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（27日、第106回全国高校野球選手権長崎大会準決勝　創成館3―1大崎） 　「なんとか自分のバットでチームに貢献したかった」 　3点を追う九回裏、1死走者なし。この日、安打のなかった大崎のエース、川口修生投手（3年）は打席に立った。狙っていた内角高めの直球を振り抜き、一塁にヘッドスライディングすると内野安打となった。 　「絶対に試合を終わらせない」。後続の適時打で生還し、意地の1点をもぎ取った。だが、最後の打者は三振に倒れた。昨年の準決勝で敗れた創成館に、今年も同じ1―3で敗れた。「相手の実力が上回っていた」。冷静に試合を振り返った。 　九回109球を投げきった。準々決勝では、シード校の海星を破り勢いに乗っていた鹿町工を被安打6で完封した。直球とカットボールを織り交ぜた投球と、決め球のスライダーを武器にエースの看板を背負ってきた。この日は中盤に交代の打診もあったが、「最後までいきたい」とマウンドに上がり、七回以降は追加点を許さなかった。 　投球をリードした主将の塚野勇太捕手（同）は「なかなか結果が出せないチームで、厳しい試合になることは分かっていた。川口投手は荒れることがなく、調子も良かったが、打たれる場面が多くなってしまった」と悔しそうに語った。清水央彦監督は「いいゲームだったと思う。最後まで粘り強く投げてくれた」と評価した。 　3年連続でベスト4での敗退。川口投手は「後輩にはベスト4の壁を破って甲子園に行ってほしい」と思いを託した。（榧場勇太）

朝日新聞デジタル-7時間前

第１０６回全国高校野球選手権長崎大会は２７日、長崎市の県営ビッグＮスタジアムで準決勝が行われる。勝ち残ってきたのは創成館、大崎、長崎総合科学大付のシード３校とノーシードの清峰。コロナ禍で実施された２０２０年県独自大会を含めて、創成館は３年連続、大崎は５年連続、清峰は７年ぶり、長崎総合科学大付は初の４強入りを果たした。第１、２シードの長崎日大と海星が準々決勝までに敗退するなど、例年以上に混戦となった今大会。甲子園まで、あと２勝。王手をかけるのはどのチームか。実力伯仲の２試合を展望する。 ◎第１試合　長総大付×清峰「エース対打線の勝負」 のエース南をどう攻略するか。どちらが早く先取点を取って主導権を握るかの勝負になってきそうだ。 　長崎総合科学大付は準々決勝の長崎日大戦で増永が３安打完封。制球が良く、大崩れする心配は少ない。打線はここまで３試合で１５得点。４打点の鹿目、５打点の大久保をはじめ、各打者のスイングは鋭い。きっかけさえつかめば、大量得点できる力がある。 　清峰は南の出来がポイント。打者の低めを突く最速１４４キロの直球を武器に、４試合３６回を１人で投げ抜いてきた。安定感は今大会ナンバーワンの右腕だ。疲労度を考慮して先発回避する可能性もあるだけに、山邊、江口らが軸の打線が早めに１点を積み重ねたい。 ◎◎第２試合　創成館×大崎「ロースコアの接戦か」 　昨夏の準決勝と同カード。その時は創成館が３－１で競り勝ち、そのまま甲子園切符を手にした。両校とも投手を中心にした守備が安定しているだけに、終盤までロースコアでもつれる展開が予想される。一つのミスが勝敗を左右しそうだ。 　大崎のチーム防御率０・６６は４チーム中１位。準々決勝は川口が鹿町工を６安打完封した。４併殺を記録したバックは隙がなく、打線も打率６割超の島内を筆頭に、樋口、塚野ら上位打線が振れている。３試合で１４犠打１３盗塁の堅実さと機動力を生かしていきたい。 　創成館は継投機がカギ。ここまで１２回２／３を投げて防御率０・７１の村田を軸に、右横手の奥田、左の藤井ら好投手をそろえている。打線は上向きで、長崎商との準々決勝は１２安打９得点。３安打３打点の上田をはじめ、向段、小森山ら主力が当たっているのは好材料だ。

長崎新聞-1日前