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◇10日　第106回全国高校野球選手権大会1回戦　中京大中京（愛知）4―3宮崎商＝甲子園 　【中日OBで今春から中京大中京を臨時コーチとして指導する荒木雅博さん（46）＝本紙評論家＝が甲子園球場を訪れ、観戦記を寄せた】 　中京大中京の初戦をスタンドから観戦した。甲子園で観戦するのは中学生のとき以来。そのときは父にアルプス席へ連れて来てもらい、後に母校となる熊本工を応援した。相手は県岐阜商だった。久しぶりにスタンドに座り、この甲子園での試合を見られることにまず喜びを感じた。 　中京大中京の選手たちは、甲子園でも気持ち良さそうに動いていた。もっと堅くなるんじゃないかと思っていたが、今の高校生はあまり緊張しないんだなと意外な思いで見ていた。 　結果は1点差で中京大中京が勝利。敗れた宮崎商も、いい選手がいっぱいいて素晴らしいチームだった。どちらが勝ってもおかしくない、本当にいい試合だった。 　4月から週に2回教えていて、これまで技術的なことはあまり伝えていない。子どもたちと接して感じているのは、何かを吸収しようとする気持ちがすごく強いということ。そこであまりいろんなことを言ってしまって頭でっかちにしてはいけない。指導の難しいところであり、私も気をつけている点である。 　本来、選手を育てるのには時間がかかるもの。だが、高校生活は3年間しかない。その短い間に教え、チームをつくる監督、部長、コーチたちの苦労は周囲の想像を超えるものがあると思う。中京大中京の選手たちと関わるようになって4カ月余り。この間だけでも選手たちは野球が上手になっていると実感している。そして甲子園ですごく大きな1勝を手にした。監督、部長、コーチの取り組みがやっと実を結んだと思った。

中日スポーツ-16時間前

全国高校野球選手権大会に出場している広陵の3年国只醒永投手（17）は病気を乗り越え、初めて甲子園のベンチ入りをつかんだ。1年冬に指定難病の潰瘍性大腸炎を発症。投薬で症状を抑えてプレーしてきた。「周囲の協力がなければ、続けられなかった。感謝の気持ちでグラウンドに立ちたい」と意気込む。 　179センチ、72キロ。すらっとした体形から最速140キロに迫る直球とスライダーを投げ込む。甲子園入り後は、打撃投手を務め、12日の初戦の熊本工戦に備えている。 　体の異変を感じたのは1年半前。食べても体重が落ち続けて57キロに。貧血のような症状も続いた。病名が判明して以降は、揚げ物や辛い食べ物を避けるため、寮の食事は別メニューの提供を受けていた時期も。飲み薬で症状は改善し、体重も半年で元に戻った。 　広島大会はベンチ外だったが、背番号20を手にした。中井惇一部長（29）は「コツコツまじめに練習する選手。その努力が報われた」と話す。国只投手は「諦めずに頑張ってよかった」と恩返しの気持ちを胸に晴れ舞台に臨む。

中国新聞デジタル-1日前