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大阪のパナソニックミュージアム。ここに貴重な電化製品が保存されています。卵のような形、何だかわかりますか?
実はこれ、1970年の万博で展示され話題になった三洋電機の「人間洗濯機」です。
(パナソニックミュージアム 川原学芸員)「三洋電機の創業者で当時会長だった井植歳男さんが、サンヨーは洗濯機で大きくなった会社だから万博ではびっくりする様な洗濯機を作れというふうに指示されて、これが開発されたと聞いております」
当時はまだ家のお風呂も珍しかった時代、広く市販されるまでは至りませんでした。
ところが、その人間洗濯機が2025年の万博で復活することになったのです。健康をテーマにした大阪のパビリオンに新たな姿で…
開発しているのは、きわめて細かい泡が出る浴槽やシャワーヘッドなどを手がける大阪の会社サイエンス。強みは高速な水流で微細な気泡を発生させ、汚れを浮かせてやさしく洗うという技術。油性ペンも水だけで落とせると話題になり、シャワーヘッドは4年間で120万本売れるという
この会社を立ち上げた青山会長が、社運をかけて人間洗濯機にこだわる理由は、あの万博でした。
(サイエンスホールディングス 青山会長)「感動の塊だった。完全に万博小僧になっちゃって、サンヨー館で実際に人間洗濯機を見て未来がすごい!と」
70年の万博で見た人間洗濯機をヒントに開発したのがこちら…
(青山会長)「これが現在ミラバスという名前で、首から下の全身500万個の毛穴をクリーニングする、簡単に言えば現代版「人間洗濯機」ですね」
元祖人間洗濯機の超音波で洗う技術を応用。未来の万博にむけた人間洗濯機は、これをベースに開発しますが、それだけではありません。大学と共同研究するのが…
(大阪大学 産業科学研究所 神吉准教授)「心電をとるセンサーが背中に当たって心拍が取れる。心拍の状態から自律神経の解析をプログラムで行っています」
心臓から得られる情報で健康状態をチェック、さらにその人の好みの映像をAIが診断し、リラックスさせる技術も開発中。未来型人間洗濯機は体だけで無く「心も洗う」ことを目指しています。
(日本経済新聞 長縄記者)「病院や介護施設に据え付けたり、泡の市場のひとつの形として『健康』にまで踏み込んでバスルームの空間を使えることになれば非常に多くの需要が見込める可能性がある」
開発チームには強力な助っ人も。70年の万博で人間洗濯機を作った三洋電機の元社員、山谷さんと上田さん。専門分野のデザインと技術の両面で助言します。
(人間洗濯機 設計者 山谷さん)「やっぱり50年経つと凄いですね。技術の進歩が…ええもんができそう」(人間洗濯機 デザイナー 上田さん)「心の通う提案をしたいと思っています」
(青山会長)「未来型のものを見せながら、万博が終わったらすぐに社会実装できるように考えなければいけないと思っている」
半世紀の時を超えた人間洗濯機。未来の常識となるでしょうか。