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（26日、第106回全国高校野球選手権埼玉大会準決勝　春日部共栄1―4昌平） 　春日部共栄野球部のモットーは「明るく楽しく元気よく」。劣勢に追い込まれても笑顔を欠かさず、粘り勝つ。そんなチームを体現する存在が主将の三田村幸輔（3年）だ。 　準々決勝の浦和学院戦では、2点を追う九回1死から、三田村のヒットが流れを変えた。ここを皮切りに4得点し、逆転勝ちした。 　この日の相手は、春の県大会で負けた昌平。「絶対に負けない」と、一回の打席に立つと、内野安打で出塁。安打や相手の失策を絡めて満塁とし、押し出しで先制のホームを踏んだ。 　三田村は夏に向け、つなぐ打撃を意識して笑顔で声を出してチームを鼓舞し続けてきた。「エラーが出ても、0・1秒で切り替える」。そんな意識で練習にも臨んだ。六回には失策をしたが、切り替えて次の回は見事に併殺を決めた。 　「チームのまとめ役としても、選手としても申し分ない」。本多利治監督はそう評価する。 　九回、チームは無死一、二塁のチャンスを作ったが、後続が倒れた。三田村は、次打者席で試合終了を見届けた。 　試合後、三田村は「泣くな」との監督の言葉に目をぬぐった。「技術も気持ちも成長できた。本当に良いチームだった」と、最後に笑った。（恒川隼）

朝日新聞デジタル-4時間前

◇２６日　第１０６回全国高校野球選手権埼玉大会準決勝　昌平４―１春日部共栄（県営大宮） 　春夏合わせて８度の甲子園出場を果たし、１９９３年夏には準優勝した名将の夏は終わった。春日部共栄ナインは、創部からチームを率いて来年３月までで勇退する本多利治監督（６６）と夏の甲子園に行くことはできなかった。秋の埼玉県大会初戦敗退から今春は４強入り、夏はライバル・浦和学院にも逆転勝ち。本多監督は「自分がやめることを伝えてから、選手が変わった。夏を戦えると思わせるチームになってくれた」と選手への感謝を口にした。 　３点を追う９回も無死一、二塁として、「何があってもあきらめない」という春日部共栄の伝統を見せた。三田村幸輔主将（３年）は「監督のことは意識するなと言ってくれた。監督がいつも言っているように、明るく楽しく元気に最後までプレーできました」と胸を張った。夏の大会は終わったが、本多監督の指導は続く。「明日から新チームの練習。この悔しさを忘れないように鍛えます」。先発した大野泰輝投手（２年）は「体力不足を感じた。秋は絶対に負けたくない」と６年ぶりのセンバツ出場を誓った。

中日スポーツ-5時間前