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第１０６回全国高校野球選手権大会第４日第１試合（１０日、甲子園）１回戦４試合が行われ、史上最多の夏通算１００試合目となった中京大中京（愛知）が宮崎商を４―３で下した。主将の杉浦正悦捕手（３年）が七回に同点打を放ち、逆転勝ちに貢献。神村学園（鹿児島）は木更津総合（千葉）に８－５で勝利。今岡拓夢内野手（２年）が七回に勝ち越し三塁打をマークした。岡山学芸館は聖カタリナ学園（愛媛）に１－０、掛川西（静岡）が日本航空（山梨）に８－４でそれぞれ勝った。朝夕２部制は９日で終了し、この日から通常開催。大会本部は今大会で初めて「入場券完売通知」を出した。 聖地よりも１年長い１０１年の歴史を持つ中京大中京が、夏通算１００試合目を勝利で飾った。積極的な走塁で先制のホームを踏み、七回には同点打を放った主将の杉浦は整えた短髪とともに、爽やかに汗をぬぐった。 「『中京プライド』を持って、応援の力もあって勝利することができた」 ０－０の四回。先頭から安打で出塁すると内野ゴロで二塁に進み、６番村上への３球目で三盗。捕手の悪送球も重なり、一気に生還した。「２球投げたときに首振りが１回だったので、これはいける」と、投手の癖を盗んで自信をもってスタートを切った。 積極走塁の裏には今春から臨時コーチを務める元中日・荒木雅博氏の指導があった。通算３７８盗塁を記録したレジェンドから週に２度ほど指導され、リードの仕方などを学んだ。「走塁の意識が高くなって、走塁から相手を崩していく野球もできるようになった」と攻撃の幅の広がりを実感。今大会前には「君たちなら大丈夫」とエールをもらい「安心されてくれた」と杉浦は感謝する。スタンドで観戦した荒木コーチにも届けた１勝でもあった。 １９２３年の創立と同時に野球部が誕生した。節目の試合で９年ぶりの夏勝利を挙げ、全国最多を更新する通算７９勝目（２１敗）。４番を担う杉浦は歴史を感じながらも、未来を見据えた。 「ここまでつないでくれたＯＢに感謝して、また自分たちの代からいい中京大中京を伝えて、新たな１００年に向けてやっていけたら」

サンケイスポーツ-1時間前

第106回全国高校野球選手権大会は連日猛暑に見舞われ、例年以上に、足がつって交代する選手が続出している。そんな中、大会第4日の10日、第3試合で初戦を突破した岡山学芸館の佐藤貴博監督は「ウチは今日の試合もですが、岡山大会の全6試合を含め、この夏は足がつった選手が1人もいません」と胸を張る。「ごく一般的に言われていることだけでは、この暑さには対応できません」と“選手に足をつらせない”秘訣の一端を明かした。 　この日も比較的涼しい午前8時2分開始の第1試合から、足をつって悔しい思いをする主力選手がいた。宮崎商は中京大中京（愛知）を3-2とリードして7回の守備を迎えたが、遊撃手の中村奈一輝内野手（3年）はダイビングキャッチを試みた際、両足がつってしまった。治療を施した上で遊撃手として出場を続けたが、本来であれば“守護神”として試合終盤にマウンドへ上がるはずの中村が、足の状態の影響で登板できず。チームは逆転負けを喫した。暑さが勝敗に大きく影響した格好だ。 　午前10時57分開始の第2試合でも、木更津総合（千葉）が1点リードして7回の守りを迎えたが、先発の千葉雄斗投手（3年）の足がつり、イニング途中に降板して逆転負けにつながった。さらに相手の神村学園（鹿児島）でも、プロ注目の4番・正林輝大外野手（3年）の両足がつり、9回の守備に就かずベンチへ下がった。正林は今春の選抜大会期間中、わずか3本しか出なかった本塁打のうち1本を打った長距離砲である。 　今大会は暑さ対策として、開幕した7日から第3日の9日まで、「朝夕2部制」が試験的に導入され、1日3試合で最も気温の上昇する時間帯を避けて開催されてきた。しかし、10日からは1日4試合の“通常運転”。最も暑い午後2時8分開始の第3試合で、聖カタリナ（愛媛）に1-0で競り勝った岡山学芸館が「この夏、誰も足がつっていない」というのは、注目すべき現象かもしれない。

Full-Count-1時間前