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第106回全国高校野球選手権静岡大会は29日、静岡市駿河区の草薙球場で決勝を行い、掛川西が7－2で聖隷クリストファーを破り、1998年以来26年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。 　大石卓哉監督は「選手たちは本当に我慢強いと改めて感じた。これだけ多くの人に支えてもらい、感謝しかない」と涙があふれた。山下陸人主将は「自分たちの泥くさい野球を甲子園でも示し、一生懸命プレーしたい」と決意を語った。全国選手権は8月7日、甲子園球場で開幕する。 ■26年前の主将　母校を「聖地」へ　大石監督 　26年前の主将が指揮官となって、母校を聖地へと導いた。掛川西高の大石卓哉監督（44）は「正直、26年はあっという間に感じる。（主将の）山下（陸人）がユニホームを真っ黒にして、ひたむきにチームを引っ張る姿が自分自身に重なった」と感慨に浸った。 　高校時代は山下と同じ主将で遊撃手。「後輩にはプロに行く選手がいたけれど自分は野球がうまくなかった。それでも泥くさくやっていたら監督や仲間は見ていてくれた」。26年前も同じように記者に囲まれ、優勝インタビューを受けた。あの日の高揚感を思い出し、感極まった。 　10年前の静岡大会決勝では静岡高の副部長として母校に対峙（たいじ）した。勝利したのは静岡だったが、勝者にエールを送る掛川西ナインのすがすがしい姿を見て「いつになるか分からないが、母校のために力を注ぐことができれば本望だなと思った」。監督としては就任7年目で初の甲子園だが、静岡の部長、副部長として春夏通算5度の甲子園を経験した。「選手は夢の舞台にいろいろな思いで上がる。指導者はしっかり、地に足を着けて野球ができるようにしてやりたい」と語った。

あなたの静岡新聞-43分前

◆第１０６回全国高校野球選手権静岡大会▽決勝　掛川西７―２聖隷クリストファー（２９日、草薙球場） 　夢の甲子園に届かず、聖隷ナインは涙した。 　４回の３点が重かった。一塁手の目の前で打球が大きく跳ねての二塁打やバント安打で満塁となり、長打１本で３失点。２回も内野安打２本から２点を失うなど、不運な当たりが多かったが、「そういうチャンスで打つところが、さすが掛西だと思った。力負けです」と井上侑主将（３年）は敗北を認めた。力投したエース・袴田行紀（３年）も「それも野球の面白さ。力不足だった。後悔はないです」と話した。 　それでもノーシード校が快進撃。常葉大菊川や静岡を倒して初めて決勝に進んだ。「精神的に弱い子たちだったが、よく頑張った」と上村敏正監督（６７）。袴田は「この経験が次につながると思う」と後輩たちに期待した。（里見　祐司） 　☆聖隷クリストファー・渡部哉斗一塁手（４番の２年生は１安打）「昨日からごはんが食べられないほど緊張した。でも打席では球がよく見えた。新チームでは引っ張っていきたい」

スポーツ報知-2時間前