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高校野球の発展と選手育成に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する「育成功労賞」に、対馬や長崎西などで監督を務めた松尾健司さん（60）が選ばれた。第106回全国高校野球選手権長崎大会（長崎県高野連・朝日新聞社主催）が開幕する13日に県営野球場で表彰される。 　松尾さんは2回の対馬勤務を含めて多くの学校で教壇に立ち、責任教師や監督を務めた。2009年から3年間は長崎県高野連の長崎地区の副理事長となり、高校野球の発展に尽力。現在は大村で副部長を務める。 　一番の思い出は長崎西の監督時代の1997年。完成したばかりの県営野球場で8強まで勝ち進んだ。「まとまりの良いチームだった」と振り返る。 　その時の主将で、現在は北九州市立大学の准教授の山本浩二さん（45）は「ポジションに入って動きながら、教えてくれる。寄り添ってくれる監督だった」と振り返る。試合の際には、「挑戦者なんだから、一生懸命やりなさい」とよく言われた。 　学業の成績にも目を配り、下がると注意されることもあった。「社会人になるのには、部活動と勉強の両立こそが大切だ」と熱っぽく諭してくれたという。 　松尾さんは「野球を通じて、生徒の人間力を磨きたい」と考えて指導を続けてきた。きびきびした動きや、人に信頼されるような行動を生徒に呼びかけてきたという。 　松尾さんを慕って、かつての選手たちが盆や正月に集まる。野球を続けている教え子も多い。近況を聞き「みんな、いろいろ考えて生きているな」と実感するのが生きがいという。（天野光一） ■朝日・NCC球育賞 　朝日新聞社とNCC長崎文化放送が贈る「朝日・NCC球育賞」。今年は海星高校野球部副部長の光岡剛広さん(65)と、審判の近藤浩義さん(63)が選ばれた。 ■海星　光岡剛広さん 　光岡剛広さんは大学を出て44年、海星に勤務してきた。野球部に関わるようになったのは20年前から。ほとんどの期間を部長として過ごした。現在は副部長。 　「生きがいは甲子園ですね」と話す。外野席までびっしり埋まった球場に立つ感覚がたまらない。春夏計５回、至福の時を過ごした。 　週末は学校から17キロ離れた野球部グラウンド内の施設に泊まり込む。施設内には、選手たちのためにトレーニングの本や過去の試合記録などを置いている。「練習の参考にしてくれれば」という配慮だ。「私は監督のサポート役」と生徒の様子を黙って見守ることにしている。 　長い勤務で、毎年来てくれる他県の練習相手ができたのがうれしい。 　例えばバットやグラブを置くときにきれいに並べる学校がある。そういう時は見習うように部員に声をかける。「自分たちがやっていないことを学ぶ機会をつくりたいですね」と話す。（天野光一） ■審判　近藤浩義さん 　近藤浩義さんは1978年、長崎商で主将を務め、ベスト８で涙をのんだ。就職後、職場の草野球の先輩の勧めで審判となり今年で40年目。「判定は一発勝負。自分のジャッジで試合が終わることもあり、何年やっても緊張する」と語る。 　審判の先輩から「審判が試合の流れを作る」と学んだ。正確な判定はもちろん、攻守交代でグラウンドに駆け出す選手には「頑張っていこう」と声かけ、コミュニケーションを欠かさない。 　野球中継を見ていても気になるのは選手よりも審判の動き。「試合展開に合わせて、どの位置に立てばプレーが一番よく見えるのか研究して、若手の審判に伝えている」という。 　夏の暑さに負けないよう毎日約2時間のウォーキングを続けてきた。 　「全力プレーの高校生からパワーをもらえる。けがなく健康第一で、練習の成果を存分に発揮して欲しい」と、球児にエールを送る。（榧場勇太） ■NCC長崎文化放送　応援サポーター　金澤澄蓮さん 　NCC長崎文化放送の番組で第106回全国高校野球選手権長崎大会（長崎県高校野球連盟、朝日新聞社主催）を盛り上げる「夏の高校野球応援サポーター」に、諫早高校2年の金澤澄蓮（すみれ）さん（16）が決まった。7月13日からの大会期間中、高校野球について伝える番組で球児にエールを送る。 　兄が野球部で、幼いころから白球を追う兄や仲間たちを応援してきた。試合開始前、選手たちが整列して一礼し、それぞれの守備位置につく時のきびきびとした動きを見ると、これから始まるドラマに「ゾクゾクする」という。 　自身は5歳のころからバレエを続け、最近は長崎市のPR動画に出演するなど活動の場を広げている。「舞台上で息の合った動きをするバレエと同じで、野球もチームワークを磨くのが大切。練習を重ね、たくさんの汗を流してきた選手のみなさんが、最高の『今』を楽しめるように応援したい」と話す。 　NCCスーパーJチャンネル長崎（月～金曜午後6時15分～）、スポ魂☆ながさき（月曜午後6時半～）、トコトンHappyサタデー（土曜午前9時半～）などに出演する予定。（野崎健太）

