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（25日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会準々決勝　聖カタリナ8―1宇和島東） 　宇和島東の2年生エースが、攻守で好プレーを見せた。 　5点を追う五回裏。右翼手で先発した背番号1の菊沢敬飛（けいと）選手（2年）に、2死一、二塁のチャンスで打席がまわった。 　今大会は川口颯太（そうた）投手（2年）との二枚看板で勝ち上がってきた。初戦の2回戦は2人の零封リレーでコールド勝ち。松山聖陵との3回戦は、菊沢選手が完封勝利した。 　この日は疲労がたまっていた菊沢選手に代わって先発した川口投手が四、五回につかまり、5点を失っていた。 　「このままでは負ける。まず1点を返そう」。初球に狙っていた直球が来た。振り抜くと左前に落ち、二塁走者が生還した。 　七回裏の途中からマウンドに上がった。「打ち取って自分が盛り上げよう」。死球などで2死満塁のピンチを招いたが、最後の打者を直球で三振に仕留めた。 　八回裏1死二、三塁の場面でも、キレのあるスライダーで3、4番打者から連続三振を奪って切り抜けた。ただ、最後まで点差を埋められなかった。 　試合後、「3年生とより長く一緒に野球がしたいという気持ちで頑張ったんですけど、最後の最後で途中からの登板になってしまった。監督さんからの信頼がまだ足りなかったのが一番の悔いです」と、声を振り絞った。 　試合中は、捕手の高岡颯（はやて）選手（3年）から「いい球来てるぞ！」と励ましを受け、心を落ち着かせることができた。「今まで先輩に引っ張ってもらったので、今度は自分が背中を見せてチームを引っ張って、甲子園に行きたいです」と飛躍を誓った。（川村貴大）

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（23日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会　松山聖陵0―2宇和島東）　ともに甲子園出場の経験がある松山聖陵と宇和島東が、エース同士の息詰まる投手戦を繰り広げた。 　先発した松山聖陵の呉屋（ごや）龍星投手（3年）は、六回まで散発3安打、無失点と好投した。 　六回には左翼手の田中童夢（どうむ）選手（1年）が左前に落ちそうな飛球をダイビングキャッチするなど、仲間の好守備にも助けられた。 　同じく先発した宇和島東の菊沢敬飛（けいと）投手（2年）も、キレのあるスライダーを武器に六回まで被安打0の完璧な投球を見せた。 　六回には味方の失策がからんで1死一、三塁のピンチを迎えたが、二塁手の石丸琢磨選手（3年）がライナーを取り、すぐさま一塁に送球して飛び出していた走者をアウトにするダブルプレーにより、無失点で切り抜けた。 　試合が動いたのは七回裏。呉屋投手が先頭打者に中前打を浴び、「甘いところに入るのを恐れて力が入ってしまった」と、次打者に四球を与えた。 　犠打で1死二、三塁となり、4人目の打者には初球でツーランスクイズを仕掛けられた。 　「頭にはあったけど、初球だとは思っていなかった」。三塁走者に生還を許したが、内野陣の冷静なプレーで二塁走者を本塁で刺し、最少失点に抑えたところでマウンドを降りた。 　松山聖陵は継投後にも1点を失い、打線は完封された。荷川取（にかどり）秀明監督は「走者を出しながらも粘っこく投げてくれた」と、被安打4に抑えたエースをねぎらった。 　呉屋投手は「勝ち切らなければいけない試合だった。自分の情けなさが出てしまって、みんなには申し訳ない」と声を詰まらせた。（川村貴大）

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