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「草の戸も 住み替わる代ぞ 雛の家」日々旅にして旅をすみかとするという決意を、柱にかがげて家を出る、旅立ちの心を豊かに表現します。太いラインのコラールで、フレーズは息を長く取ります。
「卯の花を かざして関の 晴れ着かな」心もとない日を重ねながら、白河の関まで来た、気 持ちも幾分晴れたという。道中を行き来する様子を描いています。幾分早足で行き交う人々を、軽快なテンポで旋律を表現します。
「松島や 鶴に身を借れ ほととぎす」一人旅寝をうつらうつらしながら、物思いに耽る。TromboneのソロはゆったりとTempo rubatoして、静かに歌います。情感の漂う楽節に創りあげます。
「夏草や つはものどもの 夢の跡」藤原三代の栄華の跡、山河のみ残されている、その寂しさに涙する。冒頭から闘いの場を表現します。力強く・歯切れよく、旋律を積み重ねて行きます。打楽器群は、多くの打楽器を組み合わせて、バンド独自の色彩を創ります。ラテン打楽器と和太鼓とのコラボは、独特の響きを創り出すことが出来ます。最後のTimpaniのソロは、武将の最後の場面として激しく演奏します。
そのあと、夏草・夢の跡と静かに終わり、最後.「荒海や 佐渡に横たふ 天の河」の雄大なコラールへ移ります。Piccolo・Flute・Vibraphone・Marimbaは、冴える星のきらきらとした光です。越後・出雲崎から、泡波を隔てて横たわる佐渡が島を見渡し、半天にかかる銀河の鮮やかさを描きます。コーダは、沖から寄せて来る荒波です。音による俳句を創作して下さい。(櫛田てつ之扶)
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