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金など金属の価格が急騰するなか、いま関心が高まっているのが国内での採掘です。
(記者)「この200kgの電子基板から採れるのが…20gの金です」
同じ量の鉱石と比べ、電子基板から手に入る金はなんと20倍。
日本の工業製品には、世界の2~3年相当の消費量に匹敵する貴重な金属が眠っているともいわれます。
ここは福岡県北九州市。
およそ100年前に誕生した八幡製鉄所を中心に製造業で栄えたものの衰退…
そんなものづくりのまちがリサイクルで再生を図っているのです。
(アステック入江 小森工場長)「電子基板にはいろんな部品がくっついていて、その中にいろんな金属が入っている」
捨てる基板からは金だけでなく、パラジウムなどのレアメタルも採取できます。
ロシアによるウクライナ侵攻や電気自動車の普及で希少な金属の価格が高騰。
(小森工場長)「破砕をするといろいろな部品が入り、リサイクルの効率がどうしても下がる」
そこで地元で半導体製造装置をつくる南陽と共同で新たな機器の開発に乗り出したのです。
たくさんの部品がついた基板を機械に入れると…わずか12秒ですっかり部品が取れた板が出てきました。
3年の試行錯誤の末、基板に高温の水蒸気を吹きかけ、接着しているはんだを溶かして部品を外すことに成功したのです。
そしてさらなる革命が!
はがれた部品が運ばれてくると…
すさまじい速さで同じ種類ごとに分けていきます。
AIの導入です。なんと0.1秒に1個の速さで部品を画像認識。
汚れや破損があると画像認識が困難ですが、膨大に蓄積されたデータとAIの組み合わせで課題をクリアしました。
同じ金属を含んだ部品ごとに瞬時に判別し、空気で飛ばし分けていきます。これで、リサイクル効率が一気に高まりました。
(中村さん)「(作業の人手は)3分の1の人で足りる。(手作業よりも)10~20%の経済効率がある」
金が浮かび上がってきました。
リサイクルの技術を持つ企業と、半導体のノウハウを持つ企業。地元企業の連携で、基板から金やレアメタルなど貴重な資源を効率的に再生できるようになったのです。
日経記者の目は…
ものづくりの街はリサイクルの街にも。都市鉱山の有効活用が一歩前進しています。