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第106回全国高校野球選手権11日目、神村学園（鹿児島）に敗れた岡山学芸館（岡山）の背番号11の右腕が、大きな自信を胸に甲子園をあとにした。 丹羽 知則投手（3年）は、5回途中から3番手として登板した。ピンチを背負った場面での登板で、いきなり適時打を浴びて、リードを広げられた。マウンドでは唇をかみしめていたが、6回からはわずか1安打に抑えて見せた。9回途中までの4.1回を投げ丹羽自身の失点は0。「非常に強い打線で、変化球を丁寧に投げることを心がけた」。神村学園の強力打線を相手に、追加点を許さない堂々の投球だった。 落差のあるフォークが印象に残った。三振を取りに行く球もあれば、カウントを取りに行くフォークもある。初球から投げることもあった。かなり自信を持っているのだろう。チームの夏甲子園初の2勝をもたらした2回戦の掛川西（静岡）戦で、9回6安打完封を見せた時も大きな武器となった。初戦の聖カタリナ（愛媛）戦ではリリーフで1回を投げて1安打無失点。振り返れば、甲子園3試合14.1回を投げて、1点も取られなかったことになる。防御率0.00のまま、甲子園を去った。 岡山大会でも失点はわずか1だった。3回戦でセンバツ出場の創志学園を破った立役者が、1失点完投の好投を見せた丹羽だった。この夏、丹羽はその時の1点しか失点を喫していないことになる。 182センチ、67キロと、まだまだ体の線は細い。これからの伸びしろしかない。ロッテの佐々木 朗希投手（大船渡高出身）のように、左足を大きくはねあげて投げるダイナミックなフォームも魅力だ。 次のステージでは「甲子園防御率0.00」の自信を胸に大きく飛躍してほしい。

高校野球ドットコム-23時間前

◇第106回全国高校野球選手権大会第11日3回戦　岡山学芸館1―7神村学園（2024年8月17日　甲子園） 　岡山学芸館は同校初の8強進出を目指したが、神村学園の猛打に阻まれた。 　岡山学芸館は1回戦で聖カタリナを1―0、2回戦は掛川西を2―0と岡山県勢初の2試合連続零封と勢いに乗って3回戦の神村学園戦に臨んだが、初回に先制を許すと、1―1の4回に4安打を集中されて2失点。5回は3安打に2四死球が絡んで4失点と相手の勢いを止められなかった。 　打線は2回に内野ゴロの間に追いついたが、その後は追加点を奪えず5安打で1得点止まり。2年生右腕・早瀬の前に本塁が遠かった。 　3番手で登板し、4回1/3を無失点に抑えた丹羽は、2回戦の掛川西戦で公式戦初完封。この日は相手打線の勢いを止められず「これ以上失点をしてしまうと負けに近づいてしまう。ここでしっかりとしのごうと思っていました。でも、神村学園さんの打線が粘り強くて簡単にはじき返された。上には上がいるのだな、と感じました。（試合を）楽しもうと思っていました。悔しいのひと言です」と振り返った。 　丹羽の5学年上の兄・淳平さんは、同校が甲子園初勝利を挙げた前回出場2019年に投手として2試合に先発。広島商との2回戦ではライナーが顔面に当たって左頬を骨折し、低反発金属製バット導入の契機になった。当時は中学1年生。腫れた顔を見て驚き、さらに観戦した作新学院との3回戦で衝撃を受けた。「5番・投手」で強行出場して安打。鳥肌が立った。そして、兄からの「甲子園は最高の舞台だよ」との言葉。進学先を選ぶ決め手になった。 　兄から「楽しめ」と言われてきた丹羽は「目指してきた場所なので楽しもうと思っていました。その思いは1、2回戦では体現できたかなと思います。ここでプレーできてよかったなと思いました。兄にああいうことがあったので（注目されたのは）兄のおかげかなとは思っています。兄を超える目標（8強入り）を持っていた中で終わってしまった。後輩にこの壁をぶち破ってほしいなと思います」と後輩に初の8強入りの夢を託した。

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