「これは駒だ。戦い、散る為だけの駒なんだよ」 手足が欠けても深い傷を負っていても、奴の前に立つ彼らは誇らしげな顔をしていた。 「愛なんて求めていない。必要ない。無理矢理押し付けられた善意など」 振り返る事が出来ない。 僕の後ろの彼らの顔を、見るのが恐い。 #Xnovel

｢不憫なメリーさん」#不憫なメリーさん #140字小説 #140文字小説 #140字ss #twnovel #xnovel

5年4月7日 深い雪の中 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

食パンに育てられたという少女が保護された。 狼とか猿なら聞いた事があるけれど、食パンは前代未聞。 世界中が彼女に注目していた。 『ごめんなさい。パパは常識的で人間臭い食パンなので、皆様の期待を裏切る事になるかと』 確かに少女は、実に常識的で人間臭い人間だった。 #Xnovel

動物は大きな《動物の木》に実る。 世界に一本しかないその木は、気紛れで様々な動物を生み出している。 「最近猿ばっかりっすね」 収穫しながら後輩が呟く。 「確かに」 我々も動物の木から生まれた。 しかし最近、何故か同族が生まれないのだ。 何故か、小型の猿ばかり。 #Xnovel

5年4月6日 静かな浜辺の鳥の色 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

「簡単なゲームをして貰います」 そこは真っ白な部屋だった。 モニター、トイレ、数日分の食料に水。 「限られた言葉しか打ち込めない状況で、Twitterを使い助けを呼んでください」 プロフ画面のみ制限なく編集可能。 他の場所に書き込む際には、 『こんにちは』 『プロフ見て』 だけ、しか。 #Xnovel

5年4月5日 頭の中のパンダ #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年4月4日 川を跨いだ先の宿 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

ポロックさんはカブトムシが好き。 だからこそ彼はクワガタムシを選んだらしい。 自分が乗ってしまったら大好きなカブトムシが見えないからだ。 「さあ行け、クワノスケ！」 ポロックさんは今日も、憎きクワガタムシのお世話をする。 大好きなカブトムシの事を考えながら。 #Xnovel

木々を見下ろす程の長身種族、ポレル族。 彼らの街の図書館には、不格好な踏み台が一つだけある。 迷い込んだ小さな小さな友達の為に、悪戦苦闘して作り上げたとっても素敵な踏み台だ。 #Xnovel

「ロックの日だから、ギターをやってみたい」 「駄目」 彼女は何にでも興味を持つ。 些細なきっかけで、簡単に挑戦する。 「えー」 「駄目だ」 彼女は恐ろしく器用なんだ。 些細なきっかけで始める癖に、すぐに上達してしまう。 「けち」 ロックだけは、ギターだけは。 #Xnovel

#Xnovel #小説 【有毒アイデンティティ】 　自分らしく振る舞えば、それを指摘されて、評価されて、やがて自分らしさを押し殺して、無意識に作り笑顔を浮かべてしまう。… pic.twitter.com/YJqovXm5di

5年4月3日 ディストピアニマル #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

井戸の底は見えない。 蛙の声と、髪の長い女性が視界を横切って行く。 「見えないよ」 深海魚と、橙色のエッグタルトが視界の端っこを走る。 「たぶん、タカシ君は居ないと思う」 井戸の底で何かが揺れたけれど、僕は違う場所を探す事にした。 #Xnovel

「紙の魔法使い、やっぱり銀悟君だったね」 髪の魔法使いは早海さんだった。 「折り紙だけで乗り切るなんて凄いよ」 「早海さんこそ、ヘアアレンジだけでよくあの気難しいライオン王を」 異世界に飛ばされてから、初めて心が落ち着いた気がした。 #Xnovel

ぷるんぷるんなクマさんグミに案内され、私は森の中を進む。 「ここは君に放置され忘れられたモノが集まる村なんだ。ああ、大丈夫、怒ってなんかいないから」 家庭菜園、ジグソーパズル、日記にぬか漬け。 「とりあえず彼、連れ帰ってあげなよ」 泣きじゃくる、恋人がそこに。 #Xnovel