朝日新聞デジタル-4日前

第106回全国高校野球選手権長崎大会が13日開幕する。連合5チームを含む46チーム(55校)が、頂点をめざす。秋以降の3大会で頂点を争った長崎日大と海星の評価が高い。県高野連の役員らによると、好投手が多く上位を狙う実力を秘めた学校が多いのも今大会の特色という。 ■Ａブロック　長崎日大、ずば抜けた力 　森高　投手力や守備の堅さで長崎日大がずば抜けている。春と秋、NHK杯と頂点に立った。ここを倒す学校がどう出てくるか。 　岩永　長崎日大は西尾海純、三丸悠成、渡辺登の3投手が安定している。勝ちきるための勝負どころも良く知っている。他校は、低反発バットの導入で、長打の量産は難しいかもしれない。 　古賀　もう1校のシード、長崎総大付の増永伊吹もいいボールをテンポよく投げる。島原工や島原の投手もいい。 　米田　壱岐商の長岡拓実も安定感がある。連合チームだったのが、今回から単独出場となる。1年生が多い守備陣が長岡をどうもり立てるか。 ■Ｂブロック　九州文化学園、2枚看板 　米田　シードの九州文化学園は主戦の馬場航大と江頭勇武の２人を中心に連戦に臨むのではないか。夏に向けて攻撃力をどのくらい上げたのかがポイントになる。 　森高　シードの瓊浦は２年の投手、福留琉晟が力をつけてきた。その分、全体の投手力が上がっている。 　古賀　福留はＮＨＫ杯では軸になった。３年の矢野龍之の調子が良ければ投手陣は手堅い。 　藤本　このブロックは好投手が多い。壱岐の堤凛太郎、清峰の南和紀は速球が魅力。長崎南山の松田侑樹も馬力がある。どこの学校にもチャンスがあって、活躍する姿を見た子どもがあの学校で野球をやりたいと思ってくれればうれしい。 ■Ｃブロック　創成館、高い総合力注目 　古賀　創成館の総合力がかなり高い。去年も試合をしながら良くなっていった。NHK杯の中地区予選で長崎日大に勝っているし、優勝を狙えるチームだと思う。 　森高　波佐見、長崎西、大村工などもシード校をおびやかす存在。 　米田　甲子園に出場した経験がある学校が多い。古豪とか伝統校といった目線で見ると楽しみなチームが多い。 　岩永　長崎商は左投手で140キロ後半の最高球速を誇る野原英主をどの試合で使うのか、注目される。 　藤本　ここが一番激戦となる印象。創成館は長崎日大にも勝てるという空気があるでしょうから決勝に出ると楽しみ。 ■Ｄブロック　海星と大崎軸に展開か 　古賀　海星が抜けてきそう。球速140キロを超える選手が何人いることか。主戦の加茂恵は抑え気味に投げても球速130キロ中盤で、力を入れると140キロを超える。うまく、打者の気持ちをそらす投球もできる。陣内優翔は常に140キロを超える。 　森高　海星は3大会連続で進んだ決勝は、どれも紙一重で勝利を逃した。優勝の可能性はある。 　米田　大崎は投手を育てるのがうまい。守備力を高めて、どのように点を取らせない試合をつくるのか楽しみ。 　藤本　県立では長崎明誠の望月陽喜が粘り強い投球をするので注目。島原中央の投手の松野琉已はバッティングもいい。 ■座談会の出席者 県高野連理事長　藤本利治さん 県高野連副理事長　森高康信さん(長崎地区) 同　古賀仁さん(中地区) 同　米田一夫さん(佐世保地区) 県野球審判協会審判長　岩永聡さん

朝日新聞デジタル-5日前