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物流の主役であるトラック。1日に走る距離は平均200キロにも達します。
タンクローリーなどおよそ200台のトラックを持つ運送会社では、燃料代だけで1年前より12%上昇。さらに年に1,400本を使うタイヤの価格も約1割高くなり利益を圧迫します。
そこで導入を急ぐのが…こちら。
(内田運輸 藤本副社長)「リトレッドタイヤを使用することでコスト削減になる。新品タイヤを取り付けた時と比較すると(タイヤ代の1割にあたる)年間400万円ほど削減できたと思います」
通常のタイヤとは何が違うのでしょうか。
山口県防府市に向かうと…。ブリヂストンのリトレッドタイヤの拠点がありました。国内に13ある工場のうち最大級で、1日におよそ900本を製造します。
タイヤのリサイクルは一見、簡単そうに聞こえますが…。
まずは古いタイヤを目でチェック。全体で80項目以上に上ります。
さらに火花も飛びます。目に見えない細かい穴がないかを調べて…。
すり減った溝だけを削っていき、こんなにつるつるになってしまいました。
タイヤの表面に接着剤をつけたら、いよいよ山場。新しく作った溝が登場します。
(ブリヂストンBRM防府工場 松本工場長)「一度使ったタイヤを削り込みして、この新しい面を貼り付ける作業がリトレッドいう製法になります」
最後に熱と圧力を加えてしっかりとくっつけて完成です。古いタイヤを生かしながら新品同様に生まれ変わらせます。
(松本工場長)「一回使ったタイヤをもう一度使えるということで、CO2の削減、地球環境(の改善)に貢献している」
タイヤは国内で年間およそ100万トンを交換し、6割以上は製紙や化学の工場で燃料として使っています。2回リトレッドタイヤを使えば、原料であるゴムの使用量、二酸化炭素の排出量がいずれも半分に。さらに半額ほどで提供できます。
去年に比べリトレッドタイヤの売上高が2割増えた販売店も。
(久我タイヤセンター 塩崎さん)「一番は、燃料費の高止まりというのもあるので経費を見直している企業が新品タイヤからリトレッドタイヤに変更していることが多い」
(日本経済新聞 久永記者)「ブリヂストンは、顧客が使っているタイヤを定期的にメンテナンスした上でタイミング良く回収し、ゴムを貼り替えて再び送り出すという仕組みを世界で構築出来ている点が大きな強みになっています。タイヤに限らずリサイクル事業をうまく回すためには原材料を効率的に確保することが重要になります」
リトレッドタイヤはねじれへの耐久性など、まだ新品とは差があります。
(ブリヂストンタイヤソリューションジャパン リトレッド事業本部 菊地本部長)「新品もリトレッドも商品の実力を上げていきたい。加えて(ブリヂストン)としてはより新品が何度もリトレッドできるような方向に技術開発を進めていきたい」
福岡・久留米を発祥とするブリヂストン。2050年に向けて、タイヤの表面だけでなくすべてをリサイクルする研究にも取り組んでいます。タイヤが世の中を何度も循環する日がいずれ来るかもしれません。