｢書けないという力」 #140字小説 #140文字小説 #140字ss #twnovel #xnovel

5年4月2日 宇宙のスパゲティ #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年4月1日 ゴリラと温泉 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月31日 私の嫌いなもの #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月30日 夜を跨ぐ列車 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

“𝕏”を使うと検索されにくいという話があるので、念の為に自分のポストにセルフリプします。 #XnoveL #Xクリエイター

5年3月29日 真夜中の新幹線 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月28日 昼下がりのあんころ餅 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月27日 刺激中毒 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月26日 踊り場の親子 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

「や、王様」 この犬ころは間抜けで失礼な奴なのだ。 王に向かって、気さくに挨拶しおって。 「お菓子貰ったんだ。一緒に食べようよ」 家族に裏切られ兵たちに裏切られ、ワシは全てを失った。 王冠も居場所も威厳も無くしたこんな老人を、この間抜けな犬ころは、王様などと。 #Xnovel

犬は棒に当たるから歩くのをやめた。 河童は流されるので陸に上がり、落ちてしまうから猿は木登りをやめた。 「あ」 何度も書き損じた空海は、筆を捨て、木に登って暮らす事にした。 猿は次々と川に飛び込み、河童はジョギングを始めて。 「わん」 犬は座って、筆をとった。 #Xnovel

嘘はジズネの山の奥にある。 誰が最初に言ったのか、誰も知らない言い伝え。 「どんな見た目で」 植物、木の実、魚、動物、人間。 「一体、何なのか」 山道を歩きながら、目にした全てを観察し、疑う。 同じようにふらふらと歩く人々を見た。 皆、不確かな存在を探し、それに縋っているのだ。 #Xnovel

5年3月25日 華やかな武器 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

「あの子を追って、ねえ」 右半分が蟋蟀の女性は残念そうに、楽しそうに笑った。 「あの子は此処でも死んだの。もっと下に落ちたわ」 躊躇いなくナイフを取り出す僕を見て、笑顔は濃く深くなっていく。 「……素敵な関係じゃない」 僕はまた、首筋に。　 #Xnovel

大きくて恐ろしい生き物たちが支配する国だと思っていた。 小さな生き物たちを奴隷にしているのだと。 「旅人サン、ニゲテ」 滞在四日目。 私にそっとそう言って来たのは、一際大きくて恐ろしい生き物だった。 「ハヤク」 怯えた瞳。 服の下に見えた痕。 この国は、本当は。 #Xnovel

『プロフ見て連絡した。こっちでえっちなエロいのやってるから送る』 絵文字まみれのＤＭ。 よくある迷惑な奴。 『特に下から二段目の文章に』 文末の言葉。 プロフに隠したモノに気付いた証。 「良かった。正義の味方は全滅してないんだ」 すぐにリンクを押す。 今こそ世界を取り戻すんだ。 #Xnovel

5年3月24日 井戸のある生活 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

5年3月23日 紫陽花のかくれんぼ #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説

「モニョモジョ、ケロッパのモソ、ンレレレ。それとハンバーグです」 二十八個目の世界。 どう見ても料理に見えない物が並ぶ中に、安心するフォルムがあった。 茹で人参、ブロッコリー、ポテトも添えてある。 「また、ハンバーグが」 二十八個目の世界。 この異世界にも、何故かハンバーグ。 #Xnovel

ハンバーグにナイフを入れる。 緊張の瞬間。 いつも通り溢れ出る美味しそうな肉汁。 「逮捕」 老舗洋食屋さんの山内シェフまで捕まってしまった。 長年肉汁を閉じ込め続けてきた罪、監禁罪。 暴走する国から、ハンバーグ屋さんは姿を消した。 #Xnovel

5年3月22日 記憶にない湿度 #twnovel #140字小説 #140文字小説 #xnovel #創作 #ショートショート #小説 #マイクロノベル #web小説