六月の大木 フツフツと沸き立つような 六月の大木のいぶきよ カッカッと燃え立つような 六月の大木のひかりよ このいぶきを吸飲するのだ このひかりを摂取するのだ 坂村真民全詩集 第四巻より #真民詩 #六月

あじさいの花 まるくまるく 形のよいものに なろうとする やさしい心の あじさいの花 きのうよりも きょうと 新しい色に なろうとする 雨の日の あじさいの花 坂村真民全詩集 第四巻より #真民詩 #あじさい

皐月の海 皐月のキラキラした海には 産みの母のような温かいものが 波の音にも色にも感じられ つい着ているものを脱いで すっぽりと抱かれたくなる 坂村真民全詩集 第四巻より #真民詩 #皐月

ねがい たんぽぽのように 風のまにまに飛んで行き 平和と幸福の花を咲かせよう 坂村真民全詩集 第一巻より #真民詩 #幸福の日

紅いバラ白いバラ 旅から帰ってきたら 紅白のバラを 玄関に活けてあった 紅いバラをかいでみた 子供たちのにおいがした 白いバラをかいでみた 妻のにおいがした 坂村真民全詩集 第二巻より #真民詩 #バラ #薔薇

朴の花 わたしの母さん 朴の花 五月の空にたかだかと 白くほのかに匂います やさしい母さん 朴の花 愛情いっぱいにこにこと 大きな葉っぱで包みます ほお　ほお　ほおと ほめましょう 母さんそっくり 朴の花 呼んでくれます招きます 坂村真民全詩集 第六巻より #真民詩 #五月の空 #朴の花

最後の日 五月十六日 その日は 母の火が 一番燃えていたのであろう 母の姿を見た人は 何か不思議なものを 見たそうな 母と行き合った人は 何か不思議なこえを 聞いたそうな 坂村真民全詩集 第一巻より #真民詩

白馬のように 五月になると 朴の花や 泰山木の花が 空たかだかと 咲き薫り わたしの心を 白馬のように 天の彼方へと 駆けさせる 坂村真民全詩集 第五巻より #真民詩 #五月 #朴の花 #泰山木の花

母の歌 花よりきれいな 母の愛 咲いてしぼまぬ 母の愛 鳥のこえより やさしくて いつもかわらぬ 母の歌 星のごとくに かがやいて ゆくてを照らす 母の顔 坂村真民全詩集 第一巻より #真民詩 #母の歌 #母の日

五月の花よ 五月の花よ 母をたたえて 咲いてくれ 五月は 花好きだった母が この世を去られた月だ だから花よ せい一ぱい咲いてくれ そして香りを 母のところに届かせてくれ 坂村真民全詩集第四巻より #真民詩 #五月

鳥になりたい 鳥になりたい 空飛ぶ鳥に ヒマラヤ アルプス どこでも飛んで 愛と平和の 使者になろ 金も位も国境も 持たない 鳥の自由さを 人間たちに 知らせたい 播かず 収めず 今日は今日 明日を任せて 生きてゆく 鳥になりたい 身軽な鳥に 坂村真民全詩集 第七巻より #真民詩 #愛鳥週間

純白の花 生きることはいいことだ 今年は朴の花が いくつも咲いてくれた 爽やかな五月の風に匂う 純白の花 坂村真民全詩集 第四巻より #真民詩 #五月 #朴の花

美しいこえ 新緑の天地に鳴く 鳥たちのこえのよさ 体が愛に燃えていると あんなにも 美しいこえになるのかと わたしも心をはずませる 坂村真民全詩集 第三巻より #真民詩 #みどりの日 #新緑