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第106回全国高校野球選手権長野大会は20日、準々決勝があり、公立2校が勝ち上がった。赤穂は長打攻勢で長野商を破り、1977年にあった第59回大会以来47年ぶりに、小諸商は松商学園の追い上げをかわし2年ぶりに、それぞれ4強入り。21日は全て私立勢同士の戦いとなり、甲子園初出場を狙う長野俊英などが登場する。 （20日、全国高校野球選手権長野大会準々決勝、赤穂9―1長野商） 　赤穂がおよそ半世紀ぶりの4強入りという快挙を成し遂げた瞬間、グラウンドの選手たち同様、スタンドも沸いた。10安打のうち7本が長打という攻撃力で長野商を圧倒した。 　1点リードの六回、2死二塁から2者連続の三塁打で2点を加え、七回も3長打を集めて4得点とたたみかけた。完投した背番号10の黒宮煌斗（2年）は、9回9奪三振1失点と隙を見せなかった。 　高重陽介監督は試合中、「相手の外野が徐々に前を守るようになってきた」と分析。「強く振るように」と声を掛け合うと、打球は外野を越し、長打攻勢につながった。 　赤穂に転機が訪れたのは2022年だ。前年の第103回大会で高遠を長野大会4強に導いた高重監督が赴任。その指導を仰ごうと、多くの選手たちが門をたたいた。 　準々決勝はチームで「まだ見ぬ景色を見よう」というテーマを掲げた。選手たちにとって夏4強入りは初。1960年夏以来、64年ぶりの甲子園出場まであと2勝とした。（高億翔、小山裕一） 　（20日、全国高校野球選手権長野大会準々決勝、小諸商6―5松商学園） 　小諸商が2年ぶりに4強へ進出した。小諸商の依田志龍（2年）が投じる直球は、勢いを失わなかった。四回裏からロングリリーフし、終盤は自己最速を更新する141キロを記録。松商学園打線を相手に5回超を1失点に抑えた。同校として初の甲子園出場に向け、調子を上げている。 　打っても貴重な勝ち越しの適時打を放ち、勝利の立役者になった。下半身で投げることを意識し、要所はスライダーでアクセントをつけた。依田は「今日の投球が自信になりました」と静かに語った。（高億翔）

朝日新聞デジタル-1日前

（20日、全国高校野球選手権長野大会準々決勝、赤穂9―1長野商）　 　ここで得点できなければコールド負けだ――。七回、その重圧下で長野商の4番、湯本佑大（3年）が役割を果たした。1死から内角に食い込む球を中前に運んで出塁すると、後続の長打で生還し、中軸の意地を見せた。 　右投げ左打ちの長距離砲。その原点は、少年野球の頃に負ったけがにある。 　小学3年で野球を始めた当初は「右投げ右打ち」だった。小6の頃、球を投げる時に肘（ひじ）が激しく痛んだ。重度の「野球肘」だと診断された。 　「好きで始めた野球だから、やめたくなかった」。利き手を変える決心をした。右肘に負担をかけないように、中学2年まで「左投げ左打ち」に挑戦。肘が回復した後、投げ方は中学2年で「右」に戻したが、打撃はそのままにした。 　途中から左打ちにした分、周りに追いつかないと、という思いが人よりも徹底的に振り込む理由になった。打撃が開花した。 　昨秋からのモットーは、「相手が嫌がるフルスイング」。終盤に出た2本の安打に、野球生活が詰まっていた。 　「後悔しないように出し切れた」と話し、涙をぬぐった。（高億翔）

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