友実、猪澤風音、井口歩華、堂本芽依、瀬澤あかね、川田鈴菜、西川陽菜、中川京香、田井ひより、中村昇、砂村優衣、佐伯茉帆、奥本千世、角百々果、熊谷彩空、佐藤綾、工藤結希

朝日新聞デジタル-4時間前

高校野球・練習試合（２９日、大阪・龍間ぐりーんふぃーるど）選抜大会８強の大阪桐蔭が選抜大会に出場した創志学園（岡山）と練習試合を行い、７－１で勝利した。 大阪桐蔭は１点を追う三回、１死二、三塁から畠中健太外野手（２年）の内野ゴロの間に同点とした。五回１死満塁で徳丸快晴外野手（３年）が右前に適時打を放って２－１と勝ち越すと、七回２死二、三塁では徳丸の２点適時打で４－１と点差を広げた。八回にも境の適時打などで３点を奪ってダメ押し。エース平嶋桂知投手（３年）は八回から登板して２回を１安打、１死球、３奪三振でゼロに抑えた。 門馬敬治監督（５４）率いる強豪を相手に、７月に控える大阪大会に向けて弾みをつける勝利。２年ぶり夏の甲子園出場を目指す西谷浩一監督（５４）は「秋の神宮大会も勝てなかったし、選抜も力不足なところが出た。これ以上負けたくないという気持ちが強くなっている。去年の夏に勝ち抜けなかった。いろんな悔しさを持っている。それをぶつけたい。日本一になりたい。その一念で毎日やっている」と話した。

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