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◆全国高校野球選手権福岡大会3回戦　福岡大大濠10―0（5回コールド）福岡工（6日・小郡市野球場） 　プロ注目の福岡大大濠のエース柴田獅子（れお、3年）が衝撃のスタートを切った。この夏初登板となった3回戦で5回参考ながらノーヒットノーランを達成。3回まではパーフェクト。4回2死から失策で走者を出したが制球が乱れることはなく、5奪三振、無四球で5回60球を投げきった。「1回を3人で抑えたのが良かった。直球メインでいきました。球速はあんまり考えていなかった」と言いながらもこの日は自己最速を3キロ更新する149キロをマーク。力のある直球にカーブなどの変化球も制球良く決まり、リズム良く打者を打ち取っていった。2回戦では背番号10の平川悠斗（3年）が7回2死までパーフェクトペースの好投を見せていただけに「平川を意識していました」とエースとして負けられない気持ちがあった。 　8人が集結した地元ソフトバンクをはじめ10球団のスカウトがスタンドに陣取り柴田に熱い視線を送った。「いい球を投げます。体のバランスがいいし制球力も安定している。もっと鍛えて上積みすれば将来プロで活躍できるのでは」とソフトバンクの永井智浩スカウト部長。広島の末永真史スカウトは「去年からびっくりするぐらい伸びています。ポテンシャルも高いし、きっちり調整できていました。これからも見ていきたい」と2人とも将来性を高く評価する。 　昨秋は福岡大会準決勝で東海大福岡に敗れ、春も準々決勝で九州国際大付に敗退。どちらもタイブレークの末の敗戦で柴田がマウンドにいた。「負けて成長できたと思う。春までは安打を1本打たれたら引きずってしまっていた。夏は自分がチームを背負って抑えられるようになりたい」と福岡大大濠のエースとして覚悟を持ってマウンドに立っている。八木啓伸監督も「人間的に成長してそれが野球に出てきた。エースの自覚と責任が芽生えて落ち着いて考えられるようになった」と柴田の成長を認めている。 　K－POPが好きで試合前に聴いているという18歳右腕はまだまだ成長中。打撃でも3安打2打点と好調で「二刀流」の活躍を目指す。「この大会で150キロを出すことと、本塁打をあと2本打って20本にしたい。それがチームの勝ちにつながると思うので」。柴田の右腕がこの夏をさらに熱くする。 （前田泰子）

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​　◆全国高校野球選手権福岡大会3回戦　福岡大若葉7―6（延長10回）九州産業（6日・小郡市野球場） 　福岡大若葉が春の福岡大会4強でシードの九州産業をタイブレークの末に延長10回で破り2年連続の4回戦進出を決めた。 　3点を追う展開から福岡大若葉が終盤に粘りを見せた。8回に3番池田凱（3年）の適時打などで3―3に追いつくとそのまま延長に突入。タイブレークになってもチームの勢いは止まらなかった。相手のバッテリーミスで1点を勝ち越し、無死二、三塁から1番水迫幸太（3年）の中前適時打で2点を追加。出塁した水迫は二盗、三盗を決め、相手捕手の三塁への送球がそれた間にホームへヘッドスライディング。この回4点目を挙げた。「夏の大会は無安打でみんなに迷惑をかけてきたので全力で打ちにいった。みんなが声をかけてくれたので力が出ました」と今大会初安打が値千金の適時打になった。さらに50メートル5秒9の自慢の足を使って、結果的に決勝点となる1点をもぎ取り「足に自信があるので。足でかき回すのが自分の仕事」と胸を張った。 　男女共学となり創部6年目の夏。最後はミスから1点差に追い上げられながらも逃げきった勝利に「ここまで力がついていたのかなと。頭が真っ白になりました」と選手の底力に土井誉仁監督の声も上ずる。女子ソフトボール部は上野由岐子ら名選手を輩出した名門だが、野球部は校内のグラウンドを使えないため、福岡大のグラウンドなど福岡市内の球場を借りてバスで移動して練習する。練習時間が短いため、練習はほとんどケース打撃などの実戦練習。打撃向上のためフリー打撃の時間を取ったこともあったが、選手から「振りが大きくなるし時間がもったいない」と反対意見が出て実戦練習のみに切り替えた。土井監督は「主体性を超えて当事者性です。選手がやる野球を目指しています」と選手の意見を尊重している。この試合の打順も自分たちで決めた。「前の日の練習、みんなで話すと10通りぐらい出て、その中から決めました」と水迫。練習では学年は関係なく意見を言い合っている。 　サッカー部が東福岡、東海大福岡を破り全国総体初出場を決めたことも大きな刺激になっている。サッカー部員とも仲が良く「サッカー部と野球部どっちも頑張ろうと話していたんです」と水迫は声を弾ませた。シード校を撃破し次に目指すのは野球部史上初の夏の大会5回戦進出。「同じ福岡大系列の福岡大大濠と対戦したい。福岡大付属といえば大濠なので、若葉もやるぞというところを見せたい」と水迫は準決勝で実現する兄弟校対決を目標に挙げた。 （前田泰子）

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