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◇第106回全国高校野球　福岡大会2回戦　東筑4ー0八幡工（2024年7月5日　北九州市民） 　福岡大会は2回戦20試合が行われた。昨夏準優勝で7年ぶり出場を目指す東筑は八幡工を4―0で下した。元ダイエーで早鞆監督の大越基さんを父に持つ塁捕手（3年）が8番・捕手で出場し、5安打完封の好リードだった。 　にこっとした表情はそっくりだ。元ダイエー外野手を父に持つ東筑の大越は、捕手として2年生右腕・山下を完封へと導く好リード。95球の“マダックス”に加えて、四死球1の後輩を「いつも通り気持ちを込めて投げてくれた」と称えた。 　8番打者としては3打席連続犠打を決める“いぶし銀”の働き。「バントは得意。誰でも当たり前にできることはミスをしないように」と仕事人ぶりを発揮。8回には三塁打も放って4点目のホームを踏んだ。 　OBで兄の怜は立大の3年生投手。春のリーグ戦で初勝利を挙げるなど奮闘中で「自分もああいう形で活躍できたら」と刺激を受けている。昨夏の福岡大会では決勝で1点差惜敗。兄が届かなかった、父が仙台育英で89年夏準Vの聖地の土を踏む。　（杉浦　友樹） 　◇大越　塁（おおこし・るい）2006年（平18）6月17日生まれ、福岡県出身の18歳。小1時に福間ジャイアンツで野球を始める。中学時代は福間中の軟式野球部に在籍。東筑では1年秋からベンチ入り。1メートル76、81キロ。右投げ右打ち。

スポニチアネックス-1時間前

＜高校野球福岡大会：東筑4－0八幡工＞◇5日◇2回戦◇北九州 　伝統校の2年生右腕が、夏初戦で偉業達成だ！　昨夏準Vの東筑・山下栞汰（かんた）が100球未満での完封を意味する「マダックス」を決めた。入学時から約20キロアップした最速132キロの直球にスライダーがさえる。9回を1人で投げ抜き、5安打1四球。炎天下のマウンドで体力消耗が激しい中、95球と理想的な快投劇を演じた。常磐はエース右腕、羽田野夷吹（いぶき、3年）が9回を3失点（自責1）で完投勝ちした。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　何度も額から噴き出る汗をぬぐう。最高気温32度の酷暑。マウンドで、2年生山下が仁王立ちを続けた。 　最後はこの試合で一番の試練を乗り越えた。4－0の9回1死満塁。2連打と唯一の四球でピンチを招いた。「自分が崩れたら負けると思った。気持ちでいきました」。1球ごとに雄たけびを上げる。後続を二飛、右飛に打ち取った。5安打に封じ、高校初の9回完封勝ち。球数わずか95球。100球未満での完封を意味する「マダックス」のおまけつきだ。「力配分を意識して、9回まで投げ切れた」。充実感を漂わせ、喜びをかみしめた。 　8回を終えて70球。驚異的なテンポの良さだった。イニング別で9回に最多25球を費やすも、10球以内が計6イニングだ。打者33人に対しても、5球以内での決着が31人だった。青野浩彦監督（64）は「四球で点を取られるのが嫌なので。初戦はストライクを投げられる子が一番なんですよ」。今春公式戦デビューしたばかりの成長株に夏初陣を託した。打線の計10残塁に渋い表情も、持ち味の制球力を発揮した右腕には目を細めた。 　冬にはポール間走などで走り込み、デッドリフトで下半身を徹底的に鍛えた。春先に球速は1年時から約20キロアップの最速132キロをマークした。県内有数の進学校として知られ、常に野球との文武両道が当たり前。そんな状況でも「目標は甲子園出場です」ときっぱり。昨夏は決勝で敗れた。今年こそあと1歩で逃した優勝旗をつかみにいく。【佐藤究】 　◆山下栞汰（やました・かんた）2007年（平19）6月27日生まれ、福岡・宗像市出身。5歳で野球を始め、自由ケ丘中では軟式野球部に所属。東筑では2年春に初のベンチ入り。目標とするプロ野球選手はオリックス山下舜平大。好きなアーティストはback number（バックナンバー）。50メートル走6秒8。177センチ、70キロ。右投げ右打ち。 　

日刊スポーツ-12時間